ウィルサイドコンサルティング合同会社

優秀だけれど問題児?『ブリリアントジャーク』への対応策

24.08.13
ビジネス【人的資源】
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最近、『ブリリアントジャーク(Brilliant Jerk)』という単語が話題です。
ブリリアントジャークとは、優秀だけど人間性に問題があり、周囲に悪影響を与える人物のことで、動画配信サービスのNetflixが自身のサイト上で言及したことによって、注目が集まり、広く周知されるようになりました。
Netflixは「チームワークを損なうブリリアントジャークに居場所はない」とはっきり明言しています。
ブリリアントジャークによって組織を崩壊させないように、その特徴や対応策などについて、認識を深めておきましょう。

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『ブリリアントジャーク』が組織に与える害

『ブリリアントジャーク』の「ブリリアント(Brilliant)」は日本語で「素晴らしい」「立派」「見事」と訳すことができ、「ジャーク(Jerk)」はスラングで「嫌なヤツ」を指します。
つまり、ブリリアントジャークとは「仕事はできるけど嫌なヤツ」という意味にあたります。

仕事はできるけど嫌なヤツは仕事ができるがゆえに、人を見下したり人間関係を壊すような発言をしたりします。
こうしたブリリアントジャークの言動や態度によって、ほかの従業員の士気やモチベーションは下がってしまいます。

日本にも、ブリリアントジャークに似た概念として、「問題社員」や「モンスター社員」といった言葉があります。
周囲に悪影響を与えるという意味ではブリリアントジャークと同じですが、彼・彼女らは必ずしも有能とは限りません。
ブリリアントジャークは、協調性がなかったり、攻撃的だったりする一方で、非常に仕事ができるという特徴があります。

ブリリアントジャークは有能なので、仕事面では会社側が指導することはありません。
しかし、本人は仕事で成果を出しているにもかかわらず、組織全体で見ると生産性が低下しているという事態を招いてしまいます。
ある研究では、組織にブリリアントジャークがいると全体のパフォーマンスが30~40%落ちるという実験結果が出ています。

また、ブリリアントジャークは、事実であるか否かにかかわらず、組織のなかで自分が一番仕事のできる人物だと考えているため、上司であっても見下し、自分を非難する者を徹底的に排除しようとします。
こうなると、生産性が下がるだけではなく、職場環境も悪化していきます。
ブリリアントジャークとの人間関係を苦痛に感じて、組織を離れる人も出てくるでしょう。
ブリリアントジャークに対処できないままでいると、組織の崩壊は免れません。

メタ認知によって本人の自覚を促す

ブリリアントジャークによって、何人もの社員が退職している状況に陥っているのであれば、すぐに対策を講じるべきです。
しかし、日本では本人に性格的な問題があるからといって、簡単に解雇することはできません。
まずは会社として、本人の言動や態度が改善されるよう指導を行う必要があります。

ブリリアントジャークに対するほかの社員からの指摘や取引先からのクレームがあれば、まず音声データやメモなどの証拠を揃えて、上司がブリリアントジャーク本人に口頭で注意するようにしましょう。
実は、ブリリアントジャークは本人自身がブリリアントジャークであることを自覚していないことも多く、指摘を受けることで改善する可能性もあります。
ブリリアントジャークは周囲からの見られ方を気にする人が多い傾向にあります。
自身の言動を客観的にとらえてもらう、いわゆる「メタ認知」を促すことがブリリアントジャークには効果的な場合もあるでしょう。

また、「仕事だけがすべてではない」「人には上も下もない」といった当たり前のことをブリリアントジャークに教え、行動の改善を促すのも上司の役割です。

もし、こうした取り組みを行なっても改善が見られないのであれば、ほかの社員との関わりが少ない個人で仕事が完結する部署などへの異動なども考えなければいけません。
このように指導や対策を行なったうえで、引き続き本人の勤務態度に大きな問題があり、改善が見られない場合は、解雇が認められることもあります。

前提として、Netflixが表明しているように、まずはブリリアントジャークを組織に入れないことが大切です。
そのためには、企業が「協調性がない人物」「モラルが低い人物」など、自社にそぐわないと思う人物像を明文化して、外部に向けて発信していくことが重要です。
企業側のメッセージは採用現場における指針になりますし、ブリリアントジャークを引き寄せない一助となることでしょう。


※本記事の記載内容は、2024年8月現在の法令・情報等に基づいています。