働き方改革で変更点はあるか? 建設業の時間外猶予
【相談内容】
働き方改革関連法案の成立で、建設業の時間外の上限規制は当面適用が猶予されるといいます。
ただ、猶予の内容がよくわかりません。
企業規模なども関係してくるのでしょうか。
36協定自体は締結する必要があるとして、その際の留意点があれば教えてください。
【結論】
適用猶予の期間は、企業規模を問わず、2019年4月から2024年3月31日までの5年間です。
この日をまたぐ場合には協定期間の初日から起算して1年までとなります。
また、適用が猶予される事業は、建設業のほか、交通誘導警備なども含まれます。
働き方改革関連法案の成立で、建設業の時間外の上限規制は当面適用が猶予されるといいます。
ただ、猶予の内容がよくわかりません。
企業規模なども関係してくるのでしょうか。
36協定自体は締結する必要があるとして、その際の留意点があれば教えてください。
【結論】
適用猶予の期間は、企業規模を問わず、2019年4月から2024年3月31日までの5年間です。
この日をまたぐ場合には協定期間の初日から起算して1年までとなります。
また、適用が猶予される事業は、建設業のほか、交通誘導警備なども含まれます。
適用猶予の期間は
2024年3月31日まで
労働基準法では、法定労働時間は原則1日8時間、週40時間と決められています。
しかし、あらかじめ労働組合(または労働者の過半数代表者)と使用者で『時間外・休日労働に関する協定届』、いわゆる『36(サブロク)協定』を締結することにより、これを超える時間外労働や休日労働をさせることができます。
2018年6月に成立した働き方改革関連法案で改正された労働基準法では、時間外労働等の上限に関しては、下記の通り定められています。
(1)原則月45時間、年360時間を超えないこと(新法36条3項、4項)
(2)特別条項により、休日労働を含め月100時間未満、休日労働を含まず年720時間以内(5項)とすること
(3)特別条項によらない場合も、休日労働を含め月100時間未満、休日労働を含め2~6カ月間の1カ月あたりの平均が80時間を超えないこと(6項)
ただし一部の事業・業務については働き方改革を進める方向性を共有したうえで、実態を踏まえて適用の一定期間猶予措置が設けられており、建設業もこれに含まれています(法139条2項、1項の復旧復興事業は一部取扱いが異なる)。
適用猶予の期間は、2024年3月31日までとなっており、この日をまたぐ場合には、協定期間の初日から起算して1年までです。
適用は猶予でも36協定の締結自体は必要ですので、協定事項を確認してみましょう。
建設業の猶予は
企業規模を問わず適用となる
新法36条2項2号では、適用猶予の対象期間を1年間に限るとし、事業完了または業務終了までの期間が1年未満である場合も、1年間とする必要がある(平30・9・7基発0907第1号)とされました。
延長時間を書く欄として、新法では『1日、1カ月、1年のそれぞれ』としていますが、建設業については、適用猶予により1カ月のところは『1日を超え3カ月以内の範囲で協定をする使用者および労組などが定める期間』となります。
36協定の様式は9号の4などを用います(新労基則70条)。
中小企業に対する時間外の上限規制は2020年4月1日から始まります(働き方改革関連法附則3条)。
建設業の猶予は直接関係がなく、企業規模を問わず2024年3月31日まで猶予される形です。
適用が猶予される事業は下記の通りです(新労基則69条)。
(1) 労基法別表第1第3号に掲げる事業
現在、限度基準告示により、月45時間等の限度時間や特別条項の適用がない事業とリンクします(平11・1・29基発45号、平15・10・22基発1022003号)。
(2)建設業に属する事業の本店、支店等
労基法法別表第1第3号に該当しないもの(平30・9・7基発0907第1号)とされ、たとえば、事務部門主体の本店・支店などです。
(3)工作物の建設の事業に関連する警備の事業
当該事業において交通誘導警備の業務を行う労働者に限るとしています。
働き方改革関連法案で新たに盛り込まれることになった、時間外労働や休日労働についての厳しい上限規制は、従業員が心身とも健康に働くために必要なものです。
しかしその一方で、工事期間が必ずしも年間を通して一定ではない建設業の場合、残業が減ることは従業員の収入の減少に直結することにもなります。
この調整をうまく行いながら、働き方改革の成果を上げられるようなシステムを検討していきましょう。
2024年3月31日まで
労働基準法では、法定労働時間は原則1日8時間、週40時間と決められています。
しかし、あらかじめ労働組合(または労働者の過半数代表者)と使用者で『時間外・休日労働に関する協定届』、いわゆる『36(サブロク)協定』を締結することにより、これを超える時間外労働や休日労働をさせることができます。
2018年6月に成立した働き方改革関連法案で改正された労働基準法では、時間外労働等の上限に関しては、下記の通り定められています。
(1)原則月45時間、年360時間を超えないこと(新法36条3項、4項)
(2)特別条項により、休日労働を含め月100時間未満、休日労働を含まず年720時間以内(5項)とすること
(3)特別条項によらない場合も、休日労働を含め月100時間未満、休日労働を含め2~6カ月間の1カ月あたりの平均が80時間を超えないこと(6項)
ただし一部の事業・業務については働き方改革を進める方向性を共有したうえで、実態を踏まえて適用の一定期間猶予措置が設けられており、建設業もこれに含まれています(法139条2項、1項の復旧復興事業は一部取扱いが異なる)。
適用猶予の期間は、2024年3月31日までとなっており、この日をまたぐ場合には、協定期間の初日から起算して1年までです。
適用は猶予でも36協定の締結自体は必要ですので、協定事項を確認してみましょう。
建設業の猶予は
企業規模を問わず適用となる
新法36条2項2号では、適用猶予の対象期間を1年間に限るとし、事業完了または業務終了までの期間が1年未満である場合も、1年間とする必要がある(平30・9・7基発0907第1号)とされました。
延長時間を書く欄として、新法では『1日、1カ月、1年のそれぞれ』としていますが、建設業については、適用猶予により1カ月のところは『1日を超え3カ月以内の範囲で協定をする使用者および労組などが定める期間』となります。
36協定の様式は9号の4などを用います(新労基則70条)。
中小企業に対する時間外の上限規制は2020年4月1日から始まります(働き方改革関連法附則3条)。
建設業の猶予は直接関係がなく、企業規模を問わず2024年3月31日まで猶予される形です。
適用が猶予される事業は下記の通りです(新労基則69条)。
(1) 労基法別表第1第3号に掲げる事業
現在、限度基準告示により、月45時間等の限度時間や特別条項の適用がない事業とリンクします(平11・1・29基発45号、平15・10・22基発1022003号)。
(2)建設業に属する事業の本店、支店等
労基法法別表第1第3号に該当しないもの(平30・9・7基発0907第1号)とされ、たとえば、事務部門主体の本店・支店などです。
(3)工作物の建設の事業に関連する警備の事業
当該事業において交通誘導警備の業務を行う労働者に限るとしています。
働き方改革関連法案で新たに盛り込まれることになった、時間外労働や休日労働についての厳しい上限規制は、従業員が心身とも健康に働くために必要なものです。
しかしその一方で、工事期間が必ずしも年間を通して一定ではない建設業の場合、残業が減ることは従業員の収入の減少に直結することにもなります。
この調整をうまく行いながら、働き方改革の成果を上げられるようなシステムを検討していきましょう。