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【開催報告】地方都市で35名規模まで拡大成長!いま司法書士が取り組むべき、葬儀社開拓セミナー

24.12.05
04_開催報告
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11月6日の第6回目となる司法書士Web勉強会では、
葬儀社提携についてご講演いただきました。

「葬儀社と提携したい!」そう考える司法書士の先生は非常に多く、
実際に提携手法を聞かれることも多いです。

しかし、葬儀社との提携において苦戦している先生方も少なくありません。 そのような中で提携難易度の高い葬儀社との提携で、年間5,000万円の売上を達成している
司法書士法人あおばの杜 高橋 英之にご登壇いただき、どのように開拓をしていったのかお話しいただきました!

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講師情報


司法書士法人あおばの杜 高橋 英之氏

福島県須賀川市(すかがわし)出身。
2005年、司法書士試験合格後、大手司法書士法人に勤務。
2012年、東日本大震災をきっかけに原点回帰し仙台市で創業。

現在、司法書士1名、行政書士1名、土地家屋調査士1名、宅建士2名、スタッフ23名のグループ総勢35名の組織を運営。

大手不動産会社やハウスメーカー、金融機関との連携によるB to Bマーケット開拓を
得意とし、「高齢者とそのご家族が安心して暮らしていける社会作りへの貢献」を
経営理念に掲げ、東北地方では民事信託マーケットにいち早く参入し、屈指の実績を持つ。

あおばの杜グループの変遷

【2004~2011年 キラキラ系 勤務時代】

高橋先生は東京の大手司法書士法人で銀行業務中心の登記業務を経験しました。
若さゆえの苦労を乗り越えつつ、同法人で第一号店となる仙台支店の立ち上げメンバーに抜擢され、債務整理や過払い金業務に従事されました。

しかし、債務整理や過払い金業務に携わる中で、「弁護士が上で司法書士が下」というような弁護士法の壁を感じざるを得ない状況に直面しました。それをきっかけに、司法書士としての理想像を改めて見直す転機となりました。

そして、2011年に東日本大震災をきっかけに独立を決意され、今後自分はどのような司法書士を目指していくかを考えたときに債務整理は捨てようときっぱり決めたとおっしゃっておりました。



上記図の第1象限(紛争処理)がまさに弁護士業務の範囲です。
我々司法書士が生きていける道は第2象限(予防法務)の領域で、弁護士との優劣関係がなく、
司法書士がイキイキと生きていける領域なのではないかと思い、登記業務や相続業務で突き抜けようと決意したとおっしゃっておりました。

※第1象限:緊急かつ重要なこと
※第2象限:緊急ではないけど、重要なこと


 

【2012~2019年 オラオラ系 創業期】

独立後は相続業務を中心としながら不動産業者への営業に注力され、
法人化や事業部制の導入、人事評価制度を整備し、事務所の基盤を構築されました。
一方で「売上重視」の体制が社員の負担増につながり、組織体制の見直しが進められました。

▼実際に高橋先生が創業期フェーズで行った主なこと

2012年 創業 相続専門サイトの立ち上げ
セミナー集客
不動産会社開拓
2016年 法人化 信託専門サイト立ち上げ
取引先スタッフ向け勉強会営業
HM・大手仲介会社開拓
2019年 事業部制導入 事業部制導入(登記・相続・経営管理)
人事評価制度導入
採用専門サイト立ち上げ

 
 

【2020~2023年 我慢の浸透期】

2020年頃には、支店の設置や新規事業展開に挑戦しつつ、社員のやりがいと顧客満足の両立を模索されました。
また仙台市内で3拠点の支店を設けて、狭い範囲でいかにシェアを上げていくかという取り組み(=ローカルマーケティング)も開始しました。

売上だけでなく、社員のやりがいやお客様に本当に貢献できることは何かを考え抜いた、売り上げを抑えてでも達成しなければいけない使命を追求した我慢の時期だとおっしゃっておりました。

 

【2023~2024年 悲劇と立て直し】

相続事業部内でのマネジメント機能の崩壊や社員の疲弊、社内の空気が重く本音が引き出せない状態が続き、その結果、相続事業部メンバー10名中半数の5名が退職する事態を招きました。

こうした厳しい状況の中、新たに相続事業部のリーダーとなる社員が「立て直しに尽力したい」と申し出られ、その決意を受けて、高橋先生は原理原則に基づく事務所経営の再構築に踏み出されました。

その過程で「何にリソースを集中させるべきか」を見極めた結果、紹介チャネルの強化に注力する方針が打ち出され、特に葬儀社との連携を軸にした「葬儀社開拓」という取り組みへと繋がっていきます。

紹介チャネルで案件を増やすためのポイント3選

高橋先生が葬儀社開拓を成功させた背景には、独自の工夫や努力が隠されていました。
セミナーの中で、高橋先生は葬儀社に限らず紹介チャネルで案件を増やすために重要なポイントとして、以下の3つを挙げていました。

 

(1)4つの自信を持ち合わせているか

1,会社に対する自信 事務所のメンバー・上司・経営者に対する尊敬
社会的に価値ある仕事内容か
2,職業に対する自信 自分が選んだ職業・分野で一流になる覚悟があるか
3,商品に対する自信 自社の商品・サービス・スキルに対する自信
4,自分に対する自信 自分の存在価値を証明できる舞台として
仕事で成功体験を積み上げることが近道
 

