NA税理士法人 日本橋茅場町事務所

経験格差

25.09.18
細谷NEWS

  先日CHATGPTをやってみてから3か月以上が経ってしまったけれど、その後は
全く遊んでいない。
その一方で、毎日送られてくるメールは「AI」の話題ばかり。・・・ただ、
少しずつその扱い方や切り口に変化が出ているように感じられる。

今までは、ともかく
   AIを活用して仕事に役立てましょう!
   AIを使いこなすことによって短時間で仕事の効率も質も上がる。
ということが前提で、
   IT系に強い若手の活動の幅や質が格段に上がっていく
   逆に、ベテラン組は、使いこなすことが出来なくて苦戦している・・・
といった図式が大方だったが、

先日ある会社のブログに(㈱SERENDEC 2025.7.2)
***** 【経験格差: 若者に訪れた「経験値の空洞」そしてベテランに訪れた
   「逆転のチャンス」】という記事が載っていた。

 
 一番目につくのは、「経験格差」というキーワードである。
AIによって「若い世代の経験を積む機会が奪われてきている」という静かな
危機が訪れてきているとか・・・・
かつて新人や若手に任されていた「地道な業務」・・「下積み」は見えない形で
多くの判断力・直感・文脈理解をはぐくんできました。
これらはAIが代替可能になり、成長機会の喪失をもたらしているというわけ
です。
そのプロセスをすっ飛ばしてしまうと、逆にAIに使われる危険も孕んでいます
と記事は続き、・・・若手側には、様々な新しい経験(疑似体験)の積み方を
提示し、ベテラン側には知見を若手に伝え、組織全体の経験値を高めるよう
提案しています。
そして最後に―AIがどこまで進化しても「問い」を立て、「意味」を与える
のは、あなた自身です。
経験値が乏しいと感じる若者も、時代の変化に戸惑うベテランも、それぞれの
立場から”問いの力”を磨くことがAI時代には必要になると思います。
あなたの人生経験すべてが、AI時代における「差別化要素」になってきます
からね。**** 

という言葉で締められている


 この話題を聞いて、正直今更?と思ってしまう。
昔の話をすると・・・いつの時代の話しをしているのかと、ウンザリされる
のだけれど、私がこの世界に入った頃は会計ソフトもほとんど発達しておらず
帳面も申告書も手書きがほとんどを占めていて、一か所間違えると消しゴムや
修正液を片手にコツコツ修正を行い・・・眞に帳面を完成させること、申告書を
作り上げることで一仕事も二仕事も終わったものです。
そして、その繰り返しをすることで、法人税等の申告書の仕組みを覚えていき
ました。
 今は様々なソフトが発達し、本当に楽になりました。
単純な申告書では、仕組みを知らなくても「ここにこの数字」という提示だけ
で簡単に申告書が出来上がります。・・・そして新人は「一人前になった!!」
と錯覚し、この一冊の決算申告書にどのような情報が詰まっているか深く見よ
うとしません。

 若者の経験値が少ないというけれど、今の若者は2倍速・3倍速の世界に
生きているようで、そのまま経験も2倍3倍しているのかと思うが、そうでも
なさそう?
時々思うのは、彼らは「何故?」「どうして?」「何?」といった疑問をあまり
持たないということ。
経験値を得るために疑似体験のプログラムを組まなければならないほど今の
若者は「経験」ができないのだろうか?

 元気な体を動かさないで座ったまま
「アレクサ 電気つけて!」 などと言っているようじゃね!!

こんな皮肉を言うと「使いこなせもしないのに・・・」と集中砲火を浴びる
かもしれない。