ウィルサイドコンサルティング合同会社

チームや個人の問題点をその場で明確化する「M-T-M」とは?

15.11.27
ビジネス【人的資源】
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サッカーやラグビーなどの球技の指導法に、マッチ・トレーニング・マッチ(以下、M-T-M)がある。チーム内の紅白戦で問題点が生じたとき、その場でゲームを止めて確認し、その後またゲームを再開するというものだ。

前回の更新時にお伝えした「社員が成長を実感できる仕事」や「雰囲気作り」の方法論のひとつが、M-T-M指導法だ。
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M-T-Mの利点は、チームや個人の問題点をその場で明確化し、対処法を提示できることにある。なぜうまくいかなかったのかを、鮮度の高いうちに考えることができる。 

指導する立場の上司から、「こうしたらいい」と示してはいけない。部下に考えさせ、意見は否定せずに尊重する。自分の考えに基づいた対処法が成功につながれば、部下は達成感を得られる。残念ながら失敗となっても、指導者の提案を素直に受け入れられる。 

大切なのは「自分に何が足りない」のかを、「部下自身に気づかせる」ことだ。アスリートが胸に抱くレベルアップの欲求は、指導する側の失敗を受容する姿勢によって刺激され、揺るぎのないものとなっていく。厳しい練習やノルマにも前向きに取り組むことができ、達成感がさらなる意欲を引き出す。自分の変化が実感できるので、「日々の練習が楽しい」と思える選手が増えていく。組織の雰囲気も高まっていく。 

ビジネスの世界にも、M-T-Mは応用できる。「これをやってはいけない」と部下の発想を規制するのではなく、「自分で考えて、まずはやってみよう」と背中を押すのだ。失敗をすぐに忘れたい記憶にせず、価値ある教訓とするためにも、M-T-Mを参考にしてみてはいかがだろう。 


スポーツの視点からみる人的資源 


[プロフィール] 
戸塚 啓(とつか・けい) 
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。 

[記事提供] 

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