佐々木税理士事務所

託児所付き美容室も登場! 美容業界で進む“子育てママ支援”

22.05.31
業種別【美容業】
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産休・育休を経て職場復帰したいというママ美容師が増えています。
しかし、技術職の場合、一度現場を離れてブランクがあると、職場復帰に向けて不安を感じる人も少なくないようです。
子育てをしながら安心して美容師に復帰できるよう、雇用する側としてどのようなサポートができるでしょうか。
雇用形態やサポート制度など、ママ美容師が働きやすい職場環境づくりについて説明します。
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育児中の美容師に向けて配慮したいこと

働きながら子育てをする人は世の中的にも増えており、美容業界においても、会社として従業員をサポートする姿勢が求められています。
美容師は技術職であるため、いったん現場から離れてしまうと以前の感覚がつかめなくなっていたり、また、美容業界のトレンドやニーズに変化があったりして、いざ職場に復帰した際に、心理的なハンディキャップを感じる人も少なくないでしょう。

また、仕事と育児を両立させるには、フルタイムでの勤務に限らず、短時間勤務や出勤日数の調整などを考慮する必要が出てきます
たとえば、雇用形態をパートやアルバイト、業務委託契約にして1日の実働時間を減らしたり、週2~3回の勤務にしたりするなど育児と両立しやすい働き方を、店側と従業員の話し合いによって決めるとよいでしょう。
また、子どもが急に熱を出したなど、突発的な事情に対応する準備も必要です。

短時間勤務に限らず、店側が求める条件に合う時間帯や業務の範囲内で、積極的に“ママ美容師”を採用するケースは少なくありません。
子どもが小さい数年間はパート雇用で、将来的にはフルタイムの正社員になる前提で働いてもらえば、経営面や人材教育などさまざまな面で長期的な計画を立てやすくなります。
たとえば、最近では子どもを対象としたキッズサロンや、介護や病院に出張してくれる、福祉美容師などのニーズが出てきています。
美容師といっても多様な働き方が考えられる時代ですから、従業員がライフステージに合わせて無理なく働ける場を、会社側が新たに創出してもよいかもしれません。


ブランクがあっても働きやすい店舗とは

職場復帰を望む人の心境として、仕事へのやりがいを求める人は少なくありません。
そのため、働く条件も給料だけでなく、自分に合った働き方ができるかどうかを重視する傾向があります。
雇用する側としては、まずは店舗見学を実施して、実際の雰囲気を見てもらうことや働く人に会ってもらうなど工夫をすることも大切です。

そのようななか、昨今では『託児所付き美容室』が注目を集めています。
職場に子どもを預けられる施設があれば、預け先の確保に奔走する手間もかかりません。
特に首都圏では、ベビーシッターが常駐する美容室や、保育園と提携している店舗もあり、女性の働きやすさを打ち出す美容室も増えてきているようです。

従業員の育児と仕事の両立支援を目的とする『企業主導型保育所』は、認可外保育所という位置づけになりますが、自治体とのやりとりが必要な『認可保育所』と比べて、運営の自由度が高いのが特徴です。

たとえば、保育時間や利用条件を比較的自由に設定できるので、美容室の営業時間に合わせて運営ができます。
出勤も退勤も子どもと一緒にできますし、業務中でも子どもの様子を確認できる託児システムを導入すれば、従業員も安心して仕事に集中できるでしょう。

また、国は『企業主導型保育事業』への助成金制度を制定しており、施設運営費用の面でも、企業にとって、企業内保育所の設置に向けたハードルが低くなっています。

企業内保育所を導入することで、従業員の働きやすさが増し、育児を理由とする離職を防ぐことにもつながるでしょう。
働く意欲のある人を積極採用するために、美容業界においてもこのような企業内保育所の運営をはじめ、店舗としてできるサポートを考えていきましょう。

このように、ママ美容師を積極的に採用し、支援していくことで、働きながら子育てをするファミリー層に親近感を持ってもらえるかもしれません。
従業員が安心して働ける職場をつくることは、接客やサービス向上にもつながります。
その結果、リピート客が増えて美容室の経営にいい影響があるのではないでしょうか。

職場復帰をしたいママ美容師を積極的に雇用することで、美容業界の人手不足の解消や、育児と仕事の両立ができる職場づくりを目指していきましょう。


※本記事の記載内容は、2022年5月現在の法令・情報等に基づいています。