佐々木税理士事務所

「顔剃り」で差別化!『レディースシェービング』の導入方法

26.06.02
業種別【美容業】
dummy

カットやカラー、パーマといった定番メニュー以外の強みを模索することは、美容室の経営において、とても重要なことです。
近年、美容業界であらためて注目を集めているのが「レディースシェービング」です。
メディアで「美肌効果が高い」と取り上げられたことをきっかけに、美意識の高い女性たちの間で、うぶ毛をケアして素肌を整えるシェービングの人気が高まっています。
なぜ今レディースシェービングが求められているのか、その背景や導入するメリットなどを解説します。

dummy

注目を集めるレディースシェービング

多くの女性にとって、毎日のスキンケアやメイクは欠かせない習慣の一つです。
そして、その土台となる「肌の表面」のケアに意識を向ける層が増えています。

女性には男性のような太いヒゲは生えませんが、顔全体を覆う細かな「うぶ毛」が存在します。
このうぶ毛が光を遮ることで肌がくすんで見えたり、メイクの密着を妨げたりしています。
レディースシェービングは、こうしたうぶ毛を取り除く施術であり、その範囲は顔だけでなく、もみあげ、耳たぶ、小鼻のキワ、さらには自分ではケアがむずかしい背中やうなじまで多岐にわたります。

市販のカミソリを使って自宅でセルフケアをする女性も少なくありませんが、やはりプロによる施術とは仕上がりに差が出ます。
セルフケアではどうしても肌を傷つけてしまったり、剃り残しが出てしまったりするものですが、サロンでのシェービングは単なる「除毛」ではなく、専用のカミソリを用い、美容液成分をたっぷりと含んだジェルやクリームで肌を保護しながら、丁寧に剃り上げていきます。

また、一部のサロンでは、顔を温める際も、男性のように熱い蒸しタオルを当てるのではなく、ナノサイズのミストが出るスチーマーを活用して、肌の水分量を保ちながら柔軟にするなど、女性のデリケートな肌質に合わせた細やかな配慮がなされています。

レディースシェービングの効果とメリット

レディースシェービングの最大の効果は、何といっても「肌のトーンアップ」です。
日本人のうぶ毛は黒色や茶褐色をしているため、これを取り除くだけで肌本来の白さが際立ち、パッと明るい表情になります。
さらに、古い角質も同時に除去されるため、施術後の肌はなめらかで、指が吸い付くような質感をお客に実感していただけます。

この「なめらかさ」は、翌朝のメイクの際にも驚きを与えます。
ファンデーションが肌にぴたっと密着し、化粧ノリが劇的によくなるため、厚塗りを防いでナチュラルな仕上がりを長時間キープできるようになります。
スキンケア製品の浸透もよくなるため、普段使っている化粧水や美容液の効果をより引き出せるという利点もあります。

そして、お客にとってメリットがあるだけでなく、レディースシェービングの導入は、美容室にとってもメリットがあります。
カットやカラーの技術で差をつけるのは時間がかかりますが、本格的なシェービングを提供できる美容室はまだ限られており、近隣他店に対する強力なアドバンテージになります。
特にブライダル需要においては、ドレスから露出する背中やうなじのケアは必須であり、新規客層を獲得する大きなチャンスとなります。

肌を直接剃る行為は理容師の独占業務

他店との差別化や集客などのメリットがあるレディースシェービングですが、導入にあたっては注意点もあります。
法律では、カミソリを使ってお客の肌を直接剃る行為は理容師の独占業務とされており、美容師免許だけでは本格的な顔剃りを行うことはできません。
もし、美容室でこのサービスを提供するのであれば、必ず理容師国家資格を持ったスタッフが施術を行う必要があります。
さらに、店舗としても「理容所」としての登録が必要です。
現在「美容所」として登録している店舗がシェービングを行う場合は、保健所に対して「理容所」としての重複登録、いわゆるダブルライセンスの届出を行い、構造設備などの基準を満たさなければなりません。

スタッフの確保や設備の改修といったハードルは低くありませんが、それらを乗り越えて提供される「本格的な顔剃り」は、お客にとって非常に価値の高いサービスとなります。

もし、すぐに理容師を雇用することがむずかしい場合でも、厚生労働省の通達では、「化粧に付随した軽い程度の顔剃り」であれば美容師が行うことも一部認められています。
たとえば、眉の形を整えるために周囲を少し剃ったり、メイクを美しく仕上げるために必要な最小限の範囲だったりするのであれば、美容師の業務範囲内として解釈されるケースがあります。

まずは化粧に付随した範囲である「眉メニュー」などから顧客のニーズを探りつつ、将来的に理容師免許を持つスタッフを迎え入れたり、ダブルライセンスを目指したりといった、長期的な経営戦略を立てることをおすすめします。


※本記事の記載内容は、2026年6月現在の法令・情報等に基づいています。