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経営がピンチに陥る!? 意識したい『レピュテーションリスク』とは

24.12.24
ビジネス【企業法務】
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SNSの普及と共に、誰もが手軽に情報を発信できるようになり、企業の評判も瞬く間に世の中に広まるようになりました。
こうした社会的な背景をもとに、注目を集めているのが『レピュテーションリスク』です。
レピュテーションリスクとは企業や商品に対するネガティブな評判や風評によって、企業価値や信用の低下を招くリスクのことを指し、顕在化してしまうと、消費者離れや売上の低下が起きてしまう可能性もあります。
企業にとっては致命傷になりかねないレピュテーションリスクを防ぐための対策について解説します。

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企業価値の低下や消費者離れを招く?

レピュテーションリスクという言葉が日本で意識されはじめたのは1990年代後半です。
当時は大企業だけの問題とされており、また企業努力次第でリスクを避け、レピュテーション=評判を高めることができると考えられてきました。
しかし、社会状況の変化と共に、企業が公表している売上や利益、生産設備などの「有形資産」だけではなく、ブランドや社風、価値観などの「無形資産」もその企業を評価する対象になりました。
加えて、インターネットやSNSなどの普及によって、不祥事やコンプライアンス違反なども明るみに出やすくなり、これまで以上にレピュテーションリスクが高まる時代になったといえます。

レピュテーションリスクが顕在化すると、企業にはどのような影響があるのでしょうか。
一つに、売上の減少が考えられます。
企業が信用を失い、ブランドの価値を下げてしまうことによって、商品やサービスが売れなくなり、消費者離れが加速していきます。
消費者は単純な品質の良し悪しだけで商品を選んでいるのではなく、「人気がある」「多くの人が選んでいる」「口コミでおすすめされた」など、一見、非合理的ともいえる理由で購入する商品を選ぶことが多々あります。
消費行動は他者の評判に大きく左右されるため、一度、企業や商品にネガティブなイメージがついてしまうと、負のスパイラルを巻き起こし、そのイメージによって商品やサービスが売れない事態に陥ってしまうかもしれません。

また、市場や投資家の信頼を失うことで、株価の下落を引き起こす可能性があります。
社会的な信用の低下は資金調達を困難にしますし、企業価値が下がると、優秀な人材も離れてしまいます。
そして、一度失った信用は容易に取り戻すことができません。
レピュテーションリスクの顕在化は、売上の低下だけではなく、顧客離れや人材の流出をも招いてしまう事態になりかねないということです。

レピュテーションリスクの原因となる不祥事

レピュテーションリスクを軽減し、顕在化を防ぐには、リスクが発生する原因を理解しておかないといけません。
レピュテーションリスクの主な原因の一つは、企業の不祥事や法令違反、そしてコンプライアンス違反です。
一口に不祥事といっても、不正会計からリコール隠し、データの改ざんに情報漏洩までさまざまですが、いずれの不祥事も杜撰な管理・対応や隠蔽体質が世間の批判を受ける原因となっています。
不祥事が発覚した後の対応についても誠実さが求められ、曖昧な対応だと信用はいつまでも回復しません。
また、ハラスメントや経営者の不適切な発言などのコンプライアンス違反は、内部告発によっても発覚しやすくなっています。

こうした不祥事やコンプライアンス違反に起因するレピュテーションリスクを軽減するためには、社員一人ひとりの法令遵守やコンプライアンスへの意識を高めていく必要があります。
コンプライアンス研修の定期的な開催や、適切なガイドラインの策定などはもちろん、各部署における個別のレピュテーションリスクの管理は欠かせません。
社内における法令遵守やコンプライアンスの監視は法務担当の管轄ですが、すべての部署、すべての社員の言動について把握できるわけではありません。
各部署がガイドラインや社内規定に沿って、法令やコンプライアンスを守る必要がありますし、そのための環境整備も行なっていく必要があります。

さらに、レピュテーションリスクは企業側に問題がなくても、風評被害や根拠のない噂などによって顕在化してしまうこともあります。
2024年11月には、最近購入したチョコレート菓子の中に虫が入っていたという投稿がSNSで拡散されました。
しかし、企業側が迅速に投稿主へ事実確認を行い、実際には事実とは異なる投稿内容だったことが明らかになっています。
このケースでは企業側が適切な対応をとったため大きな問題にはなりませんでしたが、対応が遅れてしまえば、たとえ虚偽の内容だったとしても、それが拡散されることで、レピュテーションリスクが顕在化してしまう場合もあります。

風評被害が起きた際には、すぐに事実確認を行い、法的措置なども含めた適切な対応を行うことが重要です。
そして、こうした風評被害の拡大を防ぐためには、SNSで関連する投稿の早期発見が必要不可欠です。
ネットワーク監視サービスなども活用しながら、企業の評判を常時チェックできる体制を構築しておきましょう。


※本記事の記載内容は、2024年12月現在の法令・情報等に基づいています。