ひかり税理士法人

顧客に再アプローチ!『リードリサイクル』を成功させるには

24.09.24
ビジネス【マーケティング】
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自社が保有している顧客情報のなかから、成約できなかった顧客や休眠状態にある顧客を掘り起こして、再びアプローチする『リードリサイクル』は、新規顧客の獲得と同じくらい大切な営業活動の一つです。
なんらかの理由で成約には至らなかったものの、一定の関係性を構築できていた顧客にアプローチすることは、マーケティングの観点からも非常に効率的な手法だといえます。
具体的にどのようにリードリサイクルを進めていけば、顧客との再商談に結びつけられるのか考えていきましょう。

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『失注理由』が再アプローチ時の判断材料

業種や取り扱う商材などによって異なるものの、営業活動における商談の成約率はおおよそ30~50%が平均値とされています。
たとえば、提案した100件のうち、30件を成約に結びつけることができれば、成約率は30%となります。
逆に残りの70件は、商談まで進んだものの、なんらかの理由で成約できなかったということです。

営業活動において、成約できなかったり、休眠状態になってしまったりする理由はさまざまです。
他社のほうがよい提案だった可能性もありますし、タイミングが合わなかったからかもしれません。
もしかしたら、自社の営業力が及ばなかった可能性もあります。

しかし、このように成約できなかった顧客であっても、状況やニーズの変化などから、再び商談できる機会が訪れることもあります。
そして、顧客への再アプローチも含めた、その際の一連のプロセスを『リードリサイクル』と呼びます。

業種や業界のマーケット規模によりますが、新規でリードを獲得し続けることには限界があります。
また、特にBtoBのサービスでは、BtoCと比べて検討する期間が長期にわたるため、すぐに、成約できず失注したと判断してしまうことは機会損失につながりかねません。
これらの理由から失注・休眠状態のリードを掘り起こし、再びアプローチするリードリサイクルは重要な施策といえます。

リードリサイクルを進めるには、まず成約に至らなかった顧客や休眠中の顧客データのなかから、『失注理由』に基づいて新たに成約の可能性がある、もしくは成約の可能性が残っている顧客を掘り起こす作業を行います。

この作業を行うには、成約に至らなかった時点で失注理由を記録しておく必要があります。
取引先や顧客から成約できなかった本当の理由を聞くことができるケースはまれですが、ある程度はその理由を推察できます。
たとえば、サービスの内容が求めていたものと違っていた、金額が折り合わなかった、課題の解決によりサービスが不要になった、といった理由などです。
そのためにも、商談の経緯や当時の状況、担当者の分析結果に至るまで、顧客ごとに商談の詳細について記録しておきましょう。
こうした記録が残っていなければ、どの顧客にどのような再アプローチをすればいいのか判断できません。

リードリサイクルを進めるうえでは、このような適切な顧客管理がとても重要です。
顧客管理を正しく行うためには、失注理由はもちろん、顧客名や連絡先などの基本情報のほかに、商談の経緯や営業訪問履歴、顧客のニーズなどの情報を管理できる顧客管理システムの活用をおすすめします。
近年は営業担当が情報を共有できるクラウドサービスに紐づいた顧客管理システムも増えているので、導入を検討してみましょう。

再提案から成約に至るまでのプロセス

失注理由に基づいて見込みのある顧客を選別できたら、再びアプローチを行なっていきます。
このとき、失注理由を解決する策を盛り込んだ再提案がなければ、成約に至ることは非常にむずかしくなります。
前回の提案よりもブラッシュアップされていることが、リードリサイクルを進めるうえでの重要なポイントです。
ただし、状況の変化によって、課題がすでに解決している場合などもあるため、個々のケースで判断するようにしましょう。

たとえば、見込み顧客が強い関心を示している状態であれば、優先度を高くしてアポイントの打診を行い、まだあまり関心を示していない状態の場合は、アンケートの依頼など売り込み要素が少なく比較的返信率の高い施策で、ナーチャリング(見込み顧客を購入する状態にまで育成すること)を行うとよいでしょう。

過去に一度は商談まで進んだ顧客だけあり、タイミングを見誤らなければ、リードリサイクルにおける再提案も受け入れられやすい傾向にあります。
顧客の状況によって柔軟に対応しながら、適切にコミュニケーションを取り、商談を進めていきましょう。
顧客に再び興味を持ってもらえたら、最終フェーズのクロージングに進み、契約を締結させることになります。

リードリサイクルは新規顧客を獲得するための営業活動よりもコストがかからず、成約の可能性も高い手法です。
一方、成約の可能性が高くても状況によっては、失注理由を覆すことができないこともあります。
リードリサイクルがむずかしい顧客は思い切って諦めることも重要です。
成約の一歩手前だったからといって、いつまでも固執するのではなく、営業のリソースをほかに回した方が効率的な場合もあります。

また、いつ相手方の状況やニーズが変化するとも限らないため、業界の動向をよく見極めると同時に、市場調査や顧客分析などを怠らないようにし、リードリサイクルの機会を逃さないようにすることも大切です。


※本記事の記載内容は、2024年9月現在の法令・情報等に基づいています。