佐々木税理士事務所

介護事業所開設の失敗事例と成功ポイント3 採用選考時のポイント

14.11.12
業種別【介護業】
dummy
採用計画の大枠が決まれば、次は実際にどのような採用活動を行っていくのかが重要なポイントとなります。

一般的な採用選考の流れは「求人(求人票の掲載等)→応募者のエントリー(履歴書確認)→面接(1~3回程度)→採否の決定(内定通知)」となります。
ここで失敗しがちなのは、「求める人材像」をはっきりと描けていないことです。
dummy
介護事業最前線

採用活動を行っていく上でまず考えなければならないのが、自社に必要な人材像を見極めることです。
「正社員かパートタイマーか」「介護の経験・資格の有無」「賃金の支払い額」「仕事に対する考え方で重視する点は何か」
等については最低限イメージし、他の面接官と情報を共有する必要があります。
なぜなら、採用で重視するポイントを明確にしておかないと採用基準がぶれてしまい、後々トラブルに発展することにもなりかねないからです。

「現状の介護業界は人材不足のため選り好みできない」と考えて安易な採用を行うと、能力不足だったり施設の雰囲気が合わずに数日でやめてしまうなど、経費と時間の無駄遣いになります。

また、経営者が現場に入っているなど採用選考になかなか時間を費やせないというのであれば、Web求人や会社案内で「求める人材像」を具体的に掲載し、会社の求める人材が応募しやすくなるような工夫が必要です。

面接時に確認できる時間は限られています。
その中でいかに応募者の本質を見抜き、自社に適した人材を見極めることができるかどうかが、採用活動の成功につながっていきます。

■選考時に注意する主なポイント
・退職理由は何か確認する(トラブルを起こして辞めたり、給与額などの労働条件が不満でやめたケースも考えられます)
・転職回数が多いと要注意(長続きしない理由)
・志望動機を確認する(会社概要やホームページをチェックしてきていない人はNG)
・親の介護、育児の状況などの確認(男女差別にならないよう気をつける)
・事前に作文やアンケートを用いて選考の判断材料とする(字の丁寧さや設問に対する理解度などを確認できるメリットがあります)
・適性検査等を行い、選考の判断材料とする(面接ではわからない潜在的な性格を確認する)


[プロフィール]
田中 靖浩(たなか・やすひろ)
牧江・田中社会保険労務士法人所長・特定社会保険労務士。創業から35年以上の歴史を誇る牧江・田中社会保険労務士法人、所長。これまで労務管理を支援してきた企業は1000社以上。現在、500社ほどの企業を顧問先として抱え、社会保険に関する事務のアウトソーシング、企業防衛型就業規則の作成と社内規則の整備、助成金申請などを受託。