税理士法人Ambitious

マーケティングの成果を変える! 『カスタマージャーニーマップ』とは?

19.02.08
ビジネス【マーケティング】
dummy
顧客の思考や行動を理解することは、マーケティングの基本です。
そのための手法として近年活用されているものに『カスタマージャーニーマップ』があります。
『カスタマージャーニー』とは、顧客が商品を知ってから購入するまでのプロセスのこと。
商品に興味を持ち、情報を集め、検討し、実際に購入するまでの一連の流れをいいます。
そして、これを時系列で図式化したものが『カスタマージャーニーマップ』です。
今回は、カスタマージャーニーマップを作成するメリットとともに、具体的な作成・活用方法をご紹介します。
dummy
『カスタマージャーニーマップ』のメリット

リアル店舗やマスメディアによるプロモーションだけでなく、SNSやスマホアプリなどのデジタルツールが購買行動に大きく影響する現代において、顧客の思考や行動を把握することは簡単なことではありません。
そこで活用したいのが、『カスタマージャーニーマップ』とよばれる、顧客が商品を知ってから購買に至るまでの思考や行動を時系列で図式化し、全体を俯瞰で把握できるようにしたものです。

カスタマージャーニーマップを作ることには、次のようなメリットがあります。

・顧客の思考や行動を時系列で具体的に考えることで、顧客の視点に立つことができる
・顧客への理解が深まることで、各コンテンツの目的をより明確にすることができたり、顧客に対するより効果的なアプローチ法を見出すことができる
・各部署の担当者の認識を統一し、最適なマーケティングにつなげることができる


マップを作成する具体的な手順

(1)ペルソナを設定する
では、カスタマージャーニーマップをつくるためには、まず何が必要でしょうか。
それは、『ペルソナ(自社商品やサービスを購入してくれそうなモデルユーザー)』を設定することです。
マップ化するために、ペルソナの年代や性別、仕事、興味・関心のあることなどをあげ、具体的な人物像を設定します。
このときターゲットが複数ある場合は、それぞれ別のペルソナを想定しましょう。
属性やライフステージが違えば、各フェーズでの思考や行動、感情は当然変わってくるからです。

(2)ペルソナの行動をフェーズで分類する
次に、設定したペルソナが商品やサービスを知り、購入するまでのプロセスをフェーズで分類します。
たとえば、「商品を知る」「情報収集する」「比較検討する」「購入する」「リピートする」といったフェーズが考えられるでしょう。
これを横軸とします。
そして、各フェーズにおけるペルソナの「行動」「思考」「感情」などについて仮説を立てていきます。
これを縦軸とし、整理していきます。

たとえば、ある女性が今まで持っていたものより高価なバッグを購入する場合を考えてみましょう。
雑誌でバッグの存在を知り、気になってWeb検索をしてサイトで画像や情報を調べます。
ほかにもいいバッグはないか探してみるも、やはり雑誌で見たバッグが一番だと感じます。
そこで実店舗に足を運び実物も見てみますが、「やっぱり高いので、今は買わないでおこう」とあきらめます。
しかし、その後、気になっていたバッグを持っているモデルのSNSの投稿を見て、やはり欲しくなり、思い切って購入します。

これを横軸と縦軸に当てはめ、整理していくことでマップを作成していきます。

(3)企業からの働きかけを考えていく
さらに、各フェーズにおける顧客へのアプローチ法も考えていきます。
(2)からもわかるように、顧客が各フェーズで行う思考や行動は、リアルとデジタルを行ったり来たりします。
このことから、それぞれのフェーズで次のようなアプローチが考えられます。

・商品認知のため広告バナーを出す
・実店舗で働きかけを行う
・検討中の顧客向けにSNSでプロモーションを行う

大切なのは、顧客がいる各フェーズを、点ではなく時間に沿った線としてとらえることです。
そうすると、次のフェーズに進むための効果的なアプローチ方法が見つかりやすくなります。


ブラッシュアップを重ねて充実させていく

カスタマージャーニーマップは、最初はシンプルにつくることが大切です。
できることから整理し、可視化していきましょう。
そして、顧客自身からの情報や、顧客と接点がある担当者の情報をどんどん反映していき、効果を検証しながら定期的にブラッシュアップを繰り返しましょう。
マップ化を一度で終わらせないことが大切です。


これまで購入を断念させてしまっていた商品でも、カスタマージャーニーマップを作成することで、見込み客への効果的なアプローチ方法が見えてくるかもしれません。
カスタマージャーニーマップによって部署を越えた全社員の認識を統一し、マーケティングに活かしていけるようにしましょう。