石田勝也税理士事務所

よい関係を築けていますか?MRとの付き合い方を考える

23.02.27
業種別【医業】
dummy
医薬品情報の専門家として医師や薬剤師に情報提供を行う『MR(医療情報担当者)』。
MRはクリニック経営に欠かせない存在であり、その付き合い方を意識してよい関係性を構築することは、さまざまなメリットがもたらされます。
今回は、MRと医師が良好な関係を築くためのポイントについて解説します。
dummy
MRの存在から得られるメリット

MR(Medical Representatives/医療情報担当者)の役割は、医師や薬剤師などの医療従事者に、自社医薬品の適正使用を推進することです。
MRは、医師や薬剤師に対し、医薬品や医療に関するさまざまな情報を提供します。
クリニックがMRとの付き合い方を意識し、互いに良好な関係を築くことで、具体的には以下のようなメリットを得られます。

●ほかの医療機関との連携を強化できる
MRは複数の医療機関や医師とのつながりを持っているため、患者を他院に紹介するときなど、ほかの医療機関の情報が必要になる場面において、基幹病院とクリニック、またはクリニック同士をつなぐ架け橋となってくれる可能性が高いといえます。

●新たな学びの機会を得られる
MRが開催する講演会やセミナーに参加し、新たな学びの機会を得ることができます。講演する専門医はもちろん、参加する医師とつながりを持つきっかけにもなるでしょう。

●医療に関する多様な情報を提供してもらえる
自社医薬品にとどまらず、MRが持っている医療の情報は多岐に渡ります。
MRとの関係性を強化しておくことで、医療業界の動向や医薬品・医療機器の情報など、MRが持つ多様かつ最新の情報を手に入れやすくなります。

MRも医師も、業務を遂行するためだけではなく、「患者のために」動こうとしている点では同じです。
それを理解したうえで、正しくスピーディーな情報を得られるような関係性を築いていくことが理想的といえるでしょう。


コロナ禍でMRの活動方法もオンライン化

新型コロナウイルス感染症の影響により、MRの活動スタイルにも変化が見られています。
これまでは直接医療機関に出向いて医師や薬剤師に情報提供を行う訪問活動が一般的でしたが、近年はデジタルツールを導入・活用し、非接触で対応できるオンライン上での活動に切り替わったという企業も増えてきました。

コロナ禍はデジタルシフトが急速に進むきっかけとなったものの、MRの数は年々減少傾向にあり、オンラインによる効率的な活動へシフトする動きは業界として必要な段階にきていたとも考えられます。
最近はリモートで活動する専任MRを置く企業も増えており、医療機関に訪問するMRとWebや電話のみで活動するMRと分けて業務を行っているケースも多いようです。

一方で、オンラインによる活動が浸透してきたことで、MRからの面会依頼を断りやすくなったという医師の声も聞かれます。
これまでの訪問活動によるアプローチでは断りきれずに面会に応じていた医師も、顔を合わせないメールによる面会依頼であれば断りやすいため、活動形式がオンライン化したことでMRとの接点が減ったというケースもあるようです。

しかし、その立場ならではの人脈や情報を持つMRは、クリニック経営の助けとなる存在といえます。
多忙な医師にとっては、リモート面談やWeb講演会で情報を得るほうが便利な場合もあります。
量が増えがちな製品資料などを画面上で素早く共有できるほか、登録されたデータベースのなかから24時間いつでも製品情報を検索できるシステムなど、有用なツールを共有できることもあります。
新しいソフトやツールをうまく活用して、上手にコミュニケーションをとるようにしましょう。

クリニックはMRとよい関係性を維持することで、クリニックの発展や反省に活かしていくことが可能です。
一社に偏らず、複数の製薬会社のMRとの関係を築き、よき情報提供者、相談相手としての付き合い方を考えてみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2023年3月現在の法令・情報等に基づいています。