社会保険労務士法人なか/労働保険事務組合福働会/福働会中部支部

6割がリピーター! コンセプトの追求が、予約の絶えない店を確立

18.04.03
業種別【飲食業】
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2010年10月、東京・武蔵小山の駅チカにオープンした『Shinori(シノリ)』。
炭火焼き鳥とワインが人気で、現在も連日予約で満席状態です。 
それもそのはず、“良コスパの美味しい店”に贈られるミシュランガイドの『ビブグルマン』にも選ばれています。

繁盛店となった決め手は、業態のコンセプトにありました。
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メニューの選択肢を減らし 
自慢の味を訴求! 

長年フレンチで腕を振るってきたオーナーシェフが、フレンチシェフ時代、炭火焼きの魅力に惹かれて開業を決意。
約3年間の焼き鳥修業を経て、8年前に同店をオープンしました。 

営業の主軸である“焼き鳥とワイン”の完成度を高めるため、開業準備中に妻はソムリエ資格を取得。
ワインリストはあえて作らず、ボトル売りをメインに、お客さんの好みと料理に合わせて接客しながらセレクトします。 

お酒と料理を楽しんでもらうため、ドリンクはワインとビールだけに限定し、ワインが飲めない方の入店をお断り。
しかも、新規の来店客には、“料理の初回注文はコースだけ”というルールも。 

さらに店内は完全禁煙。
自慢の味をしっかり楽しんでもらうための工夫を徹底しています。 

このように、とことん追求した確かな味に客が感動し、予約が絶えない人気店へと成長したのです。 


1人1人に合わせた 
丁寧な職人料理で魅了 

このように、お客さんにも条件をつければ理想の店づくりはできそうですが、正直反応も気になるところ……。 

そこを、絶対的な味の良さで勝負したのが、この店最大のポイントです。 
食材と料理方法に加え、調味料にもこだわり、誰が食べても美味しいと感動する完璧な味に仕上げています。 

まず、調理の要となる炭は、高知の土佐備長炭を使用し、鶏の部位に合わせて炭の位置を変えながら温度を調整。 
フレンチシェフ時代に培ったジビエ料理も、グランドメニューとして通年4種類、炭火焼きで提供しています。 

焼き鳥は、千葉の水郷赤鶏を仕入れ、串の上は塩味を強く、食べ進めても飽きないよう1本ずつ塩加減を調整。
焼き鳥の仕上げ用に数種類のビネガーを常備し、お客さんが飲むワインに合わせて鶏の味わいを変化させるこだわりようです。 

アラカルトには、フォアグラと半熟卵を使ったオーブン焼きなど、フレンチの絶品も提供。 

フレンチ仕込みの火入れ技術と厳選した素材で、徐々に「ここの焼き鳥が食べたい!」という目的客が増加。
リピーターの獲得に成功したのも、ひと口食べれば虜になる“Shinoriの味”を確立しているからだといえます。 


金額ではなく 
味の評価でコスパを上げる 

およそ10坪・20席という小規模展開で人気店となったShinori。
1人あたり6,000~7,000円という客単価に注目すると、稼ぎの法則が見えてきます。 

焼き鳥の注文をコースメインにすることで、確実に単価をアップ。
ワイン目的の来店客も多く、料理が進むにつれてドリンク料も自然とプラスされていきます。 

当然、ミシュランガイド『ビブグルマン』に認定されているだけあって、費用対効果はお墨付き。
来店客の満足度が、売り上げアップにもつながる模範ともいえます。 

オープン当初は、焼き鳥以外のメニューも豊富に揃えていたという同店。 
そこを「ワインと焼き鳥をアピールしたい」という一心で、大幅変更したことが繫盛店へと成長した決め手でした。 

さすがはミシュランガイドに掲載される名店。
6割がリピーターという繁盛の秘訣は、もともとのコンセプトを大切にした、高い訴求力にあったのです。 



繁盛飲食店のヒット商法最前線