藤垣会計事務所

チームの生産性を向上! 業務改善フレームワーク『ECRS』とは

26.09.08
ビジネス【人的資源】
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昨今、多くの企業が人手不足や働き方の多様化といった課題に直面しています。
限られた人員や時間のなかで成果を出すには、業務の効率化によって生産性の向上を図る必要があります。
しかし、むやみに手順を変えたり、新しいツールを導入したりするだけでは、根本的な解決にはつながりません。
正しく業務を効率化するには、既存の作業を見つめ直し、合理的な手順で改善を進めていくことが大切です。
その際に活用できるのが、『ECRS(イクルス)』というフレームワークです。
今回は、業務改善や生産性向上に役立つECRSについて解説します。

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『ECRS』を構成する4つの原則

多くの企業では、慢性的な人手不足を背景に、コストの削減や作業の効率化を通じた業務改善が急務となっています。
しかし、いざ改善に着手しようとしても、具体的な方法がわからないというケースが少なくありません。
そのようなときに役立つのが、業務プロセスを見直すためのフレームワークである『ECRS(イクルス)』です。

ECRSは、Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(再配置・交換)、Simplify(簡素化)という4つの英単語の頭文字をとった言葉で、製造業の生産現場を中心に、効率化を図る手法として用いられてきたフレームワークです。
しかし、その合理性と汎用性の高さから、現在では事務作業や営業活動、サービス業など、業種や部門を問わず、幅広い領域で活用されています。

このECRSを構成する4つの原則について、まずは順番に見ていきましょう。

・Eliminate(排除)
「排除」は、その業務自体をなくすことができないかと考える視点です。
たとえば、誰も目を通していない定例会議の報告書作成や、慣習として続けているだけの朝礼などを取りやめることで、従業員の負担を軽減できます。
業務そのものを手放すため、最も大きな改善効果が期待できます。

・Combine(結合)
「結合」は、複数の業務を一つにまとめる、あるいは別々の人が行なっていた作業を同時に処理できないかを検討する視点です。
小売業であれば、商品の検品と棚出しを別々の担当者が行うのではなく、一人の担当者が一連の流れとして処理することで、移動の手間や待ち時間を減らすことができます。

・Rearrange(再配置・交換)
「再配置・交換」は、作業の順序や担当者、あるいは場所を入れ替えることで効率を上げる視点です。
たとえば、製造業の組み立てラインにおいて、部品を取りに行く順番を変えることで移動距離を縮めたり、事務作業において、上司による確認のタイミングを早めることで手戻りを防いだりする工夫などです。

・Simplify(簡素化)
「簡素化」は、作業そのものを単純にして、誰でも迷わずできるようにする視点です。
具体的には、入力項目を整理した定型フォームを導入する、顧客対応のマニュアルを整備して判断に迷う時間を減らすなど、作業を単純化するアプローチが該当します。

ECRSを導入するステップと成功させるポイント

実際に自社でECRSを導入する際は、まずは業務改善によって何を実現したいのかを明確にします。
残業時間を減らしたいのか、品質を上げたいのかによって着眼点は変わります。
次に、現在の業務フローを洗い出し、誰が、いつ、何をしているのかを可視化します。

現状が把握できたら、ECRSの視点を当てはめていきます。
ここで重要なのは、原則として、排除、結合、再配置・交換、簡素化の順番で検討することです。
不要な業務をなくすことが最優先であり、本来なくせるはずの業務に対して、結合や簡素化による改善を試みるのは本末転倒です。
改善策を実行した後は、必ず効果を測定し、想定した成果が出ているかを確認して次の行動につなげましょう。

また、ECRSによる業務改善を成功に導くためには、実際に業務を行う従業員の理解を得て、協力体制を築くことが大切です。
現場の事情を無視して上層部だけで改善策を決めて現場に押し付けても、定着しにくいでしょう。
まずは現場の声に耳を傾け、改善が従業員自身の働きやすさにつながることを丁寧に説明することが求められます。

人事や管理部門の視点からいえば、業務改善への取り組みや提案を適切に評価する仕組みを整えることも大切です。
失敗を恐れずに意見を言い合える職場環境があってこそ、現場から実情に即した改善案が出やすくなります。

さらに、最初から全社的なプロジェクトとして進めるのではなく、一つの部署や特定の業務など、小さな改善から着手することが大切です。
そこで得られた成功事例を全社で共有することで、ほかの部署の意欲を高め、改善活動を組織全体へ広げていくことができます。

ECRSの4つの原則は、複雑に見える業務プロセスを整理し、どこに手をつけるべきかを考える実用的なフレームワークです。
まずは身近な業務のなかで、「この業務は本当に必要なのか」と問いかけるところから始めてみましょう。


※本記事の記載内容は、2026年9月現在の法令・情報等に基づいています。