 

(2)顧客の現状と課題を把握できているか

あおばの杜グループでは、商談や社内面談においてコーチングスキルを活用されています。
外部コーチを招いた社内研修を通じて、管理職のメンバーがそのスキルを習得し、部下との面談や営業現場、顧客対応に活かしているそうです。

特に以下のようなポイントを意識し、課題解決や成長に向けた対話を深めているとおっしゃっておりました。

 ・部下や顧客が掲げる目標の明確化
 ・目標に対する現状の把握
 ・目標と現状のギャップの特定
 ・ギャップを埋めるための具体的な行動計画の策定


 

(3)「100%for you!」な関わりができるか

大切なのは、「仕事をください」と営業するのではなく、相手にとって
本当にメリットとなる関わり方を追求することだとおっしゃっていました。

セミナーでは「セルフカウンセリング」という手法も紹介されました。

○○さんが本当に求めているものは何か?
取引先の社長や担当者の名前を当てはめ、自ら考える方法です。
それでも答えが見つからない場合は、思い切って直接尋ねることもあるそうです。

最初は驚かれることもあるそうですが、関係を深める中で相手の本当の願望を引き出し、共有してもらえるようになる、そのプロセスを通じて、より信頼される関係を築いていくことを大切にしているそうです。
 

あおばの杜グループ高橋先生が実際に行った取り組み5選

最後に高橋先生がこれまで行ってきた葬儀社提携における取り組みを5つご紹介いたします。

 

(1)終活セミナーの共催

●主催者のメリット
 ・見込み客の開拓
 ・自社開催だとどうしても営業色が出てしまうため、士業を講師に招くことで集客しやすくなる

●セミナー共催のポイント
 ・他社主催に呼んでもらう
 ・初めのうちは手弁当で引き受ける
  ※まずは経験を積むことが重要。講師料等は実績を出してから
 ・印刷や機材準備は先方へ依頼する
 ・信託で差別化
  ※葬儀社を開拓する場合は必ず競合がいる前提でアプローチを行う
  ※高橋先生は信託という武器を活かした提案を実施

 

(2)出張無料相談

●出張相談のメリット
 ・故人やご家族の「人となり」を把握しやすい
 ・満足度が上がりやすい
 ・成約率、単価が上げやすい

●出張相談のポイント
 ・部屋に飾ってある写真やトロフィー、植物など隈なくチェックする
  ※お客様の趣味を知れるため、そこからコミュニケーションを取る
 ・対応可能なエリアを明確に決めておく
 ・継続相談など有料対応に切り替わるタイミングを決めておく
  ※エリアやキャッシュポイントなどのルールを予め決めておくことが先生自身や職員様が疲弊しないための重要なポイント

 

(3)社内勉強会・営業ツールの提供

●社内勉強会のメリット
 ・現場スタッフとの距離を一気に縮められる
 ・現場からの実案件数を増やすことができる

●社内勉強会のポイント
 ・葬儀後のアフターサービスを担当しているメンバーを集めてもらう
  ※葬儀社は葬儀が終わった後のアフターサービスを担当している部署のようなところがあるため、その部署へ社内勉強会などの提案を行う
 ・ロープレにより実際の面談シーンを見てもらう
 ・単なる知識の伝達ではなく、お客様に伝えてほしことを伝えるとともに、行動要請に繋げる

 

(4)共同商品の開発

例1 プレミアム葬儀
【葬儀】【仏具】+【相続手続】【相続税申告】
葬儀社側の商品と士業側のサービスを一緒に販売してもらう取り組みです。

●例2 相続物件買取サービス
【相続登記】【測量】+【相続物件買取】【遺品整理】
葬儀業界の最新トレンドとして、葬儀会社が不動産事業を始める動きが全国的に活発にみられます。そこで葬儀後のアフターサービスとして、空き家になったお宅をその不動産部門が買い取るといったサービスの一環で、遺品整理、相続登記、測量などもセットで提案するという仕掛けも今後行う方針だとおっしゃっておりました。

●例3 帰省期間まるごとサポートサービス
【葬儀】【仏具】+【相続手続】【相続税申告】
また遠方にお住いのご家族が帰省された期間に、「葬儀から相続手続きまで一括で対応しましょう」というご提案もされています。仕事で忙しくなかなか地元へ帰省できないお客様から好評だとおっしゃっておりました。

 

(5)連携業者のマッチング

葬儀社が不動産事業を始めようとしている中で、必要な連携業者が複数存在します。
その業者である買取業者、不動産会社、土地家屋調査士、会計事務所などとのマッチングをすべて行っているとおっしゃっておりました。

自分達がいないと不動産事業が成り立たないような事業を作ってしまうことで、下請けになることがなくなることが最大のメリットだとおっしゃっておりました。

最後に

今回のセミナーでは、高橋先生のこれまでの軌跡や実体験に基づく具体的な取り組み、成功・失敗事例をお話しいただきました。
先生の熱意と経験に裏打ちされたお話は、参加者の皆様にとっても非常に刺激的で満足度の高いセミナーとなりました。

中でも「100%for you!な関わり方」や「コーチングスキルを活用した顧客との対話」は、
多くの先生方がすぐにでも実践できるポイントです。

これから葬儀社提携を目指す先生方にとって、今回のセミナーがその第一歩となり、
それぞれの現場での実践に活かされることを願っています。

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