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習慣や文化への理解がカギ! 外国人労働者とのトラブル防止策

21.01.26
ビジネス【法律豆知識】
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外国人労働者の数は年々増加傾向にあり、今や外資系企業だけではなく、一般的な日本企業でも同僚や上司、部下が外国人というケースも増えてきています。
外国人の雇用には、組織の活性化や新たなアイデアの創出など、さまざまなメリットがありますが、一方で、習慣や文化の違いからトラブルに発展してしまうこともあります。
スムーズなコミュニケーションを図り、業務を円滑に進めるためにも、同僚である外国人とのトラブル防止策を学んでいきましょう。
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外交上の問題を持ち出すのはタブー

外国人は、入管法で定められている在留資格の範囲内において、日本国内での労働が認められています。
厚生労働省の『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ』によると、2019年の時点で、国内で働く外国人は約166万人となり、2018年の約146万人を超えて過去最高を記録しました。
また、外国人を受け入れている事業所の数も、約24万カ所となり、過去最高を記録しています。
外国人労働者の国籍別の割合は、中国が約42万人と、全体の約25%を占め、続いてベトナムが約40万人、フィリピンが約18万人という結果になりました。
2020年は新型コロナウイルス感染症の流行によって訪日外国人の数が減ったとはいえ、今なお多くの外国人が日本国内で働いています。

日本で働く外国人の数は、今後も増えていくことが予想されます。
同僚の外国人労働者と無用なトラブルを起こさないためにも、同僚の国の文化や習慣を知り、お互いが理解を示すことが大切といえるでしょう。

たとえば、中国と日本はさまざまな外交上の問題を抱えていますが、それを職場にまで持ち込んではいけません。
プライベートで外交問題を話題にあげることには問題ありませんが、外交問題をきっかけに同僚の人格を否定したり、責め立てたりすることは、れっきとしたハラスメント行為にあたります。

2020年6月に、『労働施策総合推進法の改正』によって、大企業におけるパワハラ対策が義務化されました。
中小企業も、2022年4月1日から義務化が適用されます。
いわゆる“パワハラ防止法”と呼ばれるこの法律には罰則規定こそありませんが、対策を講じなかった企業に対しては、厚生労働大臣からの指導または勧告が与えられます。
ハラスメント問題を起こした社員は、会社から何らかの制裁を受けることも考えられますので、パワハラになるような言動をとることのないよう、今まで以上の注意が必要です。


信義則に対する意識の違いに注意する

法律やマナーに対する意識の違いも、トラブルの火種になるといわれています。
外国人のなかには、その国の風土や文化の違いから、法律や会社の規律をそもそも重大なこと、厳守しなければならないものと捉えていないことがあります。

たとえば、社内の機密情報に対しての管理や、違法コピーされたソフトの使用などに関する認識は国ごとに異なります。
情報管理や著作権に甘い国では、どうしても認識がゆるくなってしまう傾向にあるのです。
その場合は、同僚として、まずは日本ではそれらの行為は違法行為にあたることをしっかりと説明し、理解を求める姿勢が重要といえるでしょう。

また、日本には、同じ会社で働く一員として、相手の信頼に背かずに、誠意をもって行動しなければならない『信義誠実の原則』(信義則)という法原則があります。
これは、簡単にいえば、『嘘をつかない』『約束を守る』『言われたことをやる』など、相互に相手の信頼を裏切らないよう行動すべきであるという、通常の日本人には備わっている道徳的な規範といえます。

しかし、外国人労働者は、育った環境や考え方が日本人とは異なるため、日本人が当然だと感じている信義誠実の原則が通用しないケースも少なくありません。
お互いを信頼して仕事をするためにも、日本においては、約束を守ることや嘘をつかないことが大切なのだとしっかりと伝えて、理解してもらいましょう

外国人労働者は、人手不足に悩む日本企業において必要不可欠な存在です。
また、一人一人の社員にとっても、外国人労働者とともに働くことは、新たな知見を得られるチャンスでもあります。
グローバル化が進む社会においては、同僚として外国人と良好な関係を築けるかどうかが、社員の仕事ぶりを評価するうえで重要なポイントになっていくかもしれません。
同僚として外国人労働者と末永く付き合うためにも、トラブルを未然に防ぐにはどうしたらよいのか、共に気分よく業務を遂行していくには何が必要なのかを、しっかりと知っておきましょう。


※本記事の記載内容は、2021年1月現在の法令・情報等に基づいています。