SS総合会計グループ

経営改善に役立つ!重要指標の価値をさらに高める3つの手法!【前編】

22.04.18
【代表コラム】
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若葉が目に眩しくうつる季節です。新年度の慌ただしさも落ち着くころではないでしょうか。さて、税理士を超えた経営のパートナーであるSS総合会計では、決算書が読めるようになり経営を改善したいとお考えの経営者様のお役に立つべく決算書】にまつわるコラムをお送りしております。今回は第6弾!ぜひご覧ください。
《目次》
経営改善に役立つ!重要指標の価値をさらに高める3つの手法!【前編】
1.手法1:連年比較財務諸表を作って指標を過去10年間並べてみる!
2.手法2:部門別損益計算書で不採算部門を洗い出せ!

経営改善に役立つ!重要指標の価値をさらに高める3つの手法!【前編】

前回のコラムで、決算書を紐解く5つの指標(①固定費生産性②労働分配率③総資本経常利益率(ROA)④当座比率⑤自己資本比率の5つ)がお分かりになったと思います。ここでは、それら指標を使って分析する上で、さらに有効な方法をお伝えしたいと思います。正直5つの指標を使ってただ決算書を当てはめるだけでは、実はまだ片手落ちなのです。以下の有効手法3つを取り入れてこそ、会社の経営状態が浮き彫りになるのです。経営改善に役に立つこと間違いなしです。それでは、紹介していきたいと思います。

1.手法1:連年比較財務諸表を作って指標を過去10年間並べてみる!

まず1つ目ですが、連年比較財務諸表を作成してほしいと思います。これは10年間決算書を横に並べて作成されたものです。えっ!?それだけ?と驚かれた方もいるかもしれませんね。でもこれをやると、自社の経営の癖が簡単に見抜けるようになりますなぜか?それは、経営指標は比較をしないと良し悪しが判断できないからです。弊社では、貸借対照表、損益計算書、変動損益計算書、キャッシュフロー計算書をすべての顧問先について、毎年作成しております。これを決算報告会で社長にお話しさせて頂くと、非常に喜ばれます。例えば、10年間の連年変動損益計算書を作成すると、10年間の労働分配率を比較することが容易になります。ある年の労働分配率が非常に低く固定費生産性が高いことが見える化されたり、その逆もしかりです。社長は、10年間くらいであれば、その年その年に何があったかくらい鮮明に覚えております。そうすると自分のやっていた経営スタイルと決算数字がつながるので、今後どのように対策を打てばいいか指標を使ってイメージすることが可能となるのです。ですから、まずは10年間決算書を並べて比較をするだけで、課題が明確になってきます。

2.手法2:部門別損益計算書で不採算部門を洗い出せ!

次に、部門別損益計算書です。部門別損益計算書では、経営における機能別単位に損益計算書を分けることで、その部門において利益が出ているかを把握することができます。ここで皆さんに質問です。企業の生産性を向上させ、利益を生み出す最も手っ取り早い方法とは何でしょうか?売上を上げることでしょうか?経費を下げることでしょうか?原価管理することでしょうか?人を育てることでしょうか?正解は、不採算部門を切り捨てることです。私たちは、経営改善事業の一つに事業再生を行っているのですが、真っ先に行うことがこの不採算部門切り捨てなのです。なぜか?すぐに止血できるからです。一瞬で利益改善します。赤字の部門を切り捨てれば、その部門の赤字がなくなる分だけ利益改善されることくらい容易に想像つきますよね。ただしそのためには、企業でしっかりと部門別決算を行っていることが大事になってきます。これをやっていない中小企業は非常に多いです。赤字部門の切り捨てによる利益改善は早いのですが、この部門別会計構築のプロセスは非常に時間がかかります。ですのでもし取り入れていない場合には、利益体質の会社も赤字体質の会社も顧問税理士さんに相談して、早めに取り掛かっていただきたいと思います。

続いて、どのような切り口で部門を選定していけばいいかについてお話します。種類としては、店舗別、支店別、得意先別、工事別、人別、機能部門別(販売部・製造部等)などがあります。切り口のポイントは、まずはマネジメント単位がどうなっているかを考えることです。つまり、それが店舗ごとにマネジメントされているのか、それとも部署別でマネジメントされているかといったことです。そしてもう一つは、採算をどのように考えるかです。例えばこれは得意先別損益計算書がそうです。どの得意先が採算がとれていてどの得意先が不採算が一目でわかるようになっていることが大事です。製造業の場合には、部品別損益計算書という考え方もありますが、得意先によってこの部品は採算があうから注文を受けるけど、この部品は受けないといったことはできないのが普通です。これに限っていえば、部品別ではなく得意先別でとらえるべきといってもいいでしょう。ただ部品別損益計算書は内部統制する上で大切であれば、得意先別損益計算書を出した上で、部品別損益計算書も同時に出していく等工夫して運用していく必要があります。

いかがでしたでしょうか。次回の代表コラムでは、経営改善に役立つ!重要指標の価値をさらに高める3つの手法!【後編】をお伝えしていきます。どうぞご期待ください!