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4月から新しい様式になった『36協定届』をチェック!

21.04.27
ビジネス【労働法】
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『36協定届』は、正式には『時間外・休日労働に関する協定届』といい、会社が従業員に対して法定労働時間を超える時間外労働や休日労働を命じるためには、これを所轄の労働基準監督署に届け出ておく必要があります。
この36協定届が2021年4月1日から新しい様式になり、これまで必要だった押印や署名が不要になったほか、労働者代表についてのチェックボックスが新設されました。
それぞれ詳しく解説していきます。
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使用者と労働者代表の押印と署名が不要に

労働基準法施行規則等の一部が改正され、2021年4月1日から、『36協定届』の様式が新しくなりました。

1点目の変更点は、使用者と労働者代表の押印・署名が不要となったことです。
ただし、これは署名・押印をした『36協定書』を交わしていることが前提であり、『36協定届』が『36協定書』を兼ねる場合は、従来と同じく押印・署名が必要となります。

36協定は、1日8時間、週40時間という法定労働時間を超えて時間外労働をさせる場合や法定休日に労働させる場合に、使用者と労働者が締結する労使協定です。
協定を締結する際には、使用者と労働者代表との間で書面による合意が必要となるため、36協定書を作成します。
そして、その内容を36協定届の様式に記入し、労働基準監督署に届け出なければなりません。
この36協定届は36協定書を兼ねることができるため、36協定届のみを作成している企業もあるでしょう。
その場合は従来どおり、労使双方の合意がなされたことを示す押印・署名が必要になります。


労働者代表に関するチェックボックスが新設

2点目の変更点は、労働者代表についてのチェックボックスが新設されたことです。

ここでの労働者代表とは、企業で働く従業員の過半数で組織する過半数労働組合か、もしくは、労働者の過半数を代表する過半数代表者のことを指します。
チェックボックスは、この労働者代表に関して、正式な手続きを踏んで選出された者であることなどを確認するために設けられました。

もし、事業所に過半数労働組合がない場合は、36協定の締結をする者を選ぶということを明確にしたうえで、投票や挙手などの方法で労働者の過半数代表者を選出しなくてはなりません。
そして、その選出方法を36協定届に記載する必要があります。

過半数代表者を選出する際に留意したいのは、使用者である企業側が労働者の代表を選出できないということです。
過半数代表者は、正社員はもちろん、パートやアルバイトなども含めた全ての労働者によって選出されなければならず、使用者の意向に基づいて選出してはなりません。
また、管理監督者が過半数代表者になることもできません。

もし、適切に過半数代表者が選出されていない場合には、36協定は無効となり、使用者による時間外労働命令や休日勤務命令も効力がなくなります。
過去には、残業命令に従わなかった従業員を解雇したが、36協定が無効とされた結果、解雇自体も無効となった判例があります。
企業側は、適切な選出方法で過半数代表者が選ばれているか、確認しておきましょう。


電子申請による届出が推奨されている

現在は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、労働基準監督署に直接出向いて届出や申請をすることは控えるように通達が出ており、36協定届も電子申請で行うことが推奨されています。

電子申請は、政府が運営するポータルサイト『e-Gov(イーガブ)』から行うことができます。
36協定届のほかにも、就業規則の届出や1年単位の変形労働時間制に関する協定届、最低賃金の減額特例許可申請など、労働基準法や最低賃金法などに定められた届出や申請は電子申請が可能です。
e-Govからアカウントを登録し、フォーマットに必要事項を入力するだけで手続きができるため、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

なお、新しい36協定届の記入方法などは、厚生労働省のホームページの周知用リーフレットで確認することができます。
36協定届を提出した後は、協定を締結したことを各作業場の見やすい場所に常時掲示したり書面を交付したりして、従業員に周知しましょう。

36協定届は、時間外労働や休日労働を命じるために必要不可欠なものです。
漏れのないように正しく記載して、届け出るようにしましょう。


※本記事の記載内容は、2021年4月現在の法令・情報等に基づいています。