Management LABO 経営会計事務所

日本のものづくりがクリニックを変える

15.08.07
業種別【医業】
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クリニックに設置できる小型の次世代型放射線治療装置の開発が進んでいるそうです。

メーカーは放射線治療の加速器などを手掛けてきた日本のベンチャー企業。現段階では米国でのみ薬事承認を申請中で、日本国内での展開はその次になるとか。
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その放射線装置は「独自技術でがんにピンポイント照射」でき、コストも既存製品が通常1台あたり5億~6億円のところ「半額以下の2億5000万円程度」になるとのこと(「週刊ダイヤモンド」2015年4月18日号)。

ピンポイントの照射が可能となれば、従来の放射線治療よりも正常細胞へのダメージが少ないことが期待され、大掛かりな施設を必要とする粒子線治療の長所のひとつが、X線治療に加わることになります。 


また、ターゲットはそもそも「大病院ではなく、クリニック」を想定されているとのこと。がん手術後の放射線治療は原則毎日通院しなければなりませんが、治療は手術を行った病院に限らず、患者の通いやすい病院で受けられます。

乳がん患者さんの場合、院内の滞在時間は着替えを含めても20分程度。ですから、地域のクリニックで受けられれば患者にとっては好都合ですし、クリニックの運営も効率よくできそうです。がん患者が大病院に殺到する現状の緩和にも役立つかもしれません。 

同メーカーの社長は「がんを早期発見した段階で、その場で治療する」と将来展望を述べています。もちろん、がん治療のアルゴリズムに登場するまでには、まださまざまな検討が必要でしょう。しかし、日本人のものづくりの力によって、次世代クリニックの姿が見えてくる。なんとも頼もしく、楽しい話ではありませんか。 


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[プロフィール] 
中保 裕子(なかほ・ゆうこ) 
医療ライターとして全国のがん医療、地域医療の現場を中心に医療者、患者、家族へのインタビューを行うほか、新聞広告等での疾患啓発広告制作、製薬企業等のマーケティング調査の実績も多い。有限会社ウエル・ビー 代表取締役。  
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