税理士法人エム・アンド・アイ

マーケティングの成果につながる“効果的なセグメンテーション”

18.11.29
ビジネス【マーケティング】
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企業のマーケティング担当者が、考え方の基本としているのが“STP分析”です。
このSTP分析とは、セグメンテーション(市場細分化)、ターゲティング(標的市場の決定)、ポジショニング(自社の立ち位置の明確化)の3つからなる分析方法で、市場で優位に戦う方法を探し出すうえで欠かせないものです。
今回は、“STP分析”のうち、“セグメンテーション”を学びます。
的確なセグメンテーションで、マーケティングの効果を最大化しましょう。
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セグメンテーションのコンセプトを明確に

“セグメンテーション”は “細分化”を意味し、STP分析では、自社の商品やサービスにマッチする標的顧客層を決めるため、顧客を細かく分類することを言います。
分類の切り口には、主に以下の4つがあります。
これらを効果的に組み合わせながら、市場を細分化していきます。

(1)地理的変数(ジオグラフィック)
住んでいる国、地域、市町村などに基づいて分類します。

(2)人口統計分布(デモグラフィック)
年齢、性別、家族構成、社会的な地位などに基づいて分類します。

(3)心理的変数(サイコグラフィック)
性格、好み、価値観、ライフスタイルなどに基づいて分類します。

(4)行動変数(ビヘイビアル)
購買履歴、動向、行動パターンなどに基づいて分類します。

ここで気をつけたいのが、より多くのセグメントにマッチする商品やサービスが、開発・販売できればよいというわけではないということです。
広範囲に対応していくことは、商品やサービスの個性が失われ、平均化につながります。
顧客のニーズが多様化する今、従来の年齢や性別といった大きな枠組みでは、成果につながりません。
そこで重要となるのが、セグメントをより細かく分類することです。


過剰な細分化は顧客像がぼやける

たとえば、『軽くて長時間使用できるノートパソコン』という商品があったとします。
では、その商品を便利に思い、購買意欲をかき立てられるのは、主にどんな人たちでしょうか。
当然、“パソコンをよく使う人”です。
ここで、細分化の網の目を細かくしてみます。
すると、こういった要素が浮かび上がってきます。

・自宅ではなく外でパソコンを使用する
・日常的にパソコンを使う環境にある
・パソコンを持ち運ぶことが多い  など

さらに、これらの要素に当てはまる年齢、性別、職種として、以下のような顧客像も明確になってきます。

・若い外回りの営業マン
・女性のノマドワーカー
・イラストレーターなどのクリエイティブな職業の人 など

こういった人々に訴求するようなマーケティングを展開することで、成果が得られやすくなります。

ただし、細分化すればするほどよいわけではありません。
たとえば、先述のパソコンに購買意欲をかきたてられる人を細分化し、“外回りが多い30代の女性イラストレーター”と設定すると、顧客像が限定されすぎてしまい、さまざまな人に訴求できなくなります。
過剰な細分化には注意し、マーケティング活動の用途と目的に応じた的確なセグメンテーションを使い分けていくことが大切です。
自社の商品やサービスの魅力をストレートに訴求できる顧客層を的確に絞り込み、より効果の高いマーケティングにつなげていきましょう。