佐々木税理士事務所

介護業界とマイナンバー制度(4)「『医療等ID』による介護情報の連携とは」

15.11.06
業種別【介護業】
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マイナンバー制度の運用スタートに伴い、医療や介護等の分野においてもIT技術を用いた情報の連携が予定されています。

マイナンバーは、「社会保障」と「税」および「災害対策」についてのみ限定的に利用されますが、医療や介護等の個人情報管理については「医療等ID」と呼ばれる「医療連携や研究に利用可能な番号」として、2018年度から段階的な運用が始まる予定です。
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この「医療等ID」は、マイナンバー制度のインフラを活用し、まずは2017年7月以降の早い時期に、「マイナンバーカード(個人番号カード)」に健康保険証の機能を持たせ、病院や診療所等の医療機関の窓口で患者がマイナンバーカードを提示することで、患者の医療保険資格を医療機関がオンラインで確認できる仕組みを構築することを想定して進められています。

<医療・介護等分野におけるICT化整備のポイント(2020年までに整備)>

1.医療連携や医学研究に利用可能な番号の導入 (マイナンバー制度のインフラを活用)

2.医療機関のデータのデジタル化+地域の医療機関間のネットワーク化

3.医療データの利用拡大のための基盤整備

※ICT化とは…ITの概念をさらに一歩進め、IT=情報技術に通信コミュニケーションの重要性を加味した言葉

医療や介護等の分野でのICT化は、医療事務の効率化を図り、医学研究に活用することで、医療の質の向上につながるとされています。

また、医療機関と介護事業者の間で個人の医療情報が共有できるようになれば、介護サービスの効率化や地域包括システムの充実にも役立ちます。具体的には、次のような効果が期待されています。

<介護サービスの質の向上が見込まれるポイント>

1.介護保険の被保険者が市町村を異動した場合において異動元での認定状況、介護情報の閲覧が可能となる

2.医療機関と行政機関等との情報連携を進めることにより、各種行政手続等において本人に求めている診断書の添付が不要となる

3.年金手帳、医療保険証、介護保険証等を一体化したカードを発行することで、利用者の利便性の向上を図ることができる

マイナンバーと医療等IDの連携により、利用者の病歴、検査結果、過去に処方された薬などが確認できるようになります。また、これまでは不十分であった医療機関と介護事業者の連携が図れるようになれば、利用者に最適なケアプランが作成しやすくなったり、二重投薬の防止にもつながります。

ただし、個人情報漏えいの防止には、より一層注意しなければならなくなるため、今後はシステムの導入やスタッフの教育などの安全管理対策をどのように構築していくかが、介護事業所にとっての課題となるでしょう。


介護事業最前線 


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