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自分の名前を変更することは可能?

18.08.24
ビジネス【法律豆知識】
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私たちが暮らしていく上で必要不可欠な存在である“名前”。『氏』は親と同じ氏と規定されていますが、『名』は生まれた後に命名されます。名は一生ものなので、『寿限無』という落語があるくらい、命名には頭を悩ませるものです。 
もし、親に命名してもらった名を変更したい場合、それは可能なのでしょうか?
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名の変更

民法には、名について明記されている規定がありません。親権のひとつとして、子供の名を決められると考えられています。しかし、実際に生活していくのは、命名された者なので、自分の名が嫌な場合もあるでしょう。
名を変えたいことに“正当な理由”がある場合、家庭裁判所から許可を得ることにより“名の変更”が認められます(戸籍法107条2項)。
“正当な理由”とは、社会生活における個人の同一性を象徴する機能(社会的利益)といかなる名を呼称するかという個人の利益(個人的利益)の比較考慮によって、判断されるものと理解されています(東京高裁昭和51年12月8日決定)。


正当な理由がある場合、ない場合

さて、実際に名の変更については、裁判官の裁量にゆだねられている部分が大きいです。また、公表されている事例も多くありませんが、裁判所の判断をいくつかご紹介します。

①性同一性障害のケース
男性の名をつけられた申立人に対し、性同一性障害であり男性名を使用することにより精神的苦痛を被っており、使用を強いるのは社会観念上不相当で、名の変更によって職場や社会生活に混乱が生じる事情もないと、女性の名への変更を認めた。

②希望する名の漢字が使えないことにより、父が勝手に命名したケース
生後1年未満の申立人について、当時、両親が希望した“翠”という漢字が戸籍に使えなかったことから、父が無断で名を“みどり”と届出をしたが、母が納得せず、届出後7日で“智香”という名への変更を求めた事例で、父母のいさかいを残す事は望ましいことではないこと、出生して半歳にも満たないので社会的影響も少ないことから、変更を認めた。

③夫婦が同じ読み方のケース
“朝夫”という漢字で“あさお”と読む申立人が、妻の名が“朝生”という漢字で“あさお”と読むため“利之”との名へ変更を求めた事例で、同じ呼び方で困惑するのは親類のものが夫婦一方を呼ぶときのほかないこと、“利之”との名は今まで使ったことがないこと等から、変更が認められなかった。


紹介した事例以外にも、難読や営業上の必要がある場合等、氏の変更と比較すると認められやすくなっています。
ご自身の名について悩んでいるようでしたら、一度検討してみてはいかがでしょうか。