石田勝也税理士事務所

計画的・継続的に人材育成を行う事業主に対する助成金

23.01.10
ビジネス【助成金】
dummy
企業の成長には、事業を支える従業員の能力向上が欠かせません。
将来に渡って活躍する人材を育てるには、計画的・継続的な教育が大切です。
『人材開発支援助成金』は、職業能力開発計画を立て、その計画に沿って従業員に職業訓練を実施する事業主などを支援します。
今回はそのなかでも、労働生産性の向上を目指して、職業能力開発センターなどの教育機関の活用を支援する『特定訓練コース』について紹介します。
dummy
人材開発支援助成金(特定訓練コース)

『特定訓練コース』は、若年者に対する訓練、労働生産性の向上に資する訓練など、効果が高い10時間以上の特定の訓練や、OJTとOFF-JT(業務と切り離して座学などで行う訓練)とを効果的に組み合わせた訓練として認定を受けた場合に助成されます。
特定訓練コースで助成される訓練は、以下の6種類があります。

(1) 労働生産性向上訓練
労働生産性の向上に資する訓練を実施した場合
(2) 若年人材育成訓練
雇用契約締結後5年を経過していない労働者で、かつ35歳未満の若年者に対して訓練を実施した場合
(3) 熟練技能育成・承継訓練
熟練技能者の指導力強化や技能承継のための訓練、認定職業訓練を受講した場合
(4) 認定実習併用職業訓練
事前に厚生労働大臣の認定を受けた認定実習併用職業訓練(認定実習併用職業訓練)を実施し、ジョブ・カードによる職業能力の評価を実施した場合

(1)~(3)は、特定訓練コースのなかでOFF-JTにより行われる訓練で、事業内訓練または事業外訓練で計画する必要があります。

【対象となる事業主】
支給対象の事業主に関しては、下記のほかにもいくつかの要件を満たしていることが条件となります。
(1)雇用保険適用事業所の事業主であること
(2)事業内職業能力開発計画およびこれに基づく年間職業能力開発計画を作成し、その計画の内容を労働者に周知していること
(3)職業能力開発推進者を選任している事業主であること
(4)年間職業能力開発計画の提出日の前日から起算して6カ月前の日から支給申請書の提出日までの間に、当該計画を実施した事業所において、雇用する被保険者を解雇等事業主都合により離職させた事業主以外の事業主であること
(5)従業員に職業訓練等を受けさせる期間中も、当該従業員に対して賃金を適正に支払っていること

【支給対象となる労働者】
次のすべての要件を満たす労働者が対象となります。
(1)助成金を受けようとする事業所または事業主団体等が実施する訓練等を受講させる事業主の事業所において、被保険者であること
(2)訓練実施期間中において、被保険者であること
(3)訓練実施計画届時に提出した「訓練別の対象者一覧」に記載のある被保険者であること
(4)訓練を受講した時間数が、実訓練時間数の8割以上であること

【対象となる訓練など】
(1)対象となるOFF-JT訓練
以下のいずれかにより実施されるOFF-JTが対象となります。
<事業内訓練>
自社で企画・主催・運営する訓練計画により、社外から招いた講師、または自社従業員を講師として実施される訓練など
<事業外訓練>
社外の教育訓練機関に受講料を支払い受講させる訓練など

(2)対象となるOJT訓練
大臣認定を受けた実習併用職業訓練の計画に沿って、適格な指導者の下で計画的に行われるOJTが対象となります。

【助成額・助成率】
●OFF-JTを実施した場合の経費
45%(30%)を助成 ※生産性要件を満たす場合は60%(45%)
●OFF-JTを実施した場合の賃金(1人1時間当たり)
760円(380円) ※生産性要件を満たす場合は960円(480円)
●OJT実施助成(1人1コース当たり)(雇用型訓練のみ)
20万円(11万円) ※生産性要件を満たす場合は25万円(14万円)

上記以外にも、細かい条件がありますので、詳細は厚生労働省ホームページやパンフレット等をご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001031492.pdf


※本記事の記載内容は、2023年1月現在の法令・情報等に基づいています。