税理士法人エム・アンド・アイ

配偶者の不倫相手が既婚者だった場合の取るべき方法とは?

19.10.30
ビジネス【法律豆知識】
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配偶者の不倫が判明した場合、とるべき方法としては離婚するか、夫婦としてやり直すかです。
また、夫婦としてやり直すことを選択したとしても、『ダブル不倫』の場合は不倫相手の配偶者から慰謝料を請求されてしまったときのことを考えなくてはなりません。 
今回は、ダブル不倫をされた妻側の視点で、どう対処すればよいのかをご紹介します。
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慰謝料請求をする場合の時効のルールとは?

『ダブル不倫』を知った妻をA子さん、その夫をB太さん、そして、B太さんの不倫相手をC美さん、その夫をD助さんとします。
まず、A子さんとしては、自分自身の気持ちの整理が必要です。
具体的には、配偶者であるB太さんの不貞発覚を受け、『配偶者と離婚するのか』を判断しなければなりません。
なぜなら、C美さんに慰謝料請求をするにせよ、B太さんに対するD助さんからの慰謝料請求に夫婦として対抗するにせよ、方向性を決める必要があるからです。

まず、『不倫相手に慰謝料請求をする』という判断は、いつまでにしなければいけないのでしょうか。
慰謝料請求をするのであれば、『不貞の発覚を時効の起算点とし、それから3年以内に請求しなければならない』という時効のルールがあります。
この『不貞が発覚してから』というのは、配偶者が自分以外の人物と肉体関係を持っていることがわかり、その人物の名前・住所等も判明することを指します。
たとえば、『妻が会社の上司と浮気しているが、その男の名前はわからない』という場合は、時効の起算点になりません。
つまり、配偶者の不貞行為がわかり、慰謝料請求できる程度に不倫相手の情報を知ってから時効期間のカウントが始まると考えるのです。
慰謝料請求の時効には、このようなルールがあることに注意しましょう。


慰謝料請求に“対抗”するには?

次に『ダブル不倫』が発覚しても、離婚せず夫婦として修復を目指すことを決意した場合はどうなるのでしょうか。
今後も夫婦として一緒に生活していくのなら、夫の不倫相手の配偶者からの慰謝料請求に対して、夫の金銭賠償額をなるべく抑えるべきです。
この場合、対抗することができるのは、先ほどの例のB太さんだけになります。
不貞行為は、婚姻相手以外の人物と肉体関係を持った当事者2人によって行うものと考えます。
つまり、不貞慰謝料は当事者2人(つまりB太さんとC美さん)が共同で負担すべきものなのです。
そこで、A子さん・B太さん夫婦としては、D助さんからB太さんに対する慰謝料請求を受け、B太さんがC美さんに求償請求をする、ということを考える必要があります。
求償請求とは、他人の債務を代わりに負担した人が、肩代わりした分をその債務者に請求することをいいます。

この例では、本来B太さんとC美さんが『共同して(≒半分ずつ)』負担すべき慰謝料を、全額B太さんが支払いました。
そのため、B太さんがC美さんに対し、本来C美さんも負担すべき半分を支払えと請求できるのです。
そうすることで、B太さんが負担する慰謝料額を事実上減らすことができます。
この求償請求は、あくまでもB太さんが行うかどうかを判断するものです。
したがって、A子さんとしてできることは特にありません。
しかし、夫婦としての負担を減らしたいのであれば、A子さんはB太さんに求償請求を行うように促すほうがよいでしょう。
さらに、その後の夫婦のしこりを少しでもなくせるよう、お互いに話し合いを行ったほうが堅実だといえます。


※本記事の記載内容は、2019年10月現在の法令・情報等に基づいています。