税理士法人芦田合同会計事務所

助成対象を拡大し、人材開発に取り組む事業主を助成!

22.06.07
ビジネス【助成金】
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世の中の変化が激しくなるにつれ、新たな分野における学び直しや人材開発が、ますます重要になりました。
2022年4月、政府は、新分野の人材育成や労働移動を後押しするため、『人材開発支援助成金』に『人への投資促進コース』を創設。人材開発を行った事業主が、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等で助成を受けられる制度となりました。
新コースでは、賃金助成の人数制限もなく、サブスクリプション型の研修サービスが認められるなど、より助成の対象が広がりました。
同助成金の人への投資促進コースについて、紹介します。
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人材開発支援助成金(人への投資促進コース)

2021年11月、政府は、アフターコロナを見据えたデジタル人材育成の強化等を行うことを閣議決定しました。
その後、国民からのニーズが強かった
●企業の従業員教育、学び直しへの支援
●デジタル分野など円滑な労働移動を促すための支援
について助成金を新設。
2022~24年度までの間、設置されます。

【主な助成対象訓練】
(1)デジタル人材・高度人材の育成
a. 高度デジタル人材訓練/成長分野等人材訓練
高度デジタル人材の育成のための訓練(※)や、海外を含む大学院での訓練を行う事業主に対し、高率助成を行う
※ ITSS(ITスキル標準)レベル4もしくは3となる訓練または大学への入学(情報工学・情報科学)
b. 情報技術分野認定実習併用職業訓練
IT分野未経験者の即戦力化のための訓練(※)を実施する事業主を助成する
※ OFF-JTとOJTを組み合わせた訓練

(2)労働者の自発的な能力開発の促進
c. 長期教育訓練休暇等制度
働きながら訓練を受講するための長期休暇制度や短時間勤務等制度(所定労働時間の短縮および所定外労働時間の免除)を導入する事業主への助成を拡充する(長期休暇制度の賃金助成の人数制限の撤廃等)
d. 自発的職業能力開発訓練
労働者が自発的に受講した職業訓練費用を負担する事業主を助成する

(3)柔軟な訓練形態の助成対象化
e. 定額制訓練
労働者の多様な訓練の選択・実施を可能とする『定額制訓練』(サブスクリプション型の研修サービス)を利用する事業主を助成する

【支給対象事業主】
(1)事業内職業能力開発計画およびこれに基づく年間職業能力開発計画を作成し、その計画の内容を労働者に周知していること
(2)職業能力開発推進者を選任していること
(3)年間職業能力開発計画の提出日の前日から起算して6カ月前の日から支給申請書の提出日までの間に、当該計画を実施した事業所において、雇用する被保険者を解雇等事業主都合により離職させていないこと
など

【対象者・助成率(額)】
各訓練における対象者や助成率(額)は次の通りです。
※( )内の助成率(額)は、生産性要件を満たした場合の率(額)です。

(1)高度デジタル人材訓練/成長分野等人材訓練
a. 高度デジタル人材訓練
対象者……正規・非正規労働者
対象訓練……高度デジタル訓練(ITスキル標準(ITSS)レベル3、4以上)
経費助成率……中小企業75%/大企業60%
賃金助成額……中小企業960円/大企業480円

b. 成長分野等人材訓練
対象者……正規・非正規労働者
対象訓練……海外も含む大学院での訓練
経費助成率……中小企業、大企業ともに75%
賃金助成額……国内大学院960円
※a、bとも資格試験(受験料)も助成対象

c. 情報技術分野認定実習併用職業訓練
対象者……正規労働者
対象訓練……OFF-JT+OJTの組み合わせの訓練(IT分野関連の訓練)
経費助成率……中小企業60%(+15%)/大企業45%(+15%)
賃金助成額……中小企業760円(+200円)/大企業380円(+100円)
OJT実施助成額……中小企業20万円(+5万円)/大企業11万円(+3万円)
※訓練期間6カ月~2年(大臣認定必要)資格試験(受験料)も助成対象

d. 長期教育訓練休暇等制度
●長期教育訓練休暇制度(30日以上の連続休暇取得)
対象者……正規・非正規労働者
対象制度……長期教育訓練休暇制度(30日以上の連続休暇取得)
経費助成率……中小企業、大企業ともに制度導入経費20万円(+4万円)
賃金助成額……1日当たり6,000円(+1,200円)

●所定労働時間の短縮/賃金助成の人数制限を撤廃および所定外労働免除制度
対象者……正規・非正規労働者
対象制度……所定労働時間の短縮 および所定外労働免除制度
経費助成率……中小企業、大企業ともに制度導入経費20万円(+4万円)
賃金助成額……なし
※長期教育訓練休暇制度を導入済みの企業も賃金助成の対象
※賃金助成の人数制限なし

e. 自発的職業能力開発訓練
対象者……正規・非正規労働者
対象訓練……労働者の自発的な訓練費用を事業主が負担した訓練
経費助成率……中小企業、大企業ともに30%(+15%)

f. 定額制訓練
対象者……正規・非正規労働者
対象訓練……定額制訓練(サブスクリプション型の研修サービス)
経費助成率……中小企業45%(+15%)/大企業30%(+15%)

以上となります。

賃金助成額(訓練期間中に支払われた賃金に対する助成)は、1人1時間当たりの額(長期教育訓練休暇制度は1人1日当たりの額)であり、OJT実施助成額は、1人1訓練当たりの額(定額)となります。

【支給申請の流れ】
支給申請の手続きは、助成を受ける制度の内容によって異なります。
それぞれの訓練や制度ごとに、どのような手続きが必要か確認しましょう。

a. 高度デジタル人材訓練、b. 成長分野等人材訓練、c. 情報技術分野認定実習併用職業訓練e. 定額制訓練の4訓練内容においては
1. 事業内計画の作成等
2. 計画提出
3. 訓練実施
4. 支給申請

d. 自発的職業能力開発訓練においては
1. 事業内計画の作成等
2. 制度導入
3. 計画提出
4. 訓練実施
5. 支給申請

c. 長期教育訓練休暇等制度においては
1. 事業内計画の作成等
2. 計画提出
3. 制度導入
4. 制度適用
5. 支給申請

このほか、各コースごとに申請書類や細かい要件等があります。詳しくは、厚生労働省HPおよびリーフレット等から確認してください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html


※本記事の記載内容は、2022年6月現在の法令・情報等に基づいています。