「お客様の言った通りに」は不正解。“顧客志向”の難しさ。
マーケティングの基本の一つは“顧客志向”です。
マーケティング登場以前はもっぱら作る側の都合で、
たまたまできた製品、作りたかったから作った製品を
なんとか売ろうと努力していました。
そこに、マーケティングが“顧客志向”をもたらしました。
顧客の欲しいモノを作る、顧客が欲しいサービスを提供する。
いまや多くの企業が、そんな風に考えてビジネスに
挑んでいます。
ですが難しいのは、
「顧客志向=お客様の言った通りにする」ではない、
ということです。
マーケティング登場以前はもっぱら作る側の都合で、
たまたまできた製品、作りたかったから作った製品を
なんとか売ろうと努力していました。
そこに、マーケティングが“顧客志向”をもたらしました。
顧客の欲しいモノを作る、顧客が欲しいサービスを提供する。
いまや多くの企業が、そんな風に考えてビジネスに
挑んでいます。
ですが難しいのは、
「顧客志向=お客様の言った通りにする」ではない、
ということです。
本当に欲しいモノやサービスを、
顧客自身はうまく語れないのです。
お客様に欲しいものを尋ね、
アンケートを行ったりするのは有意義な行為です。
しかし、顧客志向のビジネスの「解答」はそこにはありません。
あるのは、せいぜいヒントです。
よく言われるのが大ヒットしているiPhone。
現在のスマートフォン・ブームの火付け役ともなった商品です。
しかし、iPhone登場以前に消費者にアンケートを取っても、
けっしてiPhoneみたいな商品のニーズは出てきませんでした。
企業の側が顧客のニーズを想像し、
様々なヒントからアイディアを出して作り上げたのが、iPhoneというわけです。
ハンバーガー業界でも、アンケートを取ると欲しい商品として、
たいてい“サラダバーガー”みたいなものが上位に来るそうです。
ところが、作ってもあまり売れない。
むしろテキサスバーガーといったガッツリ系や、
1,000円バーガーなど超デラックスなモノが売れたりします。
あなたのビジネスに対する、
顧客の不満やニーズを聞き出すことは重要です。
しかし、そこで得られた情報に「答えるだけ」では、
必ずしも顧客の満足は得られない。
むしろ「なんだ。言ったことをやってきただけじゃないか!」と、
不満を持たれかねません。
iPhoneのようなビッグヒットに限らず、日々の業務においても、
顧客からの要望に対して、少し何かを付け加えた提案、
あるいは少し角度を変えた提案も必要だと思います。
それは、「顧客自身も明言できない顧客のニーズを探り当てる行為」。
難しくもありますが、
そこができてこそ、多くの収益も見込めることになるでしょう。
[プロフィール]
佐藤 達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論 / マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。
顧客自身はうまく語れないのです。
お客様に欲しいものを尋ね、
アンケートを行ったりするのは有意義な行為です。
しかし、顧客志向のビジネスの「解答」はそこにはありません。
あるのは、せいぜいヒントです。
よく言われるのが大ヒットしているiPhone。
現在のスマートフォン・ブームの火付け役ともなった商品です。
しかし、iPhone登場以前に消費者にアンケートを取っても、
けっしてiPhoneみたいな商品のニーズは出てきませんでした。
企業の側が顧客のニーズを想像し、
様々なヒントからアイディアを出して作り上げたのが、iPhoneというわけです。
ハンバーガー業界でも、アンケートを取ると欲しい商品として、
たいてい“サラダバーガー”みたいなものが上位に来るそうです。
ところが、作ってもあまり売れない。
むしろテキサスバーガーといったガッツリ系や、
1,000円バーガーなど超デラックスなモノが売れたりします。
あなたのビジネスに対する、
顧客の不満やニーズを聞き出すことは重要です。
しかし、そこで得られた情報に「答えるだけ」では、
必ずしも顧客の満足は得られない。
むしろ「なんだ。言ったことをやってきただけじゃないか!」と、
不満を持たれかねません。
iPhoneのようなビッグヒットに限らず、日々の業務においても、
顧客からの要望に対して、少し何かを付け加えた提案、
あるいは少し角度を変えた提案も必要だと思います。
それは、「顧客自身も明言できない顧客のニーズを探り当てる行為」。
難しくもありますが、
そこができてこそ、多くの収益も見込めることになるでしょう。
[プロフィール]
佐藤 達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論 / マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。