最も売りたい商品を選ばせる『ゴルディロックス効果』とは?
客に選んでいると思わせ、実際は企業側の“売りたい”アイテムに誘導することができる『ゴルディロックス効果』。
心理学の一つで、人間は三つの選択肢があると、真ん中のものを選んでしまうというものです。
日本では『松竹梅の法則』ともいわれており、マーケティングの世界でも幅広く使われています。
今回は、『ゴルディロックス効果』の使い方をご紹介します。
心理学の一つで、人間は三つの選択肢があると、真ん中のものを選んでしまうというものです。
日本では『松竹梅の法則』ともいわれており、マーケティングの世界でも幅広く使われています。
今回は、『ゴルディロックス効果』の使い方をご紹介します。
『ちょうどいい選択』をする人間心理とは?
この効果のもとになったのは、イギリスの童話『ゴルディロックスと3匹の熊』。
森の奥で暮らしていた3匹の熊の家にゴルディロックスという少女がやってきて、食事やベッドを選ぶ際にちょうどいい選択をしていくという物語です。
ここから、『ちょうどいい選択』をする法則のことを、『ゴルディロックス効果』と呼ぶようになりました。
日本では『松竹梅の法則』としておなじみです。
人間は基本的に『ちょうどいい選択』をするもので、松竹梅の商品があったら、多くの人が『竹』を選びます。
実際に、うなぎ屋さんやお寿司屋さんに行った際、その店が初めて行く店であれば、『竹』を選ぶ人がほとんどではないでしょうか。
この法則は、『損失の回避』と『極端の回避』という心理状態で説明できます。
たとえば、松竹梅のうなぎを選ぶとき、まず人は損をしたり失敗したりしたくないという『損失の回避』という心理状態になります。
もし『梅』を選んで、小さなうなぎやあまり美味しくないうなぎが出てきたら、せっかく贅沢をしてうなぎ屋に来たのにもったいないし、満足できないかもしれない、となります。
続いて、『松』のうなぎに関しては、大きすぎて食べられないかもしれないし、ちょっと贅沢すぎるかもしれない、という心理が働きます。
つまり、極端なものを避けようとする『極端の回避』の状態になるわけです。
そうなると、残りは『竹』しかありません。
『梅』よりは損も失敗もする可能性が低いし、『松』よりは贅沢すぎないし、きっと満足感も得られるだろう、という考えから『竹』を選ぶのです。
実際に、10人の人がいたら、2人が梅、5人が竹、3人が松を選ぶといわれています。
5割の客に売りたいものを買ってもらうには
では、この『ゴルディロックス効果』をマーケティングに利用するにはどうすればいいでしょうか。
それには、一番売りたい商品の値段を基準に、類似商品の値段を設定していきます。
たとえば、利益率の高い商品をBとした場合、このBの値段を基準に、類似商品のAとCの値段を決定します。
Bの商品が3,000円であれば、Aは2,500円、Cは5,000円くらいに設定します。
こうすることで、『ゴルディロックス効果』によって、お客さんの関心はBに集まり、結果的にBの商品が一番よく売れるというわけです。
この時、AとBの商品の価格差はなるべく抑えましょう。
あと少し出せばよりよいものが手に入るという状況において、人はその『あと少し』を出しやすくなります。
AとBの価格差が500円くらいであれば、人は+500円を惜しみませんが、これが2,000~3,000円もの差になってくるとそうはいきません。
また、AとBの価格を僅差にすることで、BとCの価格差を目立たせることができ、さらにCの商品に高級感という付加価値をつけることもできます。
この『ゴルディロックス効果』は、あくまで類似商品が三つ並んだときに効果を発揮します。
四つの場合だと、選ぶ選ばない以前に、『買わない』という選択肢が浮かぶ可能性が出てきます。
逆に二つの場合は、多くの人が値段の安い方を選んでしまうため、高いものは売れなくなってしまいます。
三つであれば、先ほどの2:5:3の法則に従い、5割の人が一番売りたいものを、3割の人が高い商品を買ってくれます。
商品の販売戦略を講じるときや、マーケティングについて考えるときには、この『ゴルディロックス効果』を念頭に置いておいて損はないでしょう。
※本記事の記載内容は、2019年4月現在の法令・情報等に基づいています。
この効果のもとになったのは、イギリスの童話『ゴルディロックスと3匹の熊』。
森の奥で暮らしていた3匹の熊の家にゴルディロックスという少女がやってきて、食事やベッドを選ぶ際にちょうどいい選択をしていくという物語です。
ここから、『ちょうどいい選択』をする法則のことを、『ゴルディロックス効果』と呼ぶようになりました。
日本では『松竹梅の法則』としておなじみです。
人間は基本的に『ちょうどいい選択』をするもので、松竹梅の商品があったら、多くの人が『竹』を選びます。
実際に、うなぎ屋さんやお寿司屋さんに行った際、その店が初めて行く店であれば、『竹』を選ぶ人がほとんどではないでしょうか。
この法則は、『損失の回避』と『極端の回避』という心理状態で説明できます。
たとえば、松竹梅のうなぎを選ぶとき、まず人は損をしたり失敗したりしたくないという『損失の回避』という心理状態になります。
もし『梅』を選んで、小さなうなぎやあまり美味しくないうなぎが出てきたら、せっかく贅沢をしてうなぎ屋に来たのにもったいないし、満足できないかもしれない、となります。
続いて、『松』のうなぎに関しては、大きすぎて食べられないかもしれないし、ちょっと贅沢すぎるかもしれない、という心理が働きます。
つまり、極端なものを避けようとする『極端の回避』の状態になるわけです。
そうなると、残りは『竹』しかありません。
『梅』よりは損も失敗もする可能性が低いし、『松』よりは贅沢すぎないし、きっと満足感も得られるだろう、という考えから『竹』を選ぶのです。
実際に、10人の人がいたら、2人が梅、5人が竹、3人が松を選ぶといわれています。
5割の客に売りたいものを買ってもらうには
では、この『ゴルディロックス効果』をマーケティングに利用するにはどうすればいいでしょうか。
それには、一番売りたい商品の値段を基準に、類似商品の値段を設定していきます。
たとえば、利益率の高い商品をBとした場合、このBの値段を基準に、類似商品のAとCの値段を決定します。
Bの商品が3,000円であれば、Aは2,500円、Cは5,000円くらいに設定します。
こうすることで、『ゴルディロックス効果』によって、お客さんの関心はBに集まり、結果的にBの商品が一番よく売れるというわけです。
この時、AとBの商品の価格差はなるべく抑えましょう。
あと少し出せばよりよいものが手に入るという状況において、人はその『あと少し』を出しやすくなります。
AとBの価格差が500円くらいであれば、人は+500円を惜しみませんが、これが2,000~3,000円もの差になってくるとそうはいきません。
また、AとBの価格を僅差にすることで、BとCの価格差を目立たせることができ、さらにCの商品に高級感という付加価値をつけることもできます。
この『ゴルディロックス効果』は、あくまで類似商品が三つ並んだときに効果を発揮します。
四つの場合だと、選ぶ選ばない以前に、『買わない』という選択肢が浮かぶ可能性が出てきます。
逆に二つの場合は、多くの人が値段の安い方を選んでしまうため、高いものは売れなくなってしまいます。
三つであれば、先ほどの2:5:3の法則に従い、5割の人が一番売りたいものを、3割の人が高い商品を買ってくれます。
商品の販売戦略を講じるときや、マーケティングについて考えるときには、この『ゴルディロックス効果』を念頭に置いておいて損はないでしょう。
※本記事の記載内容は、2019年4月現在の法令・情報等に基づいています。