株式会社 未来サポートアスカ

シニア層が対象の『リバースモーゲージ』における根抵当権の登記

26.06.30
業種別【不動産業(登記)】
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老後資金への不安を感じる人が増えるなか、自宅に住み続けながら資金を調達できる方法として注目されているのが「リバースモーゲージ」です。
リバースモーゲージは自宅を担保に金融機関などから融資を受け、契約者の死亡後に自宅の売却などによって借入金を返済する仕組みです。
そして、利用する際には自宅に「抵当権」や「根抵当権」と呼ばれる権利を設定する登記が必要になります。
リバースモーゲージの基本的な仕組みから、抵当権と根抵当権の違い、利用する際の注意点などを理解しておきましょう。

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シニア世代の融資に必要な抵当権などの設定

リバースモーゲージとは、自宅を担保に生活資金などの借入ができる融資制度を指します。
一般的な住宅ローンでは毎月元金と利息を返済していきますが、リバースモーゲージでは契約者が生きている間は利息のみを支払う契約が多く、元金は亡くなった後に一括返済する仕組みとなっています。
一般的には、契約者が亡くなった後、担保となっている自宅を売却するなどして、その代金で借入金を返済します。
そのため、「老後も自宅に住み続けたいが、現金収入には不安がある」というシニア層に適した制度といえます。

一方で、融資を行う金融機関側にとっては、「将来的に不動産を売却して回収する」ことが前提になるため、担保設定が非常に重要になります。
そこで必要になるのが、「抵当権」や「根抵当権」の登記です。

抵当権とは、簡単にいえば「お金を貸した側が、返済されなかった場合に不動産を売却して回収できる権利」のことです。
たとえば、契約者が亡くなった後、相続人が返済を行わない場合でも、金融機関は設定した抵当権を使って不動産を売却し、貸したお金を回収できます。

住宅ローンでは一般的に抵当権を利用することが多いですが、リバースモーゲージでは契約内容によって、契約者が必要に応じて何度も借入を行うケースがあります。
その場合は、抵当権ではなく、根抵当権が設定されます。

根抵当権は抵当権の一種ですが、「一定の限度額の範囲内で、繰り返し借入ができる」という特徴があります。
たとえば、極度額3,000万円の根抵当権を設定した場合、その範囲内であれば追加融資や再借入が可能になります。

もし、通常の抵当権しか設定していなければ、借入の度に新たな抵当権の設定登記が必要になります。
しかし、それでは手続きが煩雑になり、費用や時間もかかるため、リバースモーゲージでは、特に限度額方式の契約において、根抵当権が採用されるのが一般的です。

根抵当権の登記手続きは、所在地を管轄する法務局で行いますが、実際には金融機関が提携している司法書士に依頼することが多く、契約者自身が法務局へ行くケースはそれほど多くありません。

リバースモーゲージのメリットとリスク

リバースモーゲージの大きなメリットは、高齢者でも利用しやすいことです。
通常のローンでは年齢が高いほど審査が厳しくなる傾向にありますが、リバースモーゲージでは不動産が担保になるため、比較的審査も通りやすく、ほかの金融商品と比べてもスムーズに資金を借り入れられる可能性があります。
毎月の返済も利息のみで負担も軽く、元金の返済を急ぐ必要がないため、年金生活でも資金計画を立てやすくなります。

また、自宅を売却せずに資金を得られる点も魅力です。
住み慣れた家を離れる必要がなく、生活環境を大きく変えずに老後資金を確保できることは、シニア層の暮らしの助けになるでしょう。

一方で、注意しなければならない点も多々あります。
まず、リバースモーゲージの契約条件によっては、子世代との同居が制限される、または事前に同居人の同意が必要になる場合があります。
これは、契約者が亡くなった際の自宅の売却(立ち退き)をスムーズに行うためです。

また、最終的には自宅を売却して返済する前提になるため、相続人へ不動産を残しにくい制度でもあります。
「家を子どもに相続させたい」と考えている場合は、事前に家族と十分に話し合っておく必要があります。

さらに、多くのケースで、借りられる金額は不動産価格より少なく設定されます。
借りられる金額は不動産評価額の5~7割程度に抑えられるのが一般的です。
不動産価値の下落リスクが考慮されるため、想像より融資額が少ないと感じることがあるかもしれません。
そして、担保の設定をする際は、建物より土地を重視する傾向にあります。
入居者が所有する土地と建物の区別がつきにくいマンションは、担保として利用できない場合もあります。

長生きはご自身にとってもご家族にとっても喜ばしいことである一方、リバースモーゲージの性質上、長生きすればするほど利息を支払い続けなければなりません。
また、リバースモーゲージは変動金利が用いられることがほとんどです。
したがって金利が上昇した場合、毎月の支払額が増える可能性があります。
さらに、極度額の見直しが定期的に行われるなかで極度額が減額され、それ以上に借入を行なっている場合は上回っている借入金額の一括返済を求められる場合もあります。
加えて、契約者の長生きによる利息の積み上がりや不動産価格の下落により、売却代金が借入残高を下回った場合、差額を相続人が負担しなければならないケースがあります。
ただし、相続人が返済義務を負わない「非遡及(ひそきゅう)型」と呼ばれる契約タイプもあるため、事前の確認が必須です。

リバースモーゲージは自宅に住み続けながら老後資金を確保できる制度ですが、相続や不動産の売却にも関わる仕組みです。
また、金融機関独自の商品のため、取り扱っている金融機関ごとに制度設計が若干異なります。
利用前には契約内容を十分に理解し、家族ともよく話し合っておくことが大切です。
不明点や懸念がある場合は、事前に司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。


※本記事の記載内容は、2026年7月現在の法令・情報等に基づいています。