税理士法人笠松・植松&パートナーズ

アイデア続々! 集客に使える『ゲーミフィケーション』とは?

23.08.04
ビジネス【マーケティング】
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『ゲーミフィケーション(Gamification)』とは、ゲーム化を意味するGamifyから派生した造語で、ゲームをさまざまな分野に応用することを指します。
これまで教育や社員育成などの現場で使われてきたゲーミフィケーションは、近年では集客を目的としたマーケティング分野でも導入が進んでいます。
そこで今回は、大手企業が行っている取り組みなどを紹介しながら、自社でゲーミフィケーションを行う際のポイントについて説明します。
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ゲーミフィケーションの成功事例

2010年代から注目を集めるようになったゲーミフィケーションは、もともとは新規ユーザーの獲得や顧客満足度の向上など、Webサービスを中心に活用が進められていたものでした。
近年は、このゲーミフィケーションが実在の店舗やサービスなどさまざまな分野で組み込まれています。

ゲーミフィケーションとは、本来ゲームではないものにゲーム的な要素を加えることで、人を惹きつけ、やる気を起こさせることです。
ポイントカードのポイント獲得やクーポンくじなど、昔からゲーム的な要素を組み込んだ集客手法は存在しましたが、ゲーミフィケーションが広く普及してからは、よりゲーム的な側面が際立つ仕組みが増えてきました。

日本におけるゲーミフィケーションの先駆けとして挙げられるのが、回転寿司チェーン・くら寿司の『ビッくらポン!』です。
ビッくらポン!は、寿司を食べ終わった皿を席に設置された投入口に入れると、5皿に一回タッチパネル上で抽選が行われ、『あたり』が出ると景品がもらえるというゲーミフィケーションです。

2000年から導入されたビッくらポン!は、くら寿司が独自に開発したもので、人気アニメとコラボするなど、今も高い人気を保ち続けています。
“ガチャを回す”感覚で、つい多くの皿を入れたくなってしまうという顧客心理を突いたこのサービスは、まさにゲーミフィケーションの成功例と言えるでしょう。

また、日本初のLCC(Low cost carrier)として知られる航空会社のPeachでは、1回5,000円でカプセル型のくじを引き、くじに書かれた行き先の往復航空券の購入に使えるピーチポイントがもらえる旅行商品『旅くじ』を2021年に発売しました。
くじを引くまで行き先がわからない代わりにお得に旅ができるため、用意された1カ月分のくじが3日で完売するなど、大きな話題となりました。

ほかにも、ゲーミフィケーションは衣料品店やレジャー施設など、業態を問わず多くの企業で導入されています。

ゲーミフィケーションによる集客のポイント

集客を目的としてゲーミフィケーションをマーケティング施策に組み込むのであれば、いくつか注意したいポイントがあります。

一つは、難易度と報酬の設定です。
たとえば、くじ引きによって当選額の異なるクーポンが手に入るという施策を行う場合、何円分のクーポンをどのくらいの配分で混ぜるかについて、綿密に検討しなければなりません。
高額のクーポンが少なければ顧客の「くじを引きたい」というモチベーションを下げてしまい、逆に高額クーポンが当たりやすくても店舗の利益にマイナスの影響を与えてしまいます。
ビッくらポン!は5皿でゲーム1回という設定にしたことで、「もう1回ゲームができるなら、あと1皿食べよう」という顧客側の欲求を促すことに成功しました。
もし、ゲームができる皿の枚数が10皿や20皿だったら、ここまで成功しなかったかもしれません。

また、可視化も重要な要素の一つです。
アプリやカードで貯めていくポイントなどは、アプリの画面やカードの印字を見ることでポイントがどのくらい貯まっているのかが一目でわかり、客側もポイントを貯める意欲が湧きます。
どうすれば高いポイントを獲得できるのか、貯めたらどうなるのかを明確にし、より積極的にポイントを上げられるように、お客のやる気を後押ししていくことが大切です。

そして、ほかのマーケティング施策と同様に、目的の設定も重要です。
新規顧客を増やしたいのか、売上を伸ばしたいのか、リピート率を上げたいのか、その目的によって、行うべきゲーミフィケーションは異なります。

ビジネスにおけるゲーミフィケーションは、生産性向上や顧客との関係性の強化、売上アップなどにつながります。
自社の目的や特性、取り入れられるサービスなどを洗い出し、客層に合わせたゲーミフィケーションを考えていきましょう。


※本記事の記載内容は、2023年8月現在の法令・情報等に基づいています。