税理士法人エム・アンド・アイ

購入前の不安を解消! 『マッチングリスク意識』対策方法

19.05.07
ビジネス【マーケティング】
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誰でも初めて商品を購入するときは、「思ったようなものでなかったらどうしよう」「自分に合わなかったらどうしよう」などの不安を感じたことがあると思います。
このような心理現象のことを、マーケティング業界では『マッチングリスク意識』といいます。 
企業が商品を売る際には、顧客からこのマッチングリスク意識をどれだけ取り除くことができるかがポイントになってきます。 
今回は、マッチングリスク意識への対策方法を、具体例をまじえながらご紹介していきます。
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顧客が持つマッチングリスク意識 
  
洗剤やお米、トイレットペーパーなど、いつも購入している日用品には、マッチングリスク意識は発生しません。
なぜならば、いつも購入していて、顧客はその商品の詳細を知り尽くしているからです。 
マッチングリスク意識が発生するのは、初めての商品を購入するときです。 

たとえば、新しい洋服を購入する際に、「自分に似合わないデザインではないか」「洗濯をしたら、色落ちしてしまわないか」など、不安になります。
これは洋服に限らず、どんな商品でも初めて購入する際には付いてくる問題です。 

もちろん、商品の値段が高価になればなるほど、悩む時間や深度は変わってきます。
しかし、たとえ100円のお菓子であろうとも、何百万円、何千万円の車や家であろうとも、不安になるという心理状態は変わりません。 

これらの不安をうまく取り除いてあげることで、人は初めて商品を買ってくれます。 
マーケティングの世界では、このマッチングリスク意識を取り除くことが命題とされており、それができれば、商品の購入数を伸ばすことができるといわれています。 


返金保証や無料サンプルなどで不安を解消 

マッチングリスク意識を取り除く方法は、三つあります。 
一つ目は、『返金サービス』です。 
返金サービスとは、『購入する前の状態に戻す』と約束することで不安を取り除く方法です。 
たとえば、健康食品やダイエットグッズなどを扱うショッピングサイトなどでは、「30日以内に効果がなければ返金します」「2カ月以内に痩せられなければ返金することを保証します」など『返金サービス』や『返金保証』を謳うことも多く、それにより顧客に安心感を与えています。 

この返金サービスは、顧客のマッチングリスク意識を取り除くと同時に、自社製品に自信を持っているというイメージを与えることもできます。 

ちなみに、実際に返金を希望する顧客は、商品購入者のほんの数%だといわれています。 
ほとんどの人が手続きや商品の返送を面倒に感じるため、たとえ効果が出なかったとしても返金処理を求めないという傾向があります。 

二つ目は、『無料サンプル』『試供品』です。 
化粧品やシャンプーなどの無料サンプルや試供品はその名の通り、無料で試せる商品。
顧客に実際に使ってもらうことで、その商品の効果を知ってもらい、それによって不安を取り除くのです。 

たとえばパソコンソフトの『体験版』や、食品売場での『試食』なども、一種の無料サンプルといえるでしょう。 

車の『試乗』や家の『モデルハウス』なども、無料サンプルや試供品の一種に含まれます。
ただし、車や家といった高価な買い物では完全に不安を取り除くことは不可能です。
しかし、売り手は、実際に顧客が商品に触れる機会を設け、なんとかこのマッチングリスク意識を軽減しようと努力しています。 

三つ目は、『第三者による商品のレビューや体験談』です。
「実際の利用者がこう言っているんだから」というアプローチで、購入を迷っている人の不安を取り除くのです。 
テレビの通販番組などはこの手法を多用して、マッチングリスク意識を消し去ろうとしています。 
また、ショッピングサイトなどで商品レビューを掲載するのも、第三者の声で安心させたいからです。 

このように、さまざまな方法で顧客のマッチングリスク意識を取り除くことで、初めて商品を購入してもらうことができます。 
逆にいってしまえば、このマッチングリスク意識があるままだと、なかなか顧客は商品を購入してくれません。 

自社で扱っている商品に合わせて、顧客の不安な心理を解消し、安心感を与える方法を考えてみてはいかがでしょうか。 


※本記事の記載内容は、2019年5月現在の法令・情報等に基づいています。