佐々木税理士事務所

予約管理の工夫でクレームを減らして増患・増収を目指す!

21.03.02
業種別【歯科医業】
dummy
多くの歯科医院では、診察時間管理の方法として予約制を導入しています。
予約制は、患者の治療までの待ち時間を減らし、また、歯科医院にとっても空き時間を極力作らずに時間を埋められるというメリットがあります。
しかし、予約制で患者を管理していても、「予約時間に来院したのに待たされた」といったクレームを受けたことのある歯科医院も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、極力クレームを減らすための予約管理のコツを紹介します。
dummy
集患にもつながる予約制の導入

歯科医院が予約制を採用しているのは、患者を待たせないという目的のほかに、治療器具の準備があるからというのが大きな理由といえるでしょう。
むし歯などの治療であれば問題ありませんが、インプラントや親知らずの抜歯などは専用の器具が必要になってくるため、予約によって診察時間を管理しておかないと、器具の準備が間に合わなくなってしまいます。
また、管理をせずに同じ治療の必要な患者が続けて来院してしまうと、器具の滅菌が間に合わず、治療ができなくなってしまうのです。

このことからも、多くの歯科医院では予約制を採用しており、管理票やPCを使った予約システムなどで患者の診察スケジュールを管理しています。

予約システムでは、患者のカルテなどと紐付けて、治療の状況などから予約日を決められるものなどもあり、現在、一部の歯科医院では導入が進んでいます。
また、近年ではWebサイトに予約ページを開設して、インターネット上で患者自身が予約できるシステムを導入している歯科医院も増えています。
24時間受付が可能で、パソコンはもちろん、スマホやタブレットからも操作が可能なネット予約は、予約のために開院時間に電話をする必要がないため、歯科医院側にとっては増患につながるというメリットがあります。

このように、決められた時間でより多くの患者を診察するためにも予約制は欠かせないものです。
しかし、それでも、予約時間に来た患者を待たせてしまったり、診察の順番が前後したりすると、クレームなどにつながってしまう場合があります。

治療に時間がかかってしまうことや、急患が来院することなど、クレームのきっかけとなる要因はさまざまあるでしょう。
それを患者に理解してもらうことが難しい場合、不満をきっかけにその歯科医院から足が遠のいてしまう患者も少なからず存在します。


予約患者を待たせないための工夫も必要

心理学分野の研究によると、理由のわからない待ち時間や、先の見えない不確定な待ち時間は体感よりも長く感じるそうです。
予約の時間に来た患者は、まさに理由もわからず、いつ呼ばれるか分からない不確定な待ち時間を過ごしているわけです。
そういった面から考えても、予約管理を行ううえでは、クレームの出ない仕組みづくりが大切になります。

患者から「予約の時間に来院したのに、長い時間待たされた」というクレームが頻発するようなら、まず、次の診察を開始するまでの時間を調整する必要があります。
歯科医師の技術や歯科衛生士の数でも変わってきますが、治療にプラス10分くらいの時間を余分に設けておいたり、治療と治療の間の時間を少し長めにしたりするとよいでしょう。

もし、なんらかの事情で患者を長時間待たせてしまう場合には、あらかじめ理由を伝えておくなどの対応が必要です。
急患に備えて、一定の余裕は常に確保しておくのもよいかもしれません。

また、歯科医院にとって、予約制は空き時間を有効に使え、効率化を図るために必要なものではありますが、患者の遅刻や急なキャンセルなどのトラブルもつきものです。

遅刻をする患者が多いようであれば、「●分以上遅刻した場合はキャンセル扱いにする」といったルールを設け、その旨を掲示するなど、患者の治療内容や状況に合わせて、クレームが出ないような工夫をしていきましょう。

予約制の導入は、患者を待たせないための時間調整の手段であり、患者からしてみれば、予約した時間通りに診察を行ってくれるという約束でもあります。
自院に来る患者の傾向などを踏まえて予約管理を行い、無駄なくスムーズな診察をしてくれる歯科医院だという評判を得たいものです。


※本記事の記載内容は、2021年3月現在の法令・情報等に基づいています。