社会保険労務士法人なか/労働保険事務組合福働会/福働会中部支部

医院のレベルを底上げ! スタッフの質を高める“5S活動”

18.11.07
業種別【医業】
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整理された清潔な医院、無駄のないスタッフの動きというのは、誰にとっても気持ちの良いものです。
受付、棚に並ぶファイル、診察や治療に必要な薬剤や機材は、わかりやすく整頓されていなければなりません。
それらを扱うスタッフの動きも患者から見られています。
整理整頓された職場環境は、効率的に動けるだけでなく、安全性の向上にもつながります。
こうした職場環境作りに役立つのが“整理・整頓・清掃・清潔・しつけ”からなる“5S活動”です。
“5S活動”にどのように取り組んでいけばいいのかをご紹介します。
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5S活動は“片付けだけ”ではない

5S活動とは、職場の環境を整備し、維持するための活動です。
5つのSとは具体的にはどういうことなのか、詳しくみていきましょう。

1.整理(Seiri)
必要なものと不必要なものを分け、不必要なものは捨てます。

2.整頓(Seiton)
必要なものがすぐ手に取れるように、配置する場所を決めてわかりやすいようにしておきます。

3.清掃(Seisou)
環境や道具をきれいな状態に保ち、不備がないよう点検しておきます。

4.清潔(Seiketsu)
整理・整頓・清掃をいつも行い、環境を維持するようにします。

5.しつけ(Shitsuke)
上記のルールや順序をスタッフ全員が共有し、習慣づけます。

このように、5S活動は気が向いたときにする単純な片付けではありません。
あくまでも、スタッフ全員が参加し共有する、徹底した取り組みです。そして、この取り組みは継続する必要があります。


5S活動の実効と計画

5S活動は一つひとつが独立したものではなく、五つすべてがつながって効果が上がります。
活動に大切なことは、スタッフ全員が“目標”を持って、達成するまでの計画をしっかり立てるということです。
医療施設であれば、『清潔で通いやすい医院』を目標にしたとします。
そうすれば、入口や受付、待合室、診察室などをきれいに保とうと努力するでしょうし、書類、機材、薬剤などを整理してわかりやすく表示し、動きの無駄がなくなるでしょう。
こうして得られた効率的な流れは、患者はもちろん、スタッフ自身のストレスの軽減にもつながります。また、患者からの評価が上がることで経営面にも反映されていきます。

毎日の業務の中で、昔からやっているからという理由だけで続けている無駄な作業はないでしょうか?
それを省く、あるいは別の方法に変えるだけで、時間と手間が短縮できます。
5S活動で作業を再点検し、手順を変えていくことは、思考そのものを効率化してくれます。
管理者である院長が5S活動をおろそかにしていては、スタッフが真剣に取り組まなくなります。
院長みずからが率先して行い、階層の垣根なく取り組むことも重要です。


医院の環境向上+安全性の向上

大阪府茨木市にある内科医院では、5S活動に取り組む際に、ルールとチェックリストを作成しました。

・全員参加で、その中からまとめ役を決める
・何をどこまで行うかの基準や頻度を決める
・作業をリスト化し、全員が見て共有する

これにより、受付や書類、ベッドや機材の管理を効率的に行えるようになりました。

このように、5S活動に取り組むと職場環境が向上しますが、5S活動の効果はそれだけではありません。
医療や介護の現場では、施設を適切に管理することが患者の安全につながります。

千葉県市原市の整形外科医院では、施設の管理に頭を悩ませていました。
以前からの慣習となっていた、院内の物品の管理やイスの配置、清掃の頻度がバラバラでルールがなく、結果、不安な気配りや確認が増え、スタッフが業務に集中できない状態になっていました。
そこで、5S活動に取り組むとき、各スタッフから気づいたことなどを募り、その意見を取り入れました。

・薬剤やファイルなどのラベルを統一する
・納品されたものや物品は、一時的にでも通り道に置かない
・気づいた人でなく、担当者が定期的に点検する

一見簡単なことのようですが、少しやり方を変えることで、この医院のスタッフは業務に関する不安がなくなりました。
この不安解消により、患者の安全にもつながっています。

医療施設における5S活動とは、医院の環境向上とスタッフの成長を叶えるための取り組みです。
「今よりも医院のレベル、スタッフのレベルを上げたい」
「スタッフ一人ひとりが質の高い仕事ができる職場にしたい」
このようにお考えでしたら、“5S活動“を取り入れてみてはいかがでしょうか?