税理士法人エム・アンド・アイ

美容医療の一部が、クーリング・オフの対象に!

17.12.27
ビジネス【企業法務】
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国民生活センターには、2013年以降、毎年2,000件以上の美容医療サービスに関する相談が寄せられています。
このような背景から、2017年12月1日より、一部の美容医療がクーリング・オフの対象となりました。

では、どのような美容医療が対象となるのでしょうか? 
具体的にみていきましょう。
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クーリング・オフが適用される 美容医療とは? 

“クーリング・オフ”とは消費者を対象に『一定の契約について一定期間内であれば、契約を締結した後でも契約を解除できる』という制度で、特定商取引法などの複数の法律で定められています。 

近年、美容医療のトラブルが多発していたことを受け、2017年12月1日から『特定商取引に関する法律の一部を改正する法律』(平成28年法律第60号)が施行され、新たに美容医療の一部がクーリング・オフの対象となりました。 

具体的には、以下の5種類の美容医療契約のうち、期間が1ヵ月を超え、かつ金額が5万円を超えるものが、クーリング・オフの対象となります(2017年12月1日以降に契約したもの)。 

【対象となる美容医療】 
①脱毛(光の照射、または針を通じて電気を流す方法) 
②にきび、しみ、そばかす、ほくろ、入れ墨その他の皮膚に付着しているものの除去または皮膚の活性化(光もしくは音波の照射、薬剤の使用、機器を用いた刺激による方法) 
③皮膚のしわ、たるみの症状の軽減(薬剤の使用または糸の挿入による方法) 
④脂肪の減少(光もしくは音波の照射、薬剤の使用、機器を用いた刺激による方法) 
⑤歯牙の漂白(歯牙の漂白剤の塗布による方法) 

また、上記の美容医療を受けるために購入しなければならない商品についても、それが『健康食品、化粧品、マウスピース(歯牙の漂白のために用いるもの)、歯牙の漂白剤、美容目的の医薬品および医薬部外品』などであれば、クーリング・オフが可能です。 


特定商取引法によるその他の規制内容とは? 

特定商取引法による美容医療の規制内容は、クーリング・オフだけではありません。 
まず、美容医療を提供するクリニックは、契約内容を説明する際に“概要書面”という書面を、契約を締結する際には“契約書面”という書面を、それぞれ患者に交付しなければなりません。 

概要書面、契約書面に記載しなければならない事項は、法律で詳細に定められています。 
例えば、契約書面におけるクーリング・オフに関する事項については、赤枠かつ赤字で記載する必要があるとされています。 

また、クーリング・オフの行使期間は、契約書面を受領した日から8日間とされていますが、この期間を経過しても、まだ治療を受けていない部分については、契約を中途解約することができます。 

クーリング・オフの場合は、クリニックから患者へ違約金を請求することはできませんが、中途解約の場合は、法律に定められた上限内であれば違約金を請求することができます。 


今回は美容医療についてお伝えしました。
今回の内容や、一般的な書面記載内容、クーリング・オフ、中途解約についてご不安がある場合は、ぜひ一度ご相談ください。