社会保険労務士法人なか/労働保険事務組合福働会/福働会中部支部

制約社員って何? 契約社員と違うんですか?

14.04.13
ビジネス【人的資源】
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制約社員は正社員ですが、契約社員は正社員ではありません。
働く人の呼び名は、つぎつぎに増えています。

「労働者」や「従業員」というだけでなく、
「パートタイマー」「アルバイト」
「嘱託」「派遣社員」などよく聞きますが、
さらに「契約社員」「外務社員」
「臨時社員」など、呼称は増えるばかりです。

ここ近年、「正社員」に対して
「非正規社員」の増加の大きいことが問題になっています。
企業成長のための人的資源熟考

ところが、一括りにされていた「正社員」も
実は問題をはらんでいるのです。

普通、正社員や公務員は、昇格するほど異動がつきものです。
とくに転勤は有無を言わせないところがあります。
そしてまた、気に入っていた仕事から突然動かされたりします。
その上、正社員には残業がつきものです。
正社員はその代償として、雇用の安定を手に入れていました。

人々の生活が豊かになって来ると、
仕事と生活の調和(ワークライフバランス)が問題になってきます。
そのとき、正社員であっても人によっては
仕事を変わりたくないとか、
ある期間労働時間を短くしたいとか、
転勤は困るとかいうことがあるものです。

それならば、正社員をそのように区別しておけばいいのではないか、
というのが制約社員制度の発想です。
たとえば、地域限定社員や育児、介護の期間の特別処遇など。
制約社員制度があると、働く者にとっては安心して働ける、
企業にとっては人材の確保につながります。

海外の人事制度は仕事本位ですから、
人の異動は本人の同意を得るのが普通です。
その代わり、仕事がなくなれば人も要らなくなり
雇用が保障されるとは限りません。
日本の制約社員という新しいカテゴリは、
正社員制度の柔軟化と言えるでしょう。


次回の「企業成長のための人的資源熟考」は
「制約社員制度のメリット」をお届けいたします。


[プロフィール]
佐野 陽子(さの・ようこ)
慶應義塾大学名誉教授。1972年慶應義塾大学商学部教授。87年から2年間、日本労務学会代表理事。89年から2年間、慶應義塾大学商学部長・大学院商学研究科委員長。96年東京国際大学商学部教授。2001年から4年間、嘉悦大学学長・経営経済学部教授。主な著書:『はじめての人的資源マネジメント』『企業内労働市場』(ともに有斐閣)。


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