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燻製に特化した専門店として差別化! 冷燻・温燻の多彩な魅力で6店の大躍進

17.05.02
業種別【飲食業】
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多くの飲食店が立ち並ぶ東京・大井町。競合が多い中で燻製に特化し、人気を獲得しているのが『燻製kitchen』だ。

フードからアルコールに至るまで燻製メニューを豊富にラインナップし、地元客を中心に賑わっている。
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■このお店が繁盛している理由! 

1.燻製の技術をフル活用し、燻製の魅力を引き出した専門店へ昇華 
2.フードからアルコールまで、燻製にこだわり口コミで話題に 


近年、コースに瞬間燻製を取り込れ、味わいに変化を持たせる工夫をする店もある。東京・大井町の『燻製kitchen』は、そんなジワジワと人気となっている燻製料理専門店として人気を獲得している。 

同店は、都内に燻製専門店を6店舗経営する(株)SPANの第1号店。平日は地元客や女子会、休日は地元客の他に目的客で賑わう。リピーターも多く、バーなどの2件目利用も獲得し、平均1.5回転、週末は2回転の人気ぶりだ。 

『燻製kitchen』の売りは、燻製をほぼすべてのメニューに取り込んでいる点。店内で行う燻製は、メインから前菜系、パスタやアルコールまで燻製にこだわる。 

チーズやベーコンなどベーシックな前菜系のメニューは種類が豊富のため、盛り合わせも注文が可能。初回来店のお客は食べ比べとして盛り合わせの注文が多い。「燻製の盛り合わせ」は人数に合わせて注文が可能。卵、ベーコン、たくあん、チーズ、明太子など、冷燻と温燻を組み合わせて選べる。チーズは提供直前に表面を焼き、外はカリッと中はトロッと仕上げるなど、工夫を凝らしている。 

また、ダッチオーブンで燻製する肉系のメニューも人気だ。他店では味わえないひと味違うメニューに注文が集中するという。「燻製ラムチョップとドカ盛りパクチー」は、ラムチョップを一度焼いてから、ダッチオーブンで生トマトと一緒に燻製。大量のパクチーを盛り付け、ダッチオーブンごと提供する。付け合わせの自家製の燻製リンゴジャムとの相性がいい。燻製の香りがダイレクトに伝わる一品だ。 

「燻製が主張し過ぎない、食材が主役となる味づくりを目指しています」とオーナーシェフの杉山幸弘氏。燻製による香りが強すぎて食材の良さを壊してしまわないよう、味のバランスには特に気を使う。そのため、燻製に使うスモークチップは食材の味を生かせるサクラで統一。また、食材によって冷燻・温燻を使い分け、冷燻なら時間ごとの味の変化もしっかりと管理し、その食材のベストの燻製を常に意識。物によっては16時間もかけて燻製を行う。 

特に前菜系のメニューにファンは多く、常連客は自分好みのつまみを見つけると、バーとして2件目利用も多いという。 

開店当時、立地的に見つけにくく集客には不利と言われていたが、SNSの発達に伴い、口コミで徐々に人気店に。様々なシーンで利用でき、着実にファン客を増やしている。 


繁盛飲食店のヒット商法最前線 


【記事提供元】近代食堂2017年5月号(旭屋出版)