Webマーケターが知っておいたほうがいいコンピュータ言語
SEO施策からリスティング広告をはじめとするWeb広告、Webサイトやランディングページ(LP)などのコンテンツ制作にSNSの運用まで、Webマーケティングの担当者である、いわゆるWebマーケターが理解しておくべき事柄は無数にあります。
その一つが、マークアップ言語やプログラミング言語などに代表される『コンピュータ言語』です。
コーディング作業やシステム開発など、自分で実際に作業を行わないまでも、プログラマーやエンジニアの行なっている作業が理解できるくらいの知識があれば、さまざまな場面で役立ちます。
Webマーケターが知っておいたほうがいいコンピュータ言語を紹介します。
Webコンテンツを理解するために必須の言語
インターネットの普及に伴い、これまではチラシのポスティングやダイレクトメール(DM)などオフラインの手法で行われていたマーケティングが、1990年代頃からオンラインのWebマーケティングでも動き出すようになりました。
そのWebマーケティングにおいて、理解を深めるために必要なものの一つが、Webサイトやシステム、アプリケーションなどのWebコンテンツを構築するために必要な『コンピュータ言語』です。
コンピュータ言語とは、Webサイトの構築やシステムなどの開発、電子機器の制御などを行う際に、人がコンピュータに表示や処理を指示するための専用の言語のことです。
なかでもプログラムを記述するために使われる『プログラミング言語』がもっとも有名で、ほかにもコンピュータ言語には後述する『マークアップ言語』といったデータを記述するための言語なども含まれます。
現在までに派生言語を含め、主なものだけでも250以上の種類があるといわれているプログラミング言語ですが、作りたいものによって使用する言語が異なるため、プログラマーなどは目的に沿ったプログラミング言語を習得していることが前提となります。
一方、Webマーケターもこれらの言語を覚えておくと、さまざまなメリットがります。
まずWebマーケターが知っておきたいのは、『HTML』と『CSS』です。
この2つはそれぞれ『マークアップ言語』と『スタイルシート言語』と呼ばれる言語で、Webマーケティングに欠かせない言語であることは間違いありません。
HTMLはWebページの構造を定義するためのもので、文章の構成や写真の配置、リンクの挿入など、現在インターネット上で公開されているほとんどのWebサイトやLPにはHTMLが使われています。
そのHTMLを土台にして、デザインやレイアウトなどWebページを装飾するための言語がCSSです。
Webマーケターがこの2つを理解しておけば、完成したWebページに簡易的な修正を加えることができますし、カスタマイズを行うことも可能です。
また、実際に制作した作業者に修正や更新を依頼する際に、明確な指示が出せるようになるため、進行がスムーズになるでしょう。
さらに、HTMLとCSSを理解しておけば、検索エンジンに評価されやすくするための専用のコードである『構造化データ』を追記するなどして、SEO対策を講じることもできます。
このように、Webページの検索結果を上位に表示させるために行う施策のことを『構造化マークアップ』と呼びます。
目的に合わせて、使用する言語を選択する
Webページのお問い合わせフォームの利便性を上げたり、アクセス解析ツールを活用したりする際には主に『JavaScript(ジャバスクリプト)』を使います。
JavaScriptは、ほかにもポップアップウィンドウやアニメーションなど、Web上で動的なコンテンツを実装する際にも使われます。
必ずしもWebマーケターが扱えるようになる必要はありませんが、どんな時に使うのかイメージできれば、現場のプログラマーやエンジニアとの意思疎通が円滑に行えますし、的確な指示も出せるようになるでしょう。
また、データ分析についても、コンピュータ言語を学ぶことで、効率化を図ることができます。
データ分析には、データベース操作言語である『SQL』や、人工知能の開発にも使われるプログラミング言語である『Python(パイソン)』などの言語が役立ちます。
SQLは、データベースの作成やデータベース内のデータの抽出などを行う言語で、データベースから顧客のデータや注文データなどを引き出すこともできます。
Pythonはデータ収集のほか、集めたデータを解析することもでき、具体的なマーケティング施策を練る場合などに使用できます。
また、Pythonはコードがシンプルで短いという特徴があり、初心者でも学習しやすいので、興味があれば試してみるとよいでしょう。
業務の効率化や高度な分析には欠かせないコンピュータ言語ですが、スキルを身につけるためには、勉強をしなければいけません。
Webマーケター向けのコンピュータ言語に関する書籍のほか、言語について学べる月額制のWebサービスやプログラミングスクールなどもあるので、自分に合った方法で習得していくことをおすすめします。
注意したいのは、学ぶ際には取り扱うマーケティング施策に合わせた言語を選ぶことです。
スマートフォンアプリを使用した施策であれば、アプリ開発に適した『Java(ジャバ)』や『Swift(スウィフト)』などの言語がありますし、広告の配信システムなどのサーバ側のプログラムには『GO(ゴー)』や『Rust(ラスト)』などが向いています。
Webマーケターにとって、さまざまなコンピュータ言語はとても便利なツールの一つです。
最低限の基礎を理解しておくだけでも、業務に役立たせることができるはずです。
習得にあたっては、まず自身の業務にどんな言語が必要なのか、把握するところから始めましょう。
※本記事の記載内容は、2024年7月現在の法令・情報等に基づいています。