佐々木税理士事務所

仕事と介護を両立できる環境づくりに取り組む事業主を支援

23.07.11
ビジネス【助成金】
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近年、家族の介護のために離職を余儀なくされる人が増えています。
そのような『介護離職』を予防するため、仕事と家庭の両立支援のために職場環境整備に取り組む中小企業事業主に対し、国から助成金が支払われます。
適用には、介護休業の円滑な取得および職場復帰の取り組みや、仕事と介護との両立に資する制度の利用を円滑にするための取り組み、家族を介護する労働者のために有給休暇取得のための取り組みなどが必要です。
今回は『両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)』について説明します。
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両立支援等助成金(介護離職防止支援コース) 

『介護支援プラン』を作成し、 プランに沿って労働者の円滑な介護休業の取得・職場復帰に取り組み、休業した労働者や介護のための柔軟な就労形態の制度(介護両立支援制度)の利用者が生じた中小企業事業主に支給します。
主な支給要件は以下の通りです。

【主な支給要件】
A.介護休業
<休業取得時>
●介護休業の取得および職場復帰について、プランにより支援する措置を実施する旨をあらかじめ労働者へ周知すること。
●介護に直面した労働者との面談を実施し、面談結果を記録したうえで介護の状況や今後の働き方についての希望等を確認し、プランを作成すること。
●プランに基づき、業務の引き継ぎを実施し、対象労働者が合計5日(所定労働日)以上の介護休業を取得すること。
※対象労働者について、当該介護休業開始日から申請日において雇用保険被保険者として継続雇用していること。

<職場復帰時> 
※休業取得時と同一の対象介護休業取得者である(休業取得時を受給していない場合は申請不可)とともに、休業取得時の要件かつ下記要件を満たすことが必要。
●『休業取得時』の受給対象である労働者に対し、介護休業終了後にその上司または人事労務担当者が面談を実施し、面談結果を記録すること。
●対象労働者を、面談結果を踏まえ原則として原職等に復帰させ、原職等復帰後も申請日までの間、雇用保険被保険者として3カ月以上継続雇用していること。

<業務代替支援加算> ※令和5年度新設
職場復帰時への加算
●新規雇用:介護休業期間中の代替要員を新規雇用等で確保した場合
●手当支給等:代替要員を確保せずに業務を見直し、周囲の社員により対象労働者の業務をカバーさせた場合

B.介護両立支援制度(介護のための柔軟な就労形態の制度)
●介護両立支援制度の利用について、プランにより支援する措置を実施する旨を、あらかじめ労働者へ周知すること。
●介護に直面した労働者との面談を実施し、面談結果を記録したうえで介護の状況や今後の働き方についての希望等を確認してプランを作成すること。
●プランに基づき、業務体制の検討を行い、以下の(1)~(8)いずれか1つ以上の介護両立支援制度を対象労働者が合計20日以上(※1、2を除く)利用し、支給申請にかかる期間の制度利用終了後から申請日までの間、雇用保険被保険者として継続雇用していること。
(1)所定外労働の制限制度
(2)時差出勤制度
(3)深夜業の制限制度
(4)短時間勤務制度
(5)介護のための在宅勤務制度
(6)法を上回る介護休暇制度※1
(7)介護のためのフレックスタイム制度
(8)介護サービス費用補助制度※2
注:※1、2の制度は利用期間が利用開始から6カ月を経過する日の間に一定の要件を満たすことが必要

【個別周知・環境整備加算】※令和5年度新設
介護休業(休業取得時)または介護両立支援制度を利用した対象者に対して下記1および2の両方の取組を実施した場合に加算して支給します。

1.対象労働者への個別周知
資料を用いて対象労働者に制度、待遇等についての説明を行うこと。
2.仕事と介護を両立しやすい雇用環境整備
社内の労働者向けに、以下のうち2つ以上の措置を講じていること。
(1)社内の労働者に対する介護休業・介護両立支援制度にかかわる研修の実施
(2)介護休業・介護両立支援制度に関する相談体制の整備
(3)介護休業の取得・介護両立支援制度の利用に関する事例の収集、当該事例の提供
(4)社内の労働者に対する介護休業・介護両立支援制度の内容や取得・利用の促進に関する方針の周知

【支給額】※A、Bいずれも1事業主1年度5人まで支給
A.介護休業:休業取得時30万円/職場復帰時30万円
業務代替支援加算(職場復帰時):新規雇用20万円/手当支給等5万円
B.介護両立支援制度:30万円
C.個別周知・環境整備加算(AまたはBに加算):15万円


このほかにも、細かい支給要件や必要な書類などがあります。詳細は厚生労働省ホームページをご確認ください。
出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/content/001082093.pdf


※本記事の記載内容は、2023年7月現在の法令・情報等に基づいています。