佐々木税理士事務所

通勤災害の範囲が拡大! 業務終了後に孫や祖父母、兄弟姉妹の介護に立ち寄るときも安心

17.03.08
ビジネス【労働法】
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労災保険では、通勤中の事故による負傷、疾病、障害、死亡について、通勤災害として労災補償の対象としています。

平成29年1月1日に施行された改正育児・介護休業法により、通勤災害の範囲の一部が見直されました。
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■通勤災害の対象となる「通勤」とは? 
通勤災害の対象となる「通勤」とは、就業に関する移動で、以下の(1)から(3)について、合理的な経路および方法によって行われる移動を指します(業務の性質を有するものを除く)。 

(1)住居と就業の場所との間の往復 
(2)就業の場所から他の就業の場所への移動 
(3)住居と就業の場所との間の往復に先行し、または後続する住居間の移動(単身赴任者の赴任先住居と帰省先住居の間の移動) 

なお、移動の経路を逸脱(通勤の途上で通勤とは無関係の目的のために合理的な経路をそれる)、または中断(通勤を中断して通勤と無関係の行為をする)した場合には、逸脱または中断の間及びその後の移動は「通勤」とはみなされず、労災補償の対象となりません。 

■日常生活上必要な行為のために逸脱・中断した場合と、平成29年からの変更点 
ただし、日常生活上必要な行為のために、合理的な通勤経路を逸脱・中断した場合、逸脱または中断の間を除き、「通勤」とみなされ、労災補償の対象となります。 

この「日常生活上必要な行為」とは、以下を指します。 

(1)日用品の購入や、これに準ずる行為 
(2)職業訓練や学校教育、その他これらに準ずる教育訓練であって、職業能力の開発向上に資するものを受ける行為 
(3)選挙権の行使や、これに準ずる行為 
(4)病院や診療所において、診察または治療を受ける行為や、これに準ずる行為 
(5)要介護状態にある配偶者、子、父母、配偶者の父母並びに同居し、かつ扶養している孫、祖父母及び兄弟姉妹の介護(継続的に、または反復して行われるものに限る) 

これらの行為が終わり、合理的な通勤経路に復帰後の移動の間の事故による負傷等については、例外的に労災補償の対象となります。 

平成29年1月1日に施行された改正育児・介護休業法で見直しが行われ、(5)の同居・扶養要件が撤廃されました(下線部分が削除)。 

同居・扶養していない孫、祖父母及び兄弟姉妹の介護のため、合理的な通勤経路を逸脱・中断し、その後、合理的な通勤経路に復帰後の移動中の事故で負傷等を負っても、労災補償の対象となりました。 

■介護は多くの従業員に関係する問題 
親族の介護は、多くの従業員に関係する問題です。
業務のかたわら介護活動も行うとなると、肉体的・精神的負担は大きく、通勤中に事故が起きるリスクも高まります。

従業員から通勤災害の相談があったら円滑に対応し、適性に労災保険を給付できるよう、変更点を確認しておきましょう。 


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