紹介先を困らせない正しい紹介状の書き方
病診連携の推進を目的の一つとして、2022年10月1日より、紹介状を持たずに外来受診する患者の支払う『特別の料金(選定療養費)』が引き上げられました。
特別の料金とは、一部負担金(3割負担など)とは別に患者から徴収する料金のことです。
そのため、基幹病院などの受診にあたって、かかりつけ医に紹介状の作成を依頼する患者が増えてきたほか、診療情報提供料等の算定のために、紹介状を書く機会は以前より増えてきたといえるでしょう。
紹介状は、正しい字で書かれ、必要な情報が整理された内容のものである必要があります。
今回は、受け取り手にきちんと伝わる紹介状の書き方を紹介します。
特別の料金とは、一部負担金(3割負担など)とは別に患者から徴収する料金のことです。
そのため、基幹病院などの受診にあたって、かかりつけ医に紹介状の作成を依頼する患者が増えてきたほか、診療情報提供料等の算定のために、紹介状を書く機会は以前より増えてきたといえるでしょう。
紹介状は、正しい字で書かれ、必要な情報が整理された内容のものである必要があります。
今回は、受け取り手にきちんと伝わる紹介状の書き方を紹介します。
診療報酬改定により『特別の料金』アップ
紹介状とは正式名称を『診療情報提供書』といい、かかりつけ医が自院では対応できない患者を基幹病院に紹介する際などに用いられる医療文書のことです。
紹介状に記入する内容は、患者の氏名や年齢、生年月日や性別、住所、電話番号などの基本情報から、傷病名に紹介目的、既往歴および家族歴、症状経過および検査結果、治療経過、現在の処方など多岐にわたります。
この紹介状があることで、患者の病状や治療経過が伝えられるため、紹介先での受診がスムーズに行えます。
逆に紹介状がなければ、大病院は最初から問診や検査をしなければならず、時間も費用も余計にかかってしまいます。
また、地域の病院で治療可能な状態であっても、高度な医療を提供している大病院での診察を希望する患者が多く、一部の大病院での混雑や医師の外来負担増となっていたことから、その緩和のために、紹介状を持たずに、特定機能病院や地域医療支援病院(一般病床200床以上)を外来受診する患者から選定療養費が徴収されることとなっています。
今回の診療報酬改定によってその額が、医科の初診で5,000円以上から7,000円以上に引き上げられました。
紹介状を持たずに大病院を受診する場合は、通常の診察代より7,000円以上も余計に負担することになるわけです。
ただし、救急の患者や国の公費負担医療制度の受給対象者などには、特別の料金を求めてはならないことになっているので注意が必要です。
また、同じ病院内のほかの診療科から紹介されてきた患者には、特別の料金を求めなくてよいとされています。
相手の医師に患者情報を伝えるために
紹介状はカルテなどに比べると書く頻度が少なく、自己流で書いてしまっているという医師もいると聞きます。
病院によっては研修医が紹介状を書いて、指導医が添削するところもあります。
結果、研修医が書いた紹介状のなかには不正確なものがあったという報告もあるようです。
この機会に、正しい紹介状を書けるよう院内で確認しておくとよいかもしれません。
厚生労働省が公開している別紙様式を用いれば、病院や介護老人保健施設など、紹介先ごとに必要な項目がまとまっており、それに沿って記入していけば記載が必要な項目を埋められ、紹介状としての体裁を整えることができます。
また、電子カルテは紹介状を作成する機能を有していることが多く、患者の基本情報から病状まで、紹介状に必要な項目をカルテから自動で転記してくれるものもあります。
記入作業そのものが不要になるため、医師の手間もかからず、患者を待たせることもありません。
紹介状の自動入力機能のついた電子カルテの活用を検討してみるのもよいでしょう。
一方で、電子カルテなどの導入が進んでいない診療所などでは、まだ手書きで紹介状を作成することも多くあります。そのため、「文字が判別できない」「解読できない」などの問題が生じる可能性があります。
記載内容が相手の医師に伝わらないと、結局診察や検査を一からやり直さねばならず、診療情報提供の役目を果たしません。
手書きで紹介状を作成する場合は紹介先の医師が読むということを意識しながら、読みやすい字で、ほかの診療科でも理解できるようになるべく用語を略さずに書きましょう。
