突然、転勤を命じられた! 断ることはできる?
【事例】
東京で営業職をしているAさんは、ある日、人事部長に呼び出され「来週から北海道支店にいってくれ。北海道では経理担当として宜しく頼む」と言われました。
東京で営業がやりたくて入社したAさんは納得がいきません。
Aさんは、この転勤を断ることができるでしょうか?
東京で営業職をしているAさんは、ある日、人事部長に呼び出され「来週から北海道支店にいってくれ。北海道では経理担当として宜しく頼む」と言われました。
東京で営業がやりたくて入社したAさんは納得がいきません。
Aさんは、この転勤を断ることができるでしょうか?
原則として
拒否は難しい?
転勤とは、配転の一種で、一つの企業内で仕事の内容や勤務場所を変更する人事異動のうち、勤務場所が変わるものをいいます。
会社は、配転をすることについての配転命令権があると考えられており、特定の配転命令が権利の濫用にあたる場合(例えば嫌がらせ目的でなされたような恣意的な場合)を除き、労働者はその命令に従う必要があると考えられています。
そのため、営業がやりたいと考えている従業員が経理に異動するように命じられたとしても、これを拒否することは原則としてできないことになります。
これは、個々人の労働力をどの分野にどの程度配転するのかは使用者の判断事項であり、個々人の適正については会社が見極め、配置をしていく必要があるためといえます。
もっとも、権利の濫用にあたらない場合であっても、配転を拒否することができる場合があります。
それは、職種や勤務地が契約により限定されている場合です。
過去には、客室乗務員として航空会社に雇用された従業員が、他の職種への配転を命じられた際にその有効性が争われた事件もあります。
ただし、この職種や勤務地の限定は、契約によりなされている必要がありますので、採用時に“営業としてがんばって欲しいといわれた”という程度では認められないものと考えられます。
配転は、従業員にとっても重大イベントですが、会社にとっても、どの人をどこに配置するかによって会社の業績や将来に影響を与える重大イベントです。
そのため、裁判上も配転は『労働力の適正配置、業務の能率増進、労働者の能力開発、勤労意欲の高揚、業務運営の円滑化など企業の合理的運営に寄与する点が認められる限りは、業務上の必要性』が認められると考えられています。
このような事情に照らすと、Aさんは、北海道への転勤を甘受せざるを得ないように思います。
今回は、転勤命令を断れるか否かについて、お伝えしました。
労務問題で何かお困りのことがあれば、お気軽にお問い合わせください。
企業成長のための人的資源熟考
拒否は難しい?
転勤とは、配転の一種で、一つの企業内で仕事の内容や勤務場所を変更する人事異動のうち、勤務場所が変わるものをいいます。
会社は、配転をすることについての配転命令権があると考えられており、特定の配転命令が権利の濫用にあたる場合(例えば嫌がらせ目的でなされたような恣意的な場合)を除き、労働者はその命令に従う必要があると考えられています。
そのため、営業がやりたいと考えている従業員が経理に異動するように命じられたとしても、これを拒否することは原則としてできないことになります。
これは、個々人の労働力をどの分野にどの程度配転するのかは使用者の判断事項であり、個々人の適正については会社が見極め、配置をしていく必要があるためといえます。
もっとも、権利の濫用にあたらない場合であっても、配転を拒否することができる場合があります。
それは、職種や勤務地が契約により限定されている場合です。
過去には、客室乗務員として航空会社に雇用された従業員が、他の職種への配転を命じられた際にその有効性が争われた事件もあります。
ただし、この職種や勤務地の限定は、契約によりなされている必要がありますので、採用時に“営業としてがんばって欲しいといわれた”という程度では認められないものと考えられます。
配転は、従業員にとっても重大イベントですが、会社にとっても、どの人をどこに配置するかによって会社の業績や将来に影響を与える重大イベントです。
そのため、裁判上も配転は『労働力の適正配置、業務の能率増進、労働者の能力開発、勤労意欲の高揚、業務運営の円滑化など企業の合理的運営に寄与する点が認められる限りは、業務上の必要性』が認められると考えられています。
このような事情に照らすと、Aさんは、北海道への転勤を甘受せざるを得ないように思います。
今回は、転勤命令を断れるか否かについて、お伝えしました。
労務問題で何かお困りのことがあれば、お気軽にお問い合わせください。
企業成長のための人的資源熟考