藤垣会計事務所

地域経済に貢献!『地域未来投資促進税制』で受けられる減税措置

26.02.10
ビジネス【税務・会計】
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現在、国は地方の活性化を目的として、企業の地方進出や設備投資を強力に後押ししています。
その要となる制度の一つが、「地域未来投資促進税制」です。
この制度は、地域の特性を活かした成長性の高い事業を行う企業に対し、法人税などの負担を軽減させる制度です。
適用期間は2028年3月31日までとなっており、中長期的な経営戦略を立てるうえでも非常に重要な選択肢となり得ます。
自社の成長と地域経済への貢献を両立させる「地域未来投資促進税制」について、その概要を説明します。

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地域に新たな投資を行う企業に向けた税制

地域未来投資促進税制は、「地域経済を牽引する事業」に対して与えられる税制上の優遇措置です。
企業が都道府県から承認された「地域経済牽引事業計画」に基づいて設備投資を行なった場合、その投資額に対して節税効果を得ることができます。
具体的には、取得した設備などの価額に対し、最大で50%の特別償却(利益から経費として一括計上すること)、あるいは最大で6%の税額控除(支払う税金から直接差し引くこと)のいずれかを選択して、適用することが可能です。

通常の設備投資減税と比較しても、建物や構築物が対象に含まれる点や控除率の高さにおいて非常に手厚い内容となっており、特に本社機能の地方移転や、地方工場の大規模な増設などを検討している企業にとっては、キャッシュフローを改善するチャンスとなります。

地域未来投資促進税制で対象となるのは、地域経済牽引事業を実施するために必要とされる資産です。
機械装置や器具備品はもちろん、オフィスや工場などの建物、さらには建物附属設備や構築物なども含まれます。
ただし、どのような投資でも認められるわけではなく、対象となるのは、設備の取得価額の合計額が2,000万円以上となるものなど一定の要件を満たすものに限られます。
また、減税の対象となる取得価額には上限があり、80億円が限度額として設定されています。
つまり、ある程度まとまった規模の先行投資を行う企業をターゲットとした制度設計になっているということです。

税制措置を受けるための重要なステップ

まず企業は、進出または事業を行う予定の都道府県知事に対し、「地域経済牽引事業計画」を提出し、その承認を受ける必要があります。
計画には、その事業が地域の特性(たとえば、その土地特有の観光資源、技術力、農産物など)を活かしたものであり、高い付加価値を創出するものであること、そして地域の取引先への経済波及効果が見込めることなどを盛り込みます。

次の段階として、国(主務大臣)に対して課税特例の要件を満たしているかどうかの確認を求めます。
実際の申請先は、事業所を管轄する地方経済産業局などが窓口となります。
この「都道府県の承認」と「国の確認」を済ませ、実際に計画に基づいた設備投資を行うことで、確定申告時に減税措置を適用することができるようになります。

制度を利用する際に把握しておきたい注意点

地方での成長を目指す企業にとっては、非常にメリットのある制度ですが、いくつか注意点もあります。
税制措置を受けるためには、必ず「国の確認書」の交付を受けた後に、設備の取得(引き渡し)を行わなければなりません。
計画の承認申請中であったとしても、確認書が手元に届く前に設備を取得してしまうと、その設備は減税の対象外となってしまいます。
工事の着工や発注のタイミングについては、余裕を持ったスケジュール管理と、税理士や関係省庁との密な連携が求められます。

また、対象となる資産は、新品の設備や建物に限られます。
中古の機械装置や、居抜き物件などの既存建物(中古建物)を取得して事業を行う場合は、この税制の対象にはなりません。
あくまで新たな投資によって地域に新しい価値を生み出すことが、制度の目的とされているためです。

地域未来投資促進税制は、地方での事業拡大を狙う企業にとって、設備投資の負担を下げる制度といえるでしょう。
最大50%の特別償却や税額控除といったメリットは、初期投資の回収期間を早め、次の成長への原資を確保することに直結します。
また、単なる節税対策としてだけでなく、地域社会と共に発展を目指す企業の姿勢を示すことにもつながり、ESG経営の観点からも注目すべき制度といえます。

適用期間は2028年3月31日までとなっており、要件をクリアするためには、緻密な計画の作成が大きなポイントになります。
もし、この期間中に制度の適用を受けるのであれば、まずは制度に詳しい税理士などの専門家に相談してみることをおすすめします。


※本記事の記載内容は、2026年2月現在の法令・情報等に基づいています。