藤垣会計事務所

小さな目標達成の継続で内的モチベーションを高める

15.01.04
ビジネス【人的資源】
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1年の始まりに、目標を立てる人は多いだろう。
会社組織においても、部署やグループごとに目標を設定したりするのではないだろうか。
また、社員が抱負を発表したりする機会もありそうだ。

組織として設定する目標にせよ、部下が掲げる抱負にせよ、上司が必要以上に介入するのは良くない。
押し付けは厳禁だ。
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スポーツの視点からみる人的資源

サッカーの指導者として、10代の代表チームから日本代表まで関わった山本昌邦氏(現NHKサッカー解説者)は言う。
「上司から『これをやれ』と言われた部下は、やれと言われたことばかりに気持ちをとらわれがちになる。何かミスをしてしまった場合も、『言われた通リにやったのに』という思いが胸をよぎり、自分に対する言い訳を用意してしまう。一方、自分で決めた目標は『こうありたい、こうなりたい』という気持ちの表れなので、自分自身でモチベーションをかきたて、頑張ることができます」

目標設定には二種類ある。
達成するのが難しい大きなものと、控え目なものだ。
言動不一致を恥じる傾向のある日本では、目標やノルマを小さく設定しがちである。

そんなときに、上司はどのように対応するべきか?

「お前ならもっとできる」とハッパをかけるのは簡単だ。
しかし、それでは押し付けになってしまう。

上司からすれば小さな目標でも、達成したらきちんと評価する。
評価をした上で、新たな課題を与えるのだ。
小さな目標を絶えず達成するように働きかけ、部下に自分の能力を掘り起こさせていくのである。

そのためには、日々の問いかけが欠かせない。
「上司が自分を見てくれている」とか「気にかけてくれている」という意識があれば、部下は自分自身でモチベーションを高めるものだ。

新年の始まりに部下が掲げた目標を、上司が修正してはいけない。1年というスパンで部下をどれだけ成長させられるのかを、組織を束ねる者は考えたい。


[プロフィール]
戸塚 啓(とつか・けい)
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。
 
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