また、紹介先における患者の受診をスムーズに行うという目的からすると、文章が冗長になりすぎるのもよくありません。
接続詞が多く要領を得なかったり、何を伝えたいのか分からない文面になるケースもあります。
要点をまとめたうえで、場合によっては検査データや画像データなどを添付して、紹介先の理解を促すことが大切です。
今後、医師から患者に紹介状を書くだけではなく、患者から紹介状を求められることも増えていくと考えられます。
紹介状を書くときは、紹介先の医師と、患者の情報を正しく共有するという意識で作成に臨みましょう。
※本記事の記載内容は、2023年4月現在の法令・情報等に基づいています。
紹介状とは正式名称を『診療情報提供書』といい、かかりつけ医が自院では対応できない患者を基幹病院に紹介する際などに用いられる医療文書のことです。
紹介状に記入する内容は、患者の氏名や年齢、生年月日や性別、住所、電話番号などの基本情報から、傷病名に紹介目的、既往歴および家族歴、症状経過および検査結果、治療経過、現在の処方など多岐にわたります。
この紹介状があることで、患者の病状や治療経過が伝えられるため、紹介先での受診がスムーズに行えます。
逆に紹介状がなければ、大病院は最初から問診や検査をしなければならず、時間も費用も余計にかかってしまいます。
また、地域の病院で治療可能な状態であっても、高度な医療を提供している大病院での診察を希望する患者が多く、一部の大病院での混雑や医師の外来負担増となっていたことから、その緩和のために、紹介状を持たずに、特定機能病院や地域医療支援病院(一般病床200床以上)を外来受診する患者から選定療養費が徴収されることとなっています。
今回の診療報酬改定によってその額が、医科の初診で5,000円以上から7,000円以上に引き上げられました。
紹介状を持たずに大病院を受診する場合は、通常の診察代より7,000円以上も余計に負担することになるわけです。
ただし、救急の患者や国の公費負担医療制度の受給対象者などには、特別の料金を求めてはならないことになっているので注意が必要です。
また、同じ病院内のほかの診療科から紹介されてきた患者には、特別の料金を求めなくてよいとされています。
相手の医師に患者情報を伝えるために
紹介状はカルテなどに比べると書く頻度が少なく、自己流で書いてしまっているという医師もいると聞きます。
病院によっては研修医が紹介状を書いて、指導医が添削するところもあります。
結果、研修医が書いた紹介状のなかには不正確なものがあったという報告もあるようです。
この機会に、正しい紹介状を書けるよう院内で確認しておくとよいかもしれません。
厚生労働省が公開している別紙様式を用いれば、病院や介護老人保健施設など、紹介先ごとに必要な項目がまとまっており、それに沿って記入していけば記載が必要な項目を埋められ、紹介状としての体裁を整えることができます。
また、電子カルテは紹介状を作成する機能を有していることが多く、患者の基本情報から病状まで、紹介状に必要な項目をカルテから自動で転記してくれるものもあります。
記入作業そのものが不要になるため、医師の手間もかからず、患者を待たせることもありません。
紹介状の自動入力機能のついた電子カルテの活用を検討してみるのもよいでしょう。
一方で、電子カルテなどの導入が進んでいない診療所などでは、まだ手書きで紹介状を作成することも多くあります。そのため、「文字が判別できない」「解読できない」などの問題が生じる可能性があります。
記載内容が相手の医師に伝わらないと、結局診察や検査を一からやり直さねばならず、診療情報提供の役目を果たしません。
手書きで紹介状を作成する場合は紹介先の医師が読むということを意識しながら、読みやすい字で、ほかの診療科でも理解できるようになるべく用語を略さずに書きましょう。
また、紹介先における患者の受診をスムーズに行うという目的からすると、文章が冗長になりすぎるのもよくありません。
接続詞が多く要領を得なかったり、何を伝えたいのか分からない文面になるケースもあります。
要点をまとめたうえで、場合によっては検査データや画像データなどを添付して、紹介先の理解を促すことが大切です。
今後、医師から患者に紹介状を書くだけではなく、患者から紹介状を求められることも増えていくと考えられます。
紹介状を書くときは、紹介先の医師と、患者の情報を正しく共有するという意識で作成に臨みましょう。
※本記事の記載内容は、2023年4月現在の法令・情報等に基づいています。