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どんなことで揉めている? 実際に多い相続トラブルとは

23.09.05
業種別【不動産業(相続)】
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相続・遺産分割というと、トラブルやお家騒動といった揉め事を想像させるような言葉を思い浮かべることも多いのではないでしょうか。
相続に関する記事やニュースでは、『争族』といった当て字をつけている記事なども多く見受けられます。
相続は必ず揉めるものというわけではありませんが、遺産分割の話し合いがまとまらないパターンはいくつかあります。
今回は、その典型的なパターンを紹介します。
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人間関係に問題がある場合のトラブル

相続人同士の仲が悪いような場合、円滑な話し合いを妨げます。
仲が悪くなった原因や理由はさまざまですが、次のような事情がきっかけになることが多いようです。

・相続人のうちの一人に、若い頃に非行に走っていた、お金を持ち出したなどといった家族を困らせた過去があり、親兄弟と折り合いが悪い
・父親が再婚しており、後妻やその子どもも相続人となっているが、そもそも親族としての付き合いがない
・父親に隠し子がいたことが判明した

このように家族関係に問題があったり複雑だったりする場合は、明らかに感情的な対立が強く、話し合いが難航する確率も高くなります。
隠し子がいたというケースでは、その子どもが認知されていたのかによって、そもそも相続人にあたるのかどうかということが問題になり、いわゆる死後認知が訴訟で争われることもよくあります。

また、ここまであからさまでなくとも、個人の胸の内にあった不満により、関係性が悪くなることもあります。

・兄弟姉妹の一人だけが(たとえば跡取りだからという理由で)親から特別扱いされていた
・兄弟姉妹のうち、自分だけが親の面倒を見てきた

このような不満は、実の兄弟姉妹であっても、相続の際に露呈しやすいといえます。
もしも相続人のなかに、被相続人の生前に贈与を受けていた人がいたり、被相続人の生前の介護や生活援助等の面倒を見ていた人がいたりする場合は、具体的な相続の取り分をどのように調整するかが問題となることがあります。
いわゆる『特別受益』や『寄与分』に関係する問題です。

なお、相続人同士の仲が良い悪いという以前に、居場所がわからなかったり、遠方にいて疎遠のため連絡が取れなかったりという理由で、相続の手続きが進められずに困るケースも多いようです。

遺産の分け方で話し合いがつかない場合

また、感情的なもつれで話し合いができないということと併せて、遺産をどのように分けるかで話し合いがまとまらないことも多くあります。

相続における遺産分割の割合については、民法で法定相続分が定められています。
しかし、たとえば遺産に自宅不動産があり、相続人の誰かが自宅不動産を取得することを希望した場合などには、不動産の評価額次第では、不動産をもらうと法定相続分以上を取得することになり、ほかの相続人より財産を多く相続する状態になってしまうことがあります。
そのような場合は、法定相続分通りに分けるために、ほかの相続人に対して、もらいすぎとなる金額を支払って調整しなければなりません。
この方法を、『代償分割』といいます。

自宅を相続したい相続人は、借金や資産売却をしてお金を用意する必要があり、それができない場合には、ほかの相続人に自分の取り分が少なくなることを受け入れるなどの譲歩をしてもらわなければ話はまとまりません。
そうすると、そこで話し合いが膠着状態となる可能性があります。

代償分割に充てるお金が用意できない、また、ほかの相続人が承諾してくれない場合、最終的にはその不動産を売却したうえで公平に分配するか、不動産を共有状態にするしかありません。
しかし、その判断もなかなか簡単につくものではないでしょう。
不動産のように現物のため割合通りにきれいに分けるのが難しい財産は、結果として話し合いが長期化することが大変多いのです。

相続の現場では、相続人の関係性に端を発する感情的な対立が争いを強めるだけでなく、遺産の分け方についての意見が合わないことが多々あります。
もっとも、遺産相続の問題は、最終的には財産をどのように分配するかという経済的な側面で解決するほかありません。
相続のトラブルを解決するためには、自分が法律に則って主張できることを見極めつつ、話し合いの落とし所を探っていく必要があることを理解しておくことが大切です。


※本記事の記載内容は、2023年9月現在の法令・情報等に基づいています。