税理士法人 ANSIA

オンライン化は当たり前? アフターコロナ時代の採用活動ガイド

21.01.26
ビジネス【人的資源】
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新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)は、採用の現場にも大きな影響を与えました。
ほとんどの企業では現在、対面や実地で行われる会社説明会やインターンシップ、面接などは全て中止となり、Web会議ツールなどを使用し、オンラインで行われている状況です。
そして、現状ではいまだ新型コロナが収束しそうにないことから、この流れはますます進んでいくと考えられています。
そこで、採用活動のオンライン化を進めるうえでの注意点や、押さえておきたいポイントなどを説明します。
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人材不足解消にも繋がるオンライン化のメリット
 
新型コロナの感染拡大を防止する観点から、ハローワークでは採用活動に伴う会社説明会や面接などをオンライン化するように呼びかけています。

大勢の人が集まる会社説明会や、個室で行われる面接などは、密閉・密集・密接からなる、いわゆる“三密”の起きやすいシチュエーションですから、企業側と求職者側の双方が安心して採用活動に臨むためにも、できるだけ避けるのがベストです。
このコロナ禍で、求職者を直接自社に呼び出して個室で面接を行っている企業は、採用活動方針について求職者から疑問を持たれることもあるかもしれません。
採用活動のオンライン化をアピールすれば、より多くの求職者が安心して応募できるようになるでしょう。

また、採用活動のオンライン化には、新型コロナの感染リスクを大幅に減らすほかにも、さまざまなメリットがあります。

たとえば、面接場所を確保しなくて済むことや、お互いの日程調整や案内などを効率化できることがあげられます。
従来であれば、来社日時を設定し、場所を伝えるなど、細かい案内をしなければいけませんでしたが、オンラインであれば、面接の担当者と求職者の都合を合わせるのも比較的容易です。
求職者にとっても、移動時間や交通費を削減できるというメリットがあります。

さらに、オンライン化によって企業と求職者の物理的な距離が関係なくなり、遠方の求職者とも面接が行えるようになりました。
求職者が全国どこにいても面接が行えるため、人材を確保するチャンスが広がったといえるのではないでしょうか。

一方で、まだオンライン化に対応できていない地方の中小企業も多く、生まれ育った街での就職、Uターンを考えている学生や、出身地以外での就職、いわゆるIターンを考えている学生などからは、Web面接などの採用活動の実施状況を把握できないという声も出てきています。

人材確保に力を入れたい企業においては、採用活動のオンライン化こそが、長年続く人材不足を解消するための、きっかけになりうるかもしれません。


オンライン化の注意点と企業側の心構え

オンラインでの会社説明会や面接などは、たとえばコロナ禍で使用機会が増えたZoomやWhereby、Google MeetなどのWeb会議ツールを使って行います。
無料版と有料版があるツールがほとんどで、有料版には人数や時間の制約を受けないといったメリットがあり、Zoomであれば月額2,000円程度と安価に利用できます。
求職者側も、パソコンはもちろん、タブレットやスマートフォンなどでも対応できるため、それほど高い障壁にはならないでしょう。

もちろん、採用活動のオンライン化はメリットだけではありません。
求職者が来社しないため、リアルな職場の雰囲気を伝えづらいうえに、企業側も画面越しで求職者と接するため、本人の印象や雰囲気、人間性が掴みづらいというデメリットもあります。

また、新卒採用の現場であれば、優秀な学生が、距離というハードルに悩まされることなくさまざまな企業を受けられるようになるため、一部の優秀な学生に今よりもさらに内定が集中してしまう事態も懸念されています。
さらに、地方の企業においては、遠方の求職者がわざわざ高い交通費を払って面接を受けに来るかどうかが、ある種の『本気度』を測るバロメーターになっていました。
オンラインでの面接では、この『本気度』を測るのも難しくなってきています。

以上のことを踏まえると、採用活動のオンライン化は内定辞退が発生しやすく、企業側の“人を見る目”が以前にも増して重要になっていくといえます。

オンライン化はメリット・デメリットがありますが、今後も採用活動における選択肢の一つとなっていくことはほぼ間違いないでしょう。
特に人材採用に注力したい企業にとっては、いかに迅速にオンライン化の体制を整えるのかが、今後の採用活動の明暗を分ける鍵だといわれています。
現状、オフラインで採用活動を行っている企業は、いまこそ、オンライン化を検討してみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2021年1月現在の法令・情報等に基づいています。