各Web広告の貢献度がわかる『アトリビューション分析』とは
Webマーケティングの世界では、どの広告がどれだけユーザーの商品購入に貢献したかを評価する『アトリビューション分析』という分析方法があります。
それぞれの広告の貢献度が不明だと、より多くの予算を投入するべき広告もわかりませんし、人員を割くべきポイントも見えません。
そこで、アトリビューション分析を行えば、ユーザーの商品購入につながった広告がわかり、そこに力を注ぐことができるのです。
今回は、適切なWebマーケティングを行うための『アトリビューション分析』について、解説していきます。
それぞれの広告の貢献度が不明だと、より多くの予算を投入するべき広告もわかりませんし、人員を割くべきポイントも見えません。
そこで、アトリビューション分析を行えば、ユーザーの商品購入につながった広告がわかり、そこに力を注ぐことができるのです。
今回は、適切なWebマーケティングを行うための『アトリビューション分析』について、解説していきます。
重要なのは最後に見た広告だけ?
消費者が商品を購入するとき、きっかけとなるのは、その商品のパッケージや広告であることが多いでしょう。
また、資料請求や会員登録といった行動を起こすときにも、さまざまなタイプの広告が決め手になっている場合がほとんどです。
マーケティング分野において、購入や登録といった最終的な成果のことを、『コンバージョン』といいます。
宣伝・広告は、このコンバージョンに至るための手段として考えられています。
さて、アトリビューション分析が浸透する前には、マーケティング戦略の効果を測定するときに、このコンバージョンをもたらした直前の広告しか評価しない傾向がありました。
たとえば、ユーザーがECサイトで商品を購入したとき、そのユーザーが商品を購入する直前に見ていたWeb広告しか評価されなかったのです。
しかし、最後に見たECサイトのポップアップ広告は、購入クリックのきっかけにすぎず、本当の購入動機になったのは、たまたま情報サイトで目にした口コミだった、ということもありえます。
以前は、そうした広告同士の効果の関連性を知ることは不可能でした。
ところが最近になり、『ビュースルー・コンバージョン』といって、ある広告を見たユーザーが、そのあとで別のルートから商品を買ったのか、買わなかったのかということまで追跡して知る技術が登場したのです。
そこで生まれたのが、アトリビューション分析です。
アトリビューション分析では、コンバージョンにつながった直接の広告だけではなく、成果に至るまでの複数の接点も考慮します。
たとえば消費者が、ECサイトで家電製品を購入するときには、メーカー公式サイトはもちろん、価格の比較サイトや複数のECサイト、また、個人のブログレビューやSNSの口コミ、YouTubeの『使ってみた動画』などもチェックして、最終的に納得してから、製品を決めたりもします。
その途中で、どれを見た消費者が商品を買い、どれでは買わなかったのか、といったデータを分析することで、よりよい広告戦略が立てられるのです。
5つのモデルで消費者行動を知る
アトリビューション分析には、買うかどうか検討し始めてから実際に買うまでの期間が長い商品が向いているといわれています。
特に、さまざまな場所で広告を見るうちに購買行動に結び付くような、コンバージョン経路が複雑な商品に適しています。
逆に、どこでも買えて価格が同じくらいのものは、あまり結果が期待できません。
それでは、アトリビューション分析の5つのモデルを紹介し、取り組み方について解説していきます。
(1)均等配分モデル
アトリビューション分析の中でも一番基本となるモデルで、コンバージョンに結び付いたユーザーと接点のあった広告を、すべて拾い上げて評価します。
どの接点がどれくらい効果的だったかを網羅的に把握できるモデルで、重点的に力を入れる広告媒体を決める際に有効です。
(2)ラストクリックモデル
従来の広告分析と同じように、最終的にユーザーが接触し、購入に結びついた広告の貢献度を100%として効果を測定します。
短期間に一気に拡散するキャンペーンや、ユーザーがあまり検討する必要のない、比較的安価な商品の広告に向いており、比較的費用対効果の高い広告を打つことができます。
(3)ファーストクリックモデル
前者とは逆に、ユーザーが最初に接点を持った広告だけを評価するモデルです。
積極的に新規の顧客を獲得する必要があるキャンペーンや、ブランドや企業の認知・イメージの浸透などを目的とした、より積極的な施策に向いています。
(4)減衰モデル
コンバージョンの発生した日と、接点のあった日が遠ければ遠いほど、貢献度が低かったとするモデルです。
ラストクリックモデルに近い考え方で、全体の効果に目配りしながらも、なるべく費用対効果を重視して広告に投資したい場合に向いています。
(5)接点ベースモデル
最初の接点となった広告と、最終的に購入に結びついた広告の貢献度を高めに評価します。
これにより、消費者へのブランド認知につながった接点と、販売につながった広告を重視する販売戦略を立てることができます。
現代の消費者は、たくさんのメディアを経由して、商品にたどり着いています。
多様化している広告媒体を正しく評価し、より効果的に利用するためにも、アトリビューション分析は、多くの企業が取り組むにふさわしい手法といえるでしょう。
※本記事の記載内容は、2020年8月現在の法令・情報等に基づいています。
消費者が商品を購入するとき、きっかけとなるのは、その商品のパッケージや広告であることが多いでしょう。
また、資料請求や会員登録といった行動を起こすときにも、さまざまなタイプの広告が決め手になっている場合がほとんどです。
マーケティング分野において、購入や登録といった最終的な成果のことを、『コンバージョン』といいます。
宣伝・広告は、このコンバージョンに至るための手段として考えられています。
さて、アトリビューション分析が浸透する前には、マーケティング戦略の効果を測定するときに、このコンバージョンをもたらした直前の広告しか評価しない傾向がありました。
たとえば、ユーザーがECサイトで商品を購入したとき、そのユーザーが商品を購入する直前に見ていたWeb広告しか評価されなかったのです。
しかし、最後に見たECサイトのポップアップ広告は、購入クリックのきっかけにすぎず、本当の購入動機になったのは、たまたま情報サイトで目にした口コミだった、ということもありえます。
以前は、そうした広告同士の効果の関連性を知ることは不可能でした。
ところが最近になり、『ビュースルー・コンバージョン』といって、ある広告を見たユーザーが、そのあとで別のルートから商品を買ったのか、買わなかったのかということまで追跡して知る技術が登場したのです。
そこで生まれたのが、アトリビューション分析です。
アトリビューション分析では、コンバージョンにつながった直接の広告だけではなく、成果に至るまでの複数の接点も考慮します。
たとえば消費者が、ECサイトで家電製品を購入するときには、メーカー公式サイトはもちろん、価格の比較サイトや複数のECサイト、また、個人のブログレビューやSNSの口コミ、YouTubeの『使ってみた動画』などもチェックして、最終的に納得してから、製品を決めたりもします。
その途中で、どれを見た消費者が商品を買い、どれでは買わなかったのか、といったデータを分析することで、よりよい広告戦略が立てられるのです。
5つのモデルで消費者行動を知る
アトリビューション分析には、買うかどうか検討し始めてから実際に買うまでの期間が長い商品が向いているといわれています。
特に、さまざまな場所で広告を見るうちに購買行動に結び付くような、コンバージョン経路が複雑な商品に適しています。
逆に、どこでも買えて価格が同じくらいのものは、あまり結果が期待できません。
それでは、アトリビューション分析の5つのモデルを紹介し、取り組み方について解説していきます。
(1)均等配分モデル
アトリビューション分析の中でも一番基本となるモデルで、コンバージョンに結び付いたユーザーと接点のあった広告を、すべて拾い上げて評価します。
どの接点がどれくらい効果的だったかを網羅的に把握できるモデルで、重点的に力を入れる広告媒体を決める際に有効です。
(2)ラストクリックモデル
従来の広告分析と同じように、最終的にユーザーが接触し、購入に結びついた広告の貢献度を100%として効果を測定します。
短期間に一気に拡散するキャンペーンや、ユーザーがあまり検討する必要のない、比較的安価な商品の広告に向いており、比較的費用対効果の高い広告を打つことができます。
(3)ファーストクリックモデル
前者とは逆に、ユーザーが最初に接点を持った広告だけを評価するモデルです。
積極的に新規の顧客を獲得する必要があるキャンペーンや、ブランドや企業の認知・イメージの浸透などを目的とした、より積極的な施策に向いています。
(4)減衰モデル
コンバージョンの発生した日と、接点のあった日が遠ければ遠いほど、貢献度が低かったとするモデルです。
ラストクリックモデルに近い考え方で、全体の効果に目配りしながらも、なるべく費用対効果を重視して広告に投資したい場合に向いています。
(5)接点ベースモデル
最初の接点となった広告と、最終的に購入に結びついた広告の貢献度を高めに評価します。
これにより、消費者へのブランド認知につながった接点と、販売につながった広告を重視する販売戦略を立てることができます。
現代の消費者は、たくさんのメディアを経由して、商品にたどり着いています。
多様化している広告媒体を正しく評価し、より効果的に利用するためにも、アトリビューション分析は、多くの企業が取り組むにふさわしい手法といえるでしょう。
※本記事の記載内容は、2020年8月現在の法令・情報等に基づいています。