「緊張感」は結果を生み出す源
プロ野球やサッカーJリーグの各チームが、2017年のシーズンへ向けて動き出した。ファン・サポーターの期待を背負い、各チーム、トレーニングに励んでいる。
サッカーJリーグでは、鹿島アントラーズに注目だ。昨年はJリーグを制し、開催国枠で出場したクラブW杯では準優勝に輝いた。今回は、そんな鹿島アントラーズを率いる石井正忠監督の言葉から、チームとして大きな成果を上げる上で重要なことを学んでいきたいと思う。
石井監督は、鹿島で現役生活を過ごし、引退後は長くコーチを務めてきた。クラブの歴史を知る49歳は、温厚な人柄で知られる「調整型」のリーダーだ。自らの哲学を全面に押し出すというよりも、メンバーの意見を吸い上げながらチームを進むべき方向へと導いていく。
そんな石井監督が大切にしているのは「緊張感」だ。それこそが、昨年のようにタイトルを獲得したシーズンと、優勝争いに絡めなかったシーズンとで感じた違いだという。
「結果を残せている時期は、練習から緊張感があります。選手自身が積極的に練習に取り組み、お互いに要求し合う声が出ていたりする。練習にしっかりとメリハリがあります。一方、結果が出なかった時期は、練習の雰囲気が悪かったり、選手が監督からの指示待ちだったり、ということがありました。一定の緊張感があるなかで練習に取り組むことが、すごく大事なのだと思います」
石井監督が言う「練習」を仕事や仕事場に置き換えれば、結果を出すビジネスマンにとって必要な心構えになるだろう。
緊張感の生み出し方は色々とある。時間厳守のように組織全体に共通するものから、ライバル関係のような小さなグループを対象としたものまで様々だ。リーダー役職にある人は、自らが束ねる組織に無理のない方法で、緊張感を創り出していきたいものだ。