株式会社ストックフォルム

従業員のスキルアップも!『ハローワーク』を活用した人材育成法

25.05.27
ビジネス【人的資源】
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従業員のスキルアップは、会社の効率化や企業価値の向上に欠かせません。
しかし、人材育成に割ける時間も費用も足りないという中小企業は多いのではないでしょうか。
そんな企業に向けて、ハローワークではさまざまな人材育成支援制度を提供しています。
ハローワークは、求職者への職業紹介だけでなく、企業の人材育成もサポートしており、これまでに多くの企業が支援を受けています。
ハローワークを活用した人材育成について、具体的な内容を紹介します。

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中小企業在職者が対象のハローワークの支援

ハローワーク(公共職業安定所)は、雇用の安定と促進を目的とする公的な施設で、求職者と企業のマッチングや雇用保険の手続きだけではなく、職業訓練やスキルアップ支援なども行なっています。
企業側は、これらの支援制度をうまく活用することで、従業員の能力を最大限に引き出し、組織全体のパフォーマンス向上につなげることができます。

近年、終身雇用制度の崩壊や技術革新の加速により、企業は従業員の能力開発に力を入れる必要性が高まってきました。
今後は、どの産業においても、ますます労働力が不足する見通しとなっており、人材の確保と育成は企業の最優先課題の一つといわれています。
このような状況下で、ハローワークが提供する人材開発支援は、企業にとって非常に有益なものとなります。

人材育成に取り組む企業に向けたハローワークの支援策は目的別に分かれています。
たとえば、人材育成全般の基盤を整備したいのであれば、「キャリアコンサルティング」や「ジョブ・カード」などの導入に対して、助成金などの支援を受けることができます。
キャリアコンサルティングとは、国家資格を持つ専門家が労働者のキャリアプランや能力開発に関する助言や指導を行う取り組みのことです。
ジョブ・カードとは、職業経験・スキル・資格・キャリアプランなどを整理して、見える化したツールのことで、従業員のキャリア形成上の課題の把握や、能力開発の推進などに利用されます。

従業員の育成を外部の専門家に任せるケース

助成金を受けずに従業員を育成するのであれば、「ハロートレーニング」「認定職業訓練」「若年技能者人材育成支援等事業(ものづくりマイスター)」といった制度の利用を検討しましょう。
ハロートレーニングとは、ハローワークが提供する育成制度の一つで、求職者を対象としたものだけでなく、主に中小企業に在職中の従業員を対象としたコースもあります。
ハロートレーニングのなかでも、在職中の従業員向けの「在職者訓練」は、業務に必要な専門知識や技能・技術の向上を図ることが目的となっています。
「ものづくり」の分野を中心に、設計・開発、加工・組立、工事・施工、設備保全などの実習を中心とした訓練が全国の「ポリテクセンター(職業能力開発促進センター)」などで実施されます。

在職者向けのハロートレーニングは、2~5日間と比較的短期間であることが特徴で、企業が独自に研修を実施するよりも費用を抑えられる場合があり、専門的な知識・スキルを持った講師から指導を受けられるというメリットもあります。

また、ポリテクセンターだけではなく、都道府県知事の認定を受けた職業訓練施設でも在職者向けの訓練を実施しており、こちらは建築・土木関係、金属・機械加工関係、理美容関係などが主な訓練科となっています。

社外施設で訓練を受けるのではなく、講師の派遣を受けたいのであれば、「ものづくりマイスター」の利用も検討してみるとよいでしょう。
ものづくりマイスターとは、製造系職種やIT系職種で働く中小企業の若年技能者および工業高校の生徒などを対象に、派遣された熟練技能者が実技指導を行う制度です。
制度を利用することで、熟練技能者の知識・スキルを若手技能者に継承できるのはもちろん、OJTだけではむずかしい高度な技能を効率的に習得することができ、組織全体の技能水準も向上します。
特に中小企業においては、熟練技能者の高齢化による技能継承が課題となっており、ものづくりマイスターの活用は有効な手段となるでしょう。

ほかにも、ハローワークでは人材育成費用のサポートを受けることができる各種助成金制度や、自発的に訓練に取り組む従業員への教育訓練給付金制度などが用意されています。
人材育成は、企業の持続的な成長に不可欠な要素です。
ハローワークの支援制度を積極的に活用し、従業員の能力を最大限に引き出すことで、組織全体のパフォーマンス向上につなげていきましょう。


※本記事の記載内容は、2025年5月現在の法令・情報等に基づいています。