石田勝也税理士事務所

「日本でも本場(イタリア)のようなカスタマイズの楽しさを」。その思いが見事に結実

16.03.04
業種別【飲食業】
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ショーケースに並べた鮮魚から、お客に好きなものを好きな調理法でオーダーしてもらう魚貝専門イタリアン『ボガマリ・クチーナ・マリナーラ』。

30坪・44席で月商1200万円超という繁盛ぶりをみせている。
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■このお店が繁盛している理由!

1.魚貝を選び、調理法をリクエスト。この本場スタイルを貫き、浸透させた 

2.「肉類は一切なし」の潔さで専門性を高め、イタリアン激戦区で差別化

各地より直送の朝獲れ魚貝が並ぶショーケース。その中から好みの素材を選び、調理法を指定してカスタム感覚で料理を楽しむ――そんな自由なスタイルで人気を掴み、月平均2500人を集客。30坪・44席で月商1200万円を売る超繁盛店が、魚貝専門トラットリア『ボガマリ・クチーナ・マリナーラ』だ。 

同店は六本木のトラットリア『イル・フィーゴ・インゴルド』の姉妹店で、2013年11月にオープン。まるで現地さながらのムード溢れる木造の店舗で、内部は躯体の関係上4つの部屋に区切られている。

そんなただでさえ客席全てを見渡すことが難しい構造に加え、オペレーションの複雑なプレゼンテーションスタイルを貫いた理由を、店長の布上智範氏はこう説明する。 

「以前シチリアを訪れた際に、市場直結型のトラットリアを目の当たりにしてとても感銘を受けました。ヨーロッパでは、レストランでも決められたメニューだけではなく、食べたいものを食べたいようにリクエストする人が多い。日本でも、ぜひお客様に自分で料理をカスタマイズする楽しみを味わっていただきたかったのです」 

毎日様変わりするディスプレイは、貝類だけでもムール貝、磯ツブ貝、すだれ貝、マテ貝、白貝と多種多様。 

お客の嗜好に合わせ、ワイン蒸しや炭焼き、グラタンなど様々な調理方法を提案する。

「例えば“カキフライ”など、若干イタリアンからかけ離れたメニューをリクエストいただくこともありますが、なるべくお受けするようにしています」(布上氏)と、柔軟な対応も人気の秘訣だ。 

同店では、前菜の定番である生ハムにもマグロを使用。肉類はブロードに至るまで一切使用しない徹底ぶりだ。その潔さは、新宿から渋谷エリアまで広がるイタリアン激戦区内において、かえって他店との差別化を実現。

開店から約2年を迎えたが、予想を上回る好反応を受けて、今後より規模を拡大した同業態での新規出店も計画しているという。


繁盛飲食店のヒット商法最前線 


【記事提供元】
近代食堂2016年3月号(旭屋出版)