大口顧客を狙う『アカウント・ベースド・マーケティング』とは?
BtoB企業が、取引先を開拓する手法として、数年前から注目を集めているのが『アカウント・ベースド・マーケティング(Account Based Marketing、以下ABM)』です。
広く見込み客を集めて案件化していく『デマンド・ジェネレーション(Demand Generation)』とは異なり、ある特定の企業(アカウント)にターゲットを絞り、戦略的に営業やマーケティング活動を行っていく手法です。
今回はそのメリットや導入方法などを解説します。
広く見込み客を集めて案件化していく『デマンド・ジェネレーション(Demand Generation)』とは異なり、ある特定の企業(アカウント)にターゲットを絞り、戦略的に営業やマーケティング活動を行っていく手法です。
今回はそのメリットや導入方法などを解説します。
IT技術によるターゲティングの精度向上で再注目
ABMは、2003年頃にアメリカのコンサルティングファームであるITSMAが提唱しました。
アメリカのBtoB企業で取り入れられているマーケティング手法ですが、取引金額が大きい大口の顧客など、特定の企業にターゲットを絞り、個別に最適なアプローチを行う方法は、世に出た当初は特別目新しいものではありませんでした。
近年、この手法に改めて注目が高まったのは、施策に必要となる企業の『インテント(intent)データ』が集めやすくなったからだといわれています。
インテントデータとは、顧客が自社にどれだけの興味と関心を持ち、反応を示したかを表す行動データのことで、IT技術の進展によって、これらのデータを提供するベンダー(提供元の企業)も増えてきました。
ベンダーや自社のサイトなどで収集したインテントデータを基に、SFA(営業支援ツール)やCRM(顧客関係管理ツール)などのシステムを活用することで、BtoB企業は効率的な施策の立案などが可能になりました。
つまり、IT技術が進み、より正確な顧客の状況把握と対応ができるようになったからこそ、より精度の高いABMが可能になり、ふたたび注目を集めることになったのです。
中小企業にとって大口顧客は自社の生命線でもあることから、より効果的なアプローチを行い、ニーズに的確に応えていく必要があります。
ABMによって、最適化されたマーケティング活動を行っていけば、大口顧客との信頼関係も強化でき、余計なコストもかかりません。
人材や資金といったリソースの無駄を省き、ROI(投資利益率)の向上も期待できるABMは、今の時代に合ったマーケティング手法といえます。
ABMに向いている企業の特性とは
ABMは、向いている企業と向いていない企業があります。
たとえば、商品に長期保証をつけるなど、高付加価値サービスを提供する企業であれば、ABMの導入を検討してもよいかもしれません。
顧客の要望に合わせて、その都度カスタマイズしていくような、個別性も単価も高いサービスを提供している企業にもABMは有効です。一方、新規の突発的な案件で、継続性が見込めない顧客は、ABMのターゲットには向いていません。
では、ITSMAが提唱しているABMは、実際どのように行っていくのでしょうか。
まず、はじめに対象の企業(アカウント)の選定を行う必要があります。
顧客の候補先としては、取引金額が大きい大口の顧客が中心になりますが、長期的な付き合いができる顧客、シナジーの高い顧客など、中長期的に見て重要な顧客を探すという視点も重要になります。
自社でABMに取り組むにあたっては、市場での影響力やリピーターになる可能性など検討を重ね、インテントデータを基に価値の高い企業をターゲットに据えたら、キーパーソン調査やアカウントプランと呼ばれる営業方針の策定などを行い、具体的なアプローチをしていきます。
どのような切り口が効果的なのか、どのような課題解決を望んでいるのかは、企業ごとに方法が異なりますので、営業部門の担当者と共によく話し合いを行いましょう。
日本では、市場が限られていることもあり、ABMの考え方による顧客選定はある程度、行われてきていました。
しかし、IT技術が急速に発達する現代においては、データを利用し取引相手に合わせて行う新しいマーケーティングの手法を取り入れることで、顧客のことを今まで以上に理解して営業活動することができます。
自社の営業方法をブラッシュアップさせる方法として、ABMについて学んでみてもよいのではないでしょうか。
※本記事の記載内容は、2022年9月現在の法令・情報等に基づいています。
ABMは、2003年頃にアメリカのコンサルティングファームであるITSMAが提唱しました。
アメリカのBtoB企業で取り入れられているマーケティング手法ですが、取引金額が大きい大口の顧客など、特定の企業にターゲットを絞り、個別に最適なアプローチを行う方法は、世に出た当初は特別目新しいものではありませんでした。
近年、この手法に改めて注目が高まったのは、施策に必要となる企業の『インテント(intent)データ』が集めやすくなったからだといわれています。
インテントデータとは、顧客が自社にどれだけの興味と関心を持ち、反応を示したかを表す行動データのことで、IT技術の進展によって、これらのデータを提供するベンダー(提供元の企業)も増えてきました。
ベンダーや自社のサイトなどで収集したインテントデータを基に、SFA(営業支援ツール)やCRM(顧客関係管理ツール)などのシステムを活用することで、BtoB企業は効率的な施策の立案などが可能になりました。
つまり、IT技術が進み、より正確な顧客の状況把握と対応ができるようになったからこそ、より精度の高いABMが可能になり、ふたたび注目を集めることになったのです。
中小企業にとって大口顧客は自社の生命線でもあることから、より効果的なアプローチを行い、ニーズに的確に応えていく必要があります。
ABMによって、最適化されたマーケティング活動を行っていけば、大口顧客との信頼関係も強化でき、余計なコストもかかりません。
人材や資金といったリソースの無駄を省き、ROI(投資利益率)の向上も期待できるABMは、今の時代に合ったマーケティング手法といえます。
ABMに向いている企業の特性とは
ABMは、向いている企業と向いていない企業があります。
たとえば、商品に長期保証をつけるなど、高付加価値サービスを提供する企業であれば、ABMの導入を検討してもよいかもしれません。
顧客の要望に合わせて、その都度カスタマイズしていくような、個別性も単価も高いサービスを提供している企業にもABMは有効です。一方、新規の突発的な案件で、継続性が見込めない顧客は、ABMのターゲットには向いていません。
では、ITSMAが提唱しているABMは、実際どのように行っていくのでしょうか。
まず、はじめに対象の企業(アカウント)の選定を行う必要があります。
顧客の候補先としては、取引金額が大きい大口の顧客が中心になりますが、長期的な付き合いができる顧客、シナジーの高い顧客など、中長期的に見て重要な顧客を探すという視点も重要になります。
自社でABMに取り組むにあたっては、市場での影響力やリピーターになる可能性など検討を重ね、インテントデータを基に価値の高い企業をターゲットに据えたら、キーパーソン調査やアカウントプランと呼ばれる営業方針の策定などを行い、具体的なアプローチをしていきます。
どのような切り口が効果的なのか、どのような課題解決を望んでいるのかは、企業ごとに方法が異なりますので、営業部門の担当者と共によく話し合いを行いましょう。
日本では、市場が限られていることもあり、ABMの考え方による顧客選定はある程度、行われてきていました。
しかし、IT技術が急速に発達する現代においては、データを利用し取引相手に合わせて行う新しいマーケーティングの手法を取り入れることで、顧客のことを今まで以上に理解して営業活動することができます。
自社の営業方法をブラッシュアップさせる方法として、ABMについて学んでみてもよいのではないでしょうか。
※本記事の記載内容は、2022年9月現在の法令・情報等に基づいています。