藤垣会計事務所

有期雇用労働者の処遇改善で人材確保と定着を狙う事業主を支援

26.02.10
ビジネス【助成金】
dummy

非正規雇用労働者(有期・短時間・派遣)の処遇改善と定着は、採用難が続く中小企業にとって最重要課題です。
厚生労働省のキャリアアップ助成金「賞与・退職金制度導入コース」は、すべての有期雇用労働者に対しても賞与・退職金制度を新設し、実際に支給(積み立て)した事業主を支援する制度みです。
新設した制度を就業規則などへ明記し、対象となる労働者全員に適用・運用した実績が要件となります。
制度設計コストの一部を助成で賄いつつ、福利厚生の底上げで採用・定着・モチベーション向上を狙えます。

dummy

賞与・退職金制度導入コース

キャリアアップ助成金「賞与・退職金制度導入コース」は、就業規則または労働協約で、すべての有期雇用労働者等(有期雇用労働者および無期雇用労働者)に対し、賞与制度または退職金制度(あるいは両方)を新設し、実際に賞与の支給または退職金の積立を行なった事業主に助成するものです。
目的は、有期雇用労働者等の処遇改善と企業内キャリアアップ促進、職場定着の強化にあります。

【支給対象事業主】
(1)就業規則または労働協約の定めるところにより、その雇用するすべての有期雇用労働者等に関して、賞与もしくは退職金制度またはその両方を新たに設けた事業主
(2)(1)の制度に基づき、対象労働者1人につき次に掲げる(a)もしくは(b)またはその両方に該当する事業主
(a)賞与については、6カ月分相当として50,000円以上支給した事業主
(b)退職金については、1カ月分相当として3,000円以上を6カ月分または6カ月分相当として18,000円以上積み立てした事業主
(3)(1)の制度をすべての有期雇用労働者等に適用させた事業主
(4)(1)の制度を初回の賞与の支給または退職金の積み立て後6カ月以上運用している事業主
(5)(1)の制度の適用を受けるすべての有期雇用労働者等について、適用前と比べて基本給および定額で支給されている諸手当を減額していない事業主
(6)(2)(b)の適用を受ける場合にあっては、支給決定後に積立金などが確認できる書類を提出することに同意している事業主

【支給対象労働者】
助成の根拠となる「対象労働者」は、就業規則で新設した制度の適用対象となるすべての有期雇用労働者等です。
(1)賞与もしくは退職金制度またはその両方の新設日の前日から3カ月以上前の日から雇用があり、新設日以降6カ月以上継続雇用されていること
(2)賞与もしくは退職金制度またはその両方を新たに設け、初回の賞与支給または退職金の積み立てをした日以降の6カ月間、当該対象適用事業所において、雇用保険被保険者であること
(3)賞与もしくは退職金制度またはその両方を新たに設け適用した事業所の事業主または取締役の3親等以内の親族以外の者
(4)支給申請日において離職していない者

【支給額】
賞与または退職金制度いずれかを導入:40万円(30万円)
賞与および退職金制度を同時に導入:56万8,000円(42万6,000円)

※括弧内の金額は大企業の場合の支給額です。
※1事業所当たり1回のみです。
※退職金については制度導入に際して、積立・拠出費用を事業主が負担する制度であることを明記する必要があります。
※過去に「旧諸手当制度共通化コース」および「旧諸手当制度等共通化コース」の助成金を受けている場合は、本コースの支給対象外となります(健康診断制度を新たに設け、実施した場合の助成のみを受けている場合を除く)。

【申請手続き】
・事前準備
キャリアアップ計画書を取り組み実施日前日までに労働局へ提出してください。

・申請期間
対象労働者に、初回の賞与の支給または退職金の積み立て後6カ月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2カ月以内に申請してください。

※就業規則等の規程により、時間外手当を実績に応じ基本給等とは別に翌月等に支給している場合、6カ月分の時間外手当が支給される日とします(時間外勤務の実績がなく、結果として支給がない場合も含む)。
※勤務した日数が11日未満の月は除きます。ただし、有給休暇等の労働対価が全額支給された日は出勤日とみなします。
※初回の賞与の支給または退職金の積み立てをした日が賃金支払日と同日の場合は、その翌月の賃金支払日から起算して6カ月分の賃金を支給した日となります。

【加算に係る留意点】
加算を受ける場合、賞与制度と退職金制度を同時に導入(新たに就業規則などに規定)している必要がありますが、初回の賞与の支給日と初回の退職金の積み立て日が同日である必要はありません。
なお、支給申請期間は初回の賞与または退職金の積み立て日のいずれか遅い日から6カ月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2カ月以内となります。

【おわりに】
キャリアアップ助成金「賞与・退職金制度導入コース」は、企業の負担を軽減しながら従業員の処遇を確実に高めることができる、有効な制度です。
人材確保がむずかしい時代だからこそ、働きやすく安心して長く働ける環境づくりが企業の成長につながります。
ぜひ、制度の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html


※本記事の記載内容は、2026年1月31日現在の法令・情報等に基づいています。