税理士法人笠松・植松&パートナーズ

建設業許可業種に「解体工事業」が新しく追加されます!

15.04.05
業種別【建設業】
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建設業許可は、28の業種に区分されています。
建築工事、大工工事、とび・土工・コンクリート工事、土木工事、管工事…といった具合です。
この区分は1971年、建設業許可という制度ができてから、一切変わっていません。
それがこのたび、変わることになりました。
平成28年度の春から施行となります。
変更点で大きいのは、従来「とび・土工・コンクリート工事」の中に入っていた「解体工事」が、分離独立すること。
解体工事という建設業許可の区分が1つ増えます。
建設業許可の業種が29業種になるのです。
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この「解体工事」の分離は、平成28年度に開始されます。
経過措置といって、今まで「とび・土工・コンクリート工事」の許可を持っていた人のための保護規定が設けられています。
改正された法律が動き出す日(恐らく平成28年の春)に「とび・土工・コンクリート工事」の許可を持っている方は、引き続き3年間、500万円を超える解体工事業を請けることができます。

これが、建設業の経営にどうかかわってくるのか?
多くの建設・建築会社様で「解体」という業務はかかわる頻度が高いものだと思います。
更地でない限り、家の建て替えは解体してからの新築になりますよね。

そして、解体には専門的な知識が必要です。
高度成長期に建築された建物の解体ニーズは、今後ますます高まっていきます。
それを見据えての「許可制度における解体工事の分離独立」なのです。

建て替えに伴う解体のニーズはどんどん高まり、工事も増えてゆきます。
この解体工事という建設業許可を持っているかどうかで、売上が違ってくる可能性が高いということになります。

高度成長期に建築された建物のうち、一定の大きさ以上のものは、高い確率で解体費用が500万円を超えるでしょう。
解体工事の許可がない状態だと、ビジネスチャンスを逃すことになりかねません。

そして重要なのが「経過措置」。
新しい区分の開始(解体工事業の許可区分の開始)は、平成28年春と見られていますが、そのときに「とび・土工・コンクリート工事業」の許可を持っていると、自動的に解体工事業も3年間持つことになります。

・とび・土工・コンクリート工事業の許可を取ろうとしている方
・とび・土工・コンクリート工事業の許可を業種追加できる状態の方
・これから求人する予定の方

これらの方は、ぜひ、法令改正を見越した動きを取ってください。

「これから求人する方」については、面接に来る人の資格は「とび・土工・コンクリート工事」が取得できるような資格を持っている人が最善です。
チャンスを逃さず、事業を安定させるための方策として、ぜひ参考にしてください。

※この記事は、2015年3月時点の法令に基づいています。

建設業の経営安定講座


[プロフィール]
崎田 和伸(さきだ・かずのぶ)
行政書士法人Asumia 代表社員、あすみあグループ代表。行政書士。1973年生まれ。広島県出身(在住)。コネなし・カネなし・経験なしという状況で2000年開業。前職がレンタルDVD店フリーターという珍しい経歴を持つ。現在、一人親方から完成工事高400億円の建設会社まで、幅広い顧客を持つ。建設業に関わる許認可分野において、中国地方5県トップクラスの実績を有している。